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ハリー・ポッターシリーズの許されざる呪文と脳の関係

許されざる呪文と脳の関係

魔法に「どのように?」は考えるだけ無駄なのかもしれません。

今回はちょっとしたお楽しみとしてお付き合い下さい。

花水(hanami)の大好きな、ハリー・ポッターシリーズには「許されざる呪文」と呼ばれる3つの呪文が登場します。

どの呪文を人を傷つける邪悪な呪文、使っただけで終身刑が確定するそうです。

そこで、今回は許されざる呪文を2つの面から考えてみました。


相手にどのような影響を与えるのか?


1つめは、許されざる呪文が相手にどのような影響を与えるかです。

具体的なお話になるように、脳の働きを含めてみました。


なぜ規制されているのか?


もう1つは、なぜ規制されているのかについてです。

それでは、長くなりますが楽しんでいただけると幸いです。


許されざる呪文


まずは、物語のに登場する「許されざる呪文」にはどのようなものがあるのかです。


服従の呪文


服従の呪文」は魔法をかけた相手を完全にコントロールできる呪文です。

呪文は「インペリオ」。

恐ろしいことに、魔法をかけられた相手は「自分がコントロールされている」ことがわからないこと。

そして、自分の生死や人を傷つけることもコントロールしている人物の命令するままに行えることも服従の呪文の恐ろしいところです。


磔の呪文


「磔の呪文」は相手の体を傷つけることなく、拷問の苦痛を与えることができる呪文。

呪文は「クルーシオ」。

磔の呪文を受けた人は、「死ぬほうがまし」と思うほどの苦痛を与えられるようです。


死の呪い


死の呪い、名前の通り人に死を与える呪文。

呪文は「アバダケダブラ」。

緑色の閃光が体を貫くと、そこある命は拭い去られ何も残らない。

防ぐすべも、治す方法も存在しない呪文です。


許されざる呪文は魔法界で1717年に「ヒトに対する使用」が禁止され、物語の時代での法律では魔法界の刑務所アズカバンで終身刑になることが明らかになっています。



脳の働き


ここで、魔法のお話から現実のお話へと話題は変わります。

「どのように」と「なぜ」を考えるためには、具体的な現実のことと照らし合わせて考えなければならないと思いましたので、脳の働きに触れさせていただきますね。

私たちの脳は、働きと作りから大きく4つに分けられています。

それは、大脳、間脳、脳幹、小脳です。
この中で許されざる呪文と関係するのは大脳、間脳、脳幹の3つです。


大脳


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大脳はイラストでよく目にする、いわゆる「脳みそ」の部分です。

シワシワの大きな脳みその部分、外側から見て1番目立つ場所が大脳です。

大脳の働きをひと言で表すと「考えて行動すること」ですね。

難しい表現では、外からの知覚された情報を分析し体を動かす中枢。

そして、私たち人間で最も発達している大脳は、思考や判断や記憶をまとめていて「人間らしい考えや行動」をするために欠かせない場所。

読書に必要な文字を読んだり内容を想像する場所も大脳になります。


間脳

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間脳は大脳の1層内側にあります。

イラストで目にすることはほとんどないでしょう。

健康番組などで視床(ししょう)や視床下部(ししょうかぶ)など、間脳の一部分の働きが紹介されることもあります。

人の神経は手足の先から大脳まで走っているので、間脳は大脳と体をつなぐ中継点。

そして、間脳の働きは、「全ての感覚の中継」と交感神経と副交感神経の2つの「自律神経」を制御する役割があります。

例えば、間脳が病気で異常起こすことで体には何も傷や炎症がなくても痛みを感じることが明らかになっています。

その痛みは「焼かれたような」「電気を流されたような」「トゲトゲしたもので激しく擦られたような」耐え難い激痛のようです。


脳幹

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脳の中でも最も下の部分が脳幹と呼ばれます。

脳幹も上から順に中脳(ちゅうのう)、橋(きょう)、延髄(えんずい)と分けられますがここでは省略しますね。

脳幹の最も大切な働きは生命維持に欠かせない呼吸、そして心臓の動きを制御することです。

見解は分かれますが、脳幹が完全に破壊されて、命を保つことができないことが「脳死」と呼ばれるのもそのためです。


小脳

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小脳は「脳みそ」を真横から見ると大脳の後ろ側についている、さらにシワシワの小さな脳みその部分です。

小脳の主な働きは運動の細かな調整と、平衡機能です。

平衡機能は、例えば平らな道を真っ直ぐ歩くように体の重心を動かす働き。

そのため小脳が病気で異常を起こすと、酔ったようにフラフラして真っ直ぐに歩けなくなってしまいます。


脳と許されざる呪文の関係


許されざる呪文の紹介と脳の働きをお話ししました。

J・K・ローリングさんからは、魔法が脳に影響しているというお話はありませんでしたが、数ある魔法の中で許されざる呪文の特徴と脳の働きには大きな関係があると思っていいでしょう。

そこで、許されざる呪文は魔法で相手の脳の働きを支配したり狂わせたりすると想定してお話を進めます。


服従の呪文

服従の呪文の特徴

①かけられた人間の行動をコントロール

②かけられた人間はかけられたことがわからない

③かけられた人間は抵抗して呪文から逃れられる


大脳への影響

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大脳の働きは「考えて行動すること」でしたね。

服従の呪文は人間の大脳を支配することで、「考えること」と「行動すること」両方をコントロールしてしまいます。

「考えること」が支配される描写は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、ヴォルデモート卿に服従の呪文をかけられたバーティ・クラウチという魔法省の高官の場面で確認できます。

バーティ・クラウチ服従の呪文にかかりながらも、日常生活は遅れますし何と仕事をこなすこともできていました。

それも、周囲に気付かれることなくです。

バーティ・クラウチ服従の呪文の③の特徴「抵抗して呪文から逃れられる」のように、服従の呪文を破りホグワーツのアルバス・ダンブルドアの元へ駆け込もうとすることもできました。

「行動すること」が支配される描写は『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、ハリー・ポッター自身がゴブリンの銀行員に服従の呪文をかけた場面で確認できます。

ゴブリンの銀行員の場合は、ハリー・ポッター自身が闇の魔術の専門家ではなかったためか行動が少々おかしく、同僚の銀行員に様子がおかしいことに気付かれたりしていました。

それでも、本来は許されていない本人確認もせずに金庫へ案内するという異常な行動をしています。

②の特徴でもある「行動すること」がコントロールされてもおかしいことに気付かない理由、それは「考えること」も支配されているためです。

異常な行動を自分で考えたかのように行ってしまうこと、それが服従の呪文の恐ろしさでもあります。

さらに、③の特徴「抵抗して呪文から逃れられる」ことができるのにも理由があります。

服従の呪文は外から人間の大脳に、見えない電極のようなもので信号を送りコントロールすると思われます。

「かけられる側」に強い意志があり、送られてくる信号以上の力を発揮した場合、服従の呪文をかけた人物が闇の魔術に卓越したヴォルデモート卿であっても逃れることができるということになります。


磔の呪文

磔の呪文の特徴

①耐えられない苦痛

②強さが強力な場合は失神

③呪文を受け続けると後遺症が残る

磔の呪いは、許されざる呪文が紹介された『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』以降、登場する場面の多い呪文です。

①の特徴のように体に傷を負わせることなく、耐えられない苦痛を与える恐ろしい闇の魔術。

②の特徴でもある「強さが強力な場合は失神」のように呪文の強さに強弱があるようです。

呪文が弱い場面は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で、ハリー・ポッター名付け親のシリウス・ブラックを殺害したベラトリックス・レストレンジに対して使ったときです。

このときは、ハリーが初めて使った磔の呪いに慣れていかったためか、ほとんど効いていませんでした。

同じハリーが『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、恩師ミネルバ・マクゴナガルを暴行したアミカス・カローに使った場面では、見事に失神させています。

③の特徴の「呪文を受け続けると後遺症を残す」ことは、磔の呪いの残酷さを際立てています。

ハリーの同級生ネビル・ロングボトムの両親は、魔法省に勤務する「闇祓い」でした。

「闇祓い」は現代の対テロ特殊部隊のような、ヴォルデモート卿の組織を摘発する仕事。

ネビルの両親はヴォルデモート卿が失脚した当時、残党のベラトリックス・レストレンジら3名に長時間の磔の呪いをかけられてしまいます。

何とか命をとりとめることができたネビルの両親でしたが、重い記憶障害と認知症のような症状で魔法界の医療機関から退院できずにいます。


間脳への影響

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間脳の働きには、「全ての感覚の中継」と交感神経と副交感神経の2つの「自律神経」を制御する役割がありましたね。

磔の呪いの1つめの特徴、体に傷をつけることなく①耐えられない苦痛を与える特徴。

磔の呪いが間脳の働きを乱して、脳に「激痛が起こっている」と錯覚させてしまつために起こります。

そして、2つ目の②強さが強力な場合は失神することと、③呪文を受け続けると後遺症が残る特徴も同じです。

私たちが体を傷つけられて感じる痛みには限度があります。

包丁で手を切った痛みは誰でも経験しているはずですよ。

それでは、体を真っ二つに切られた痛みを経験されたことはありますか?

おそらくないでしょう。

命を落としているでしょうから。

もし体を傷つけられずに、そんな痛みを感じることができるとしたら………。

ネビル・ロングボトムの両親のように後遺症が残ってもおかしくはないのかもしれませんね。


死の呪い

死の呪いの特徴

①受けると即死

②防ぐことができない

③治す呪文はない

物語の中で、初めて死の呪いが使われた場面は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』。

三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)の決勝戦ハリー・ポッターと優勝を競っていたセドリック・ディゴリー。

2人は決勝戦の勝敗を決める優勝杯を手にした瞬間、ヴォルデモート卿の本拠地へと移動させられてしまいます。

本拠地で2人を見つけたヴォルデモート卿は、体を復活させるためにハリーを生け捕りに、そして………

セドリックは死の呪いアバダケダブラの緑の閃光を受け、その場で死んでしまいました。

その後難を逃れたハリー、セドリックの遺体とともにホグワーツへ移動します。

セドリックが死の呪いを受けた状況は不意打ちでした、②防ぐことができないのは未確認ですが、その場で①受けると即死してしまいました。

移動した先は決勝戦の会場、試合の行方を見守っていたアルバス・ダンブルドア校長も駆け寄ります。

もし、何らかの方法で死の呪いから回復させることができたとしたら。

現場には、魔法界で最も優れた魔法使いのダンブルドア校長がいました。
回復の方法があるのなら、セドリックを救う魔法を試みたでしょう。


脳幹への影響

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脳幹の最も大切な働きは生命維持に欠かせない呼吸、そして心臓の動きを制御することでした。

死の呪いには、①受けると即死する特徴があります。

物語の中では、体に傷も残らず、苦しむ描写もなく突然死んでしまっています。

最近の医療機関では、心拍数・呼吸数・血圧・体温がなくなってしまい、さらにライトで瞳を照らして瞳が縮む瞳孔反射がなくなった段階で死亡としているようです。

魔法ですから、心臓と肺の働きを同時に止めてしまうことも考えられます。

ですが、心臓と肺の働きが同時に止まっても、人間には僅かな時間ですが意識はあります。

この心臓の動きと呼吸を一手に制御している場所が脳幹でしたね。

脳幹を魔法で破壊してしまうのなら、その場で人間は死んでしまうことでしょう。

そして、もつ1つの③治す呪文はない特徴です。

死の呪いを受けたセドリック・ディゴリーが帰った場所には、最も優れた魔法使いアルバス・ダンブルドア校長がいました。

死の呪いを受けてから、数分後でしょう。

居合わせたダンブルドア校長でも、手の施しようがなかったようです。

ハリー・ポッターシリーズでは、切り傷や骨折はもちろん、耳や鼻が切断してしまっても、骨がなくなってしまっても修復する魔法があります。

それでも治せない体の場所、それは脳。

中でも生命維持に必要な脳幹が破壊されてしまうと、魔法を使っても蘇生させることは難しいのでしょう。



脳に影響を与える呪文に厳しい規制

イギリスの脳死に対する考え


臓器移植法の施行から、「脳死が人の死」という認識が広まっています。

日本を含む多くの国が、脳全ての働きが止まる「全脳死」と呼ばれる状態を脳死としています。

ハリー・ポッターの舞台でもあり、作者J・K・ローリングさんの暮らすイギリスでは脳幹の働きが止まることが脳死と認識されています。

つまりイギリスでは、脳幹の働きが止まり自力では呼吸と心臓の動きを保てないことが「死」と認識されています。

死の呪いを受けた人に起こることが、まさに死ぬことなのですね。


魔法でも脳を治すことはできない


ハリー・ポッターシリーズの物語では、体の傷や病気は魔法や魔法薬で完治している場面が多くあります。

ですが、脳が正常に働かなくなったために起こることは残念ですが完治していない場面ばかりです。

例えば、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で記憶を消す忘却術が誤って暴発し、自分の記憶を失ったギルデロイ・ロックハート

かつて磔の呪文を長時間受けて、記憶障害と認知症のような後遺症の残ったネビル・ロングボトムの両親。

3名とも魔法界の医療機関で暮らす生活を送っています。

死の呪いにいたっては、受けてしまうと何の対処も行えないほどです。

このことから、ファンタジーのハリー・ポッターシリーズの世界の中でも人の脳を他者が魔法で操作することは、取り返しのつかない行為と認識していいでしょう。


人に向けた使用だけで終身刑


人の脳を他者が魔法で操作する、3つの許されざる呪文。

この許されざる呪文を「人へ向けて使う」だけで、即終身刑が宣告されると物語の中ではいわれています。

魔法を使って故意で人を傷つけたとしても、重大な罪に問われている様子は多くはありません。

「魔法で元に戻せる」程度の損害は、ハリー・ポッターシリーズでは罪に問われないのかもしれません。

その中でも、後遺症を残す可能性のある磔の呪文、蘇生するすべがない死の呪いは死刑(魂を吸い取り昏睡させる吸魂鬼のキス)の次に重い終身刑なのでしょう。

後遺症を残す記載のない服従の呪文、この魔法がなぜ同じ刑罰に問われるのでしょう。

それは、服従の呪文で操作された魔法使いが磔の呪文や死の呪いを使う可能性があるからでしょう。

服従の呪文を使うことは、誰かに人を傷つけさせる行為を行わせる、磔の呪文と死の呪いの使用未遂ということになるのではないでしょうか。


許されざる呪文と脳の関係のまとめ


ハリー・ポッターシリーズの作中で度々登場する3つの許されざる呪文。

相手の考えと行動をコントロールしてしまう「服従の呪」。

服従の呪文は大脳をコントロールすることで、かけられた相手に「自分で考えて行動したように」思い通りの行動をさせることができる恐ろしい呪文。

「磔の呪文」は、呪文を受けた時間が長ければ後遺症を残してしまう危険な呪文でした。

磔の呪文は「全ての感覚の中継」と交感神経と副交感神経の2つの「自律神経」を制御する間脳に信号を送り、脳に「激痛が起こっている」と錯覚させているために起こります。

私たちが本来怪我をして感じる痛みには限度があります。

体を傷つけることなく、錯覚の痛みを起こさせる磔の呪文には限度はありません。

使う者が望むだけの苦痛を与えられる恐ろしさがあります。

そして、「死の呪い」。

人を即死させてしまう死の呪いは、生命維持に欠かせない呼吸、そして心臓の動きを制御する脳幹を破壊してしまう魔法。

防ぐこともできず、もちろん蘇生させることもできません。

ファンタジーのハリー・ポッターの世界でも、脳に後遺症を負った人物が魔法で元どおりになることもなければ、死んだ人物が生き返ることもありません。

元に戻せないものを奪うこと、3つの許されざる呪文が厳しく取り締まられる理由がそこにあります。



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