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ジェノサイド 高野和明 それぞれの存在する理由

ジェノサイド それぞれの存在する理由


著者 高野和明
出版社 角川書店
分類 サスペンス小説 SF小説

2人の主人公目線の物語

非日常に身を置く傭兵

主人公の1人はジョナサン・ホーク・イエーガー民間軍事会社に所属してイラクで活動する現代の傭兵。

経歴はアメリカ軍の特殊部隊グリーンベレー出身という生粋の軍人です。

戦場という非日常に身を置く彼は難病を抱える息子の日常を取り戻すために、あえて自分の手を汚す頼もしい“父親”。

息子や家族、仲間以外から見ると冷酷で恐ろし軍人の2つの面を持つ男性。

日本という平和の中で暮らす私たちの生活からはかけ離れた存在でしょう。


身近な大学生におこる常識外の出来事

もう1人の主人公は薬学を専攻する大学院生、古賀研人。

一見何か特異な才能があるわけでも、特殊な活動をしているわけでもない日常を送る学生です。

元々確執のあった父親を突然亡くし、葬儀が終わった彼に訪れた非日常は父親の残した仕事を引き継ぐことでした。


奇妙な物語の始まり

イエーガーに舞い込む高額な任務

イラクで活動するイエーガーに雇用先の民間軍事会社から、高額の任務が舞い込んできます。

イエーガーは傭兵経験から、『暗殺』などの公にされない危険な任務であろうと考えますが、難病の息子の治療費のため高額の報酬と引き換えに引き受けることになります。

そして、アフリカのある国へ任務を引き受けた仲間とともに向かうことになります。

研人が巻き込まれる父親の残した仕事

一方、父親の葬儀からしばらく経ったある日、研人は生前の父親から遺書ともいえるメールを受け取ります。

そこには父親の残した仕事を引き継いでほしいこと、危険を伴うことが書かれています。

亡くなる前の父親の不自然な生活に疑問を持っていた彼は、父親の生活を知るために仕事を引き継ぐことにします。

そこから、日常を送っていた大学院生から今まで経験したこともない非現実的な出来事に出くわしていくことに………。

物語はリンクする

国も仕事も生活も全く接点の無い2人の主人公。

彼らは、物語の中盤からそれぞれの仕事を通じて巡り会うことになります。

そして、お互いがお互いを救える存在にまでなれることを知ります。

サスペンスの紹介ですので、物語の内容はこれまでにしますね。

テーマは「それぞれの存在する理由」


ジェノサイドの意味は『1つの存在、人種、民族、国家、宗教などを末梢すること』、一般的には戦争や紛争で起こる大量虐殺のことを意味します。

大量虐殺の目的はさまざまですが、される側の存在理由を、する側が認めないために行うのでしょう。

作品の中でも度々取り上げられるテーマは、まさに『存在する理由』です。

それぞれの所属する国であったり、人種であったり、仕事をであったり、1つの生き物としての人としての存在であったりします。

その存在する理由は、誰かに一方的に決められるものではないはずです。

その答えは、物語の結末にあります。


ミステリーやサスペンスで内容を詳しく書いてしまうと、読む楽しみが減りますね。


私もネタバレのしたミステリーやサスペンスを、内容を知らない時のように楽しんで読むことはできません。

今回サスペンス小説の紹介は初めてでしたが、ネタバレでガッカリさせていないか?また、内容の紹介がなさ過ぎて伝わらないか?

読者の皆さんに伝わったのか?

書き終わって少し疑問になります。

文庫版も出版されてますので、ぜひ読んでみて下さいね。

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