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現実と芸術の境目を描く物語 西加奈子さんの 『白いしるし』

白いしるし

著者 西加奈子
出版社 株式会社 新潮社
分類 恋愛小説

今回は珍しく恋愛小説を紹介します。

青春恋愛小説が時代を問わず流行していますが、今回は人の内面に深く踏み込んだ西加奈子さんの『白いしるし』です。

現実と芸術の境目に生きる主人公の夏目香織、やや芸術側にいる間島昭史。

上手く表現できませんが、芸術を介した実際にありそうでない恋愛ドラマですよ。

登場人物

夏目香織


主人公の夏目香織はバーでアルバイトをしながら絵を描く32歳の画家。

画家とはいっても、生計を立てれるほどではなく恋愛にハマり、傷つく危なげな生き方をおくる日々。

感情に素直に、やりたいときにやりたいことをする人間味の豊かな女性。


瀬田


夏目のただの友人の瀬田は32歳の写真家。

夏目よりも社会の中に溶け込んだ瀬田は持ち前の摑みどころのなさと世渡りで女性誌に連載されるまでの実力のある写真家。


間島昭史


瀬田の紹介で夏目と知り合うことになる、ミステリアスとしか表現のしようのない画家。

アーモンドのような瞳を覆い隠す無造作な長い髪の年齢不詳の男性。

統一された色の服装は絵画から間違って出てきてしまったような現実感の無さを感じさせる。


塚本美登里


瀬田と仕事上のやり取りをする、色香が滲み出る40代のカフェオーナー。

彼女のカフェで開かれた間島昭史の個展が物語の始まりとなる。

物語の始まり

東京都内でアルバイトで生計を立てながら絵を描き続ける女性、夏目香織。

友人の瀬田と行きつけの居酒屋で絵画や芸術の話題で酒を飲み交わす日常。

その日常から、絵画の中のような世界に飛び込むキッカケが瀬田に誘われた個展で虜になった間島昭史の『白い富士山』の絵だった。

世界観と価値観


『白いしるし』では、主人公の夏目香織の気持ちを現した色とりどりの絵。

それと対比するかのような間島昭史の『白い富士山』の絵。

社会に適応しているように見える写真家瀬田の雑誌にも掲載される、現実感のある写真。

登場する芸術作品は登場人物たちの暮らしをそのまま現す鏡のような存在として現実社会にあり続けます。

キーワード、テーマは?


キーワードは関係性です。

個性的を通り過ぎて、少々現実の社会の中からははみ出して見える登場人物たち。

彼らは芸術作品という共通のつながりを持ちながら、超えることの難しい関係性というものに向き合うことになります。

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