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坂木司さんのホリデーシリーズ完結作 『 ホリデー・イン』

ホリデーシリーズ完結作ホリデー・イン

著者 坂木司
出版社 株式会社 文藝文集
分類 小説

登場人物

ジャスミン

大柄な体躯をさらに大きく見せるハイヒールと鮮やかな夜の化粧、想像しやすい姿の通称おかまのジャスミン

ホリデーシリーズの世界観の中心になる人物。

ジャスミンは1人の人間としても、経営者としても圧倒的な存在。

マルチプレーヤー?

社員にとっては頼れる社長、苦しさと幸せの中を生きる若者にとっては良い人生の先輩、幼い子どもには優しいおばさん?

映画化されたワーキング・ホリデーでは、ゴリさんがジャスミンを演じていました。

ワーキング・ホリデーとウィンター・ホリデーでは登場人物たちのサポート役に徹していたジャスミンですが、ホリデー・インの物語の中ではジャスミンの目線で出来事を見守ることもできますよ。


雪夜


夜の王子様雪夜、ワーキング・ホリデー、ウィンター・ホリデーの主役沖田大和とコンビを組んでいたホストでもありプライベートでも危なげな、大和の脇を支える2枚目キャラ。

雪夜の存在は物語を通して、完璧に仕上げられているようで、ガラスのワイングラスのような壊れてしまいそうな完璧さも持つ雪夜。

それは、彼が夜の世界に適応した存在だからでもあった。

美しさに隠れた雪夜の夜以外の姿とは?


ナナ


大和と雪夜の働くホストクラブの常連客ナナ、ナナがホストクラブを訪れていたのは、彼女がそれまでの暮らしで感じることのできなかったことを感じるため。

ワーキング・ホリデー、ウィンター・ホリデーでは親の立場の大和、子どもの立場の進の中間の立ち位置だったナナ。

ホリデー・インでは、ワーキング・ホリデーに登場するまでのナナの暮らしと、ナナが求めるものが何なのか?

ナナの生い立ちも見ることができますよ。



ワーキング・ホリデーでは小学校5年生、ウィンター・ホリデーでは小学校6年生の進。

彼は主人公沖田大和の少し大きな息子で、ホリデーシリーズもう1人の主人公。

大和が17歳のときの子どもなので、大和にしては少し大きな息子、進にとってはかなり若いお父さん。

母子家庭で育った進は社会常識や家事は大人顔負けです。

ワーキング・ホリデーとウィンター・ホリデーは、ほとんどが父親大和の目線でもあり、大人びた少々小煩い子どもの印象と、子どもらしい息子の2つの面で描かれる進ですが、ホリデー・インには進が主人公の物語もあり、彼の母親と父親に向う思いをストレートに感じることができますよ。


脇役で終わるにはキャラが立ちすぎる4人


坂木司さんのホリデーシリーズに登場する脇役の登場人物たちは全員が全員キャラが立ちすぎているんですよ。

ホリデー・インに登場するジャスミン、雪夜、ナナ、進、大東、彼らが主役で1つの物語になるのになぁと思っていましたが、本当になったことが坂木司さんのファンとしては嬉しいことです。

中でもジャスミンは1人で2話あるほど個性的。

人間的な気持ちと、物語の中での役割をしっかりと持ったキャラならではなのでしょう。


つながる坂木司さんの世界


坂木司さんの小説では、ところどころシリーズを超えてつながる人間関係があるのはご存知でしたか?

例えばホリデーシリーズとひきこもり探偵シリーズ、和菓子のアンシリーズは細かなところでつながっていたり。

きっと人同士のつながりを伝えたい坂木司さんのさりげないメッセージ。

これはよく読まないと分からないくらい細かな場面で、ネタバレにはなりませんよね?


テーマは扉を開ける


今回のホリデーシリーズは巻末に藤田香織さんの解説で「扉を開ける」と表現しています。

この「扉を開ける」ことが、いったい何なのか?

それは、物語の中で登場人物の目線で入り込んで見るとわかること。

ワーキング・ホリデー、ウィンター・ホリデーで不動の存在だったジャスミンにも、もちろん扉はありました。


今作のホリデー・インでホリデーシリーズは完結するようですが、坂木司さんにもう1つ、スピンアウト作品を描いて欲しいと思います。

ジャスミンのファンとしてはジャスミンの若い頃のお話もきっと楽しそうです。

ビジネス書も良いですね!『おかまのジャスミン流 人を動かす言葉』、主人公の沖田大和には『逆境に負けない沖田大和の気持ちの保ち方』なんめ、こちらは冗談で。

ホリデーシリーズはこちらもどうぞ↓
www.yu-hanami.com
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