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人生の教科書『超訳 努力論』に書かれた生き方のヒント

超訳 努力論』幸田露伴、三輪裕範

著者:幸田露伴
訳者: 三輪裕範
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン
分類 :思想・哲学、生き方の実用書
出版日:2013/11/30

前回、人生の教科書『超訳 努力論』を取り上げさせていただきました。

今回は、人生の教科書に身の回りの出来事を書き留め、実際に暮らしに生かした教科書にする取り組みのお話をさせていただきますね。

超訳 努力論』が「人生の教科書」にお勧めの3つの理由


「ベースになる本に出会った人の考えを書き綴る人生の教科書」としての目的で、現在活用中の『超訳 努力論』を取り上げました。

この目的に必要な条件は、①暮らし全般で広く浅い内容 、②「生きる」という基本を抑えている、③適度な空白と見やすいページ、この3つです。

「本の内容が活用できる」「書き込み用」に最適な実用性

先ほどの①②③を実用性があるかに当てはめると、①②は「本の内容が活用できるか」の実用性、③は「書き込み用の本」としての実用性になります。

本の「内容が活用できるか」、こちらは十分実用性があります。

基本的な生き方を説いた本が、日本社会に合わせてビジネス界を生き抜いてきた三輪裕範さんによって現代風に訳されているためです。

「書き込み用の本」としての実用性も十分にあります。

1つのページが1つのテーマになっていることと、空白が十分にあること、そして何よりハードカバーであるという点です。


著者と訳者の実績が信頼性の証

原著『努力論』の著者幸田露伴の実績は文化勲章が物語っていますね。

訳者の三輪裕範さんは、ビジネス界の第一線で活躍されてきた実績が十分。


1ページに1テーマ、文章表示も読みやすい

1つのページで1つのテーマを取り上げていること、文章表現が特にわかりやすく書かれていることが特徴。

書かれている内容が、「当たり前のこと」でもあり面白くないと思われる方もいるでしょう?

ですが、「当たり前のこと」、どの本にも書かれているだけに生きていく上で必須のことなのではないでしょうか?



地道に努力を重ね、周りに優しく


小さな積み重ねでも、積み重ねないよりは人生先に進める。


努力の積み重ねが天才を生む

偉人たちの伝記を読んでみても、努力していない人を見つけることはできない。特に各種の発明者や提唱者、真理の発見者たちというのは皆、まさに努力によってそうした一大事業を成し遂げている。
Ⅲ 目標に向かって進む 52

小さな努力の積み重ね、成果はいつ出るのかと思いながらも、私も含めてそれぞれの方なりの努力を積み重ねていくものだと思います。

仕事で知り合った、ある教育関係の方の言葉がこのテーマに当てはまります。

「人によって、同じ努力で1積み上げられる人もいれば10積み上げられる人もいます。ですが、努力をしていない0よりも、1積み上げれた人の方が先に進めているんですよ」


学問の目標は「正・大・精・深」

「正」とは、横道にそれたり一方に偏ったりしないことだ。
Ⅲ 目標に向かって進む 56
学問を修めるにあたっては、自分の学ぶ範囲を限定してしまい、自分を大きくしようという気持ちがないのはダメだ。
Ⅲ 目標に向かって進む 59
源為朝のよつな弓の名人が矢を射ったとしても、矢がまっすぐではなくら羽が整っていなければらうまく当たるはずがない。これと同じようにら学問も「精」を欠けば失敗するものだ。
Ⅲ 目標に向かって進む 62
井戸を深く掘れば水は必ずでてくるように、学問も深く探求すれば必ず結果が得られるものだ。
Ⅲ 目標に向かって進む63


超訳 努力論』のタイトル通り、「どんな努力を積むか」がテーマの項目です。

何かを身につけるなら、まず王道の方法から始め、「ここまで」と区切りをつけないで納得するまで、そして正確な方法で、最後まで学び切ることが大切なんですね。

少し「根性論」よりの気もしますが、「まず基本を正しい方法」で始めることが大切と思える内容です。


仲の良い夫婦は健康だ

実際、世の中を見てみれば、仲の良い夫婦はお互い健康である例が多い。これは、日ごろからお互いのことをよく観察しているため、お互いに何か異変があったときに発見しやすいからだ。
Ⅳ 無理のない生き方をする 81

ここでもある老婦人の言葉を思い出しました。

「夫婦は合わせ鏡、自分がどう見ているかで相手も変わるもの。出会ったのなら、初めから良い相手なんですから」

この項目のテーマとは少しずれますが、こうありたいものだなぁと思います。

健康で夫婦ともに長生き、その秘訣がお互いの気配りなんですね。



「人生の教科書」に出会った人の行動を書き留めておく


超訳 努力論』の2つの項目、「高級な感情を育てる」「幸運を引き寄せる」行動に周りの人のエピソードを当てはめてみます。

ここでは、物静かですがやさしいおじさんと、かなり天然な花水(hanami)のお祖母ちゃんに登場してもらいました。


「高級な感情とはどういうものなのか」と叔父さん

1人の貧乏そうな身なりの老婦人が雨上がりの泥水の中で転倒した。それを見て、Aは口を開けて笑い、Bは眉をひそめ、Cは気の毒に思い、Dは冷たく顔色も変えず、Eは馬鹿にする表情を浮かべた。
Ⅵ 高級な感情を育てる 117

この中で、ただ1人真っ当な感情を持ったのは老婦人を気の毒に思ったD。

世の中小さなこと、大きなことで人の不幸を笑ったり冷たくしたりする態度は多いと思います。

そう思いながら、頭の中に浮かんだのは私の叔父さん。

昔から優しく穏やかで、アウトドアは大好きですが物静かな叔父さん。

お酒を飲んでも、誰の悪口も言うことはなかった印象。

お酒が入ると、どんなに立派な方でも小さな愚痴や悪口は出てくるものですよね。

私はあるかも。

ですが、叔父さんが人を悪く言っている場面は見たことがありません。

本当に、誰にも悪い感情は抱いていないように思えてしまいます。


「河に酒を注いで、兵と分かち合った武将」と祖母の行動

兵の数が多いにもかかわらず少量の酒しかなかったとき、ある武将はその酒を河に流して、兵たちとともにその酒を味わったという。
中略)
兵たちは、酒が少しだけしか流れていないこの水をすくって飲んだところで、酔うようなことはなかったが、この武将の温かい心遣いには酔わずにはいられなかったのだ。
Ⅱ 幸福を引き寄せる 33

経営の見本になるようなテーマですね。

私が思い浮かべた人物は、またも親戚です。

それは、祖母。

周りには穏やかで、かなり天然な私の祖母。

臨時収入やお歳暮は、自分の分はさておいて必ず周りに分け与えていました。

貰い物は、ついついネコババしたくなるもの。

分け与える気持ち、それが大切だと思わせてくれるテーマでした。



超訳 努力論」のまとめ


今回は1つの本に出会った人の考えや、良い言葉、他の本の内容を書き込んで「人生の教科書」を作ってしまうことがテーマでした。

私はベースになる本に、幸田露伴の『努力論』が三輪裕範さんにより現代風に訳された『超訳 努力論』を選びました。

人生を生きるために必要な、①暮らし全般で広く浅い内容 、②「生きる」という基本を抑えていること。

そして、③適度な空白と見やすいページで書き込みに適している『超訳 努力論』は最適でしたよ。

もし、これから「人生の教科書」を持ちたいなぁと思う方には最適の1冊。

春から新しく仕事につかれる新社会人の方、今の努力の結果がなかなか出ない方(私もですが)、読みやすい本ですので、1度開いてみてください。

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人生の教科書におすすめの2冊の本

ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』鳥沢廣栄
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『しょせん幸せなんて、自己申告。』綾小路きみまろ
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