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外はクールだけど中は熱い検察官佐方貞人が活躍する 柚月裕子さんの『心を掬う』

ほっこりミステリーから柚月裕子さんの『心を掬う』の紹介


著者 柚月裕子
出版社 株式会社 宝島社
分類 ミステリー
出版日 2014/3/6
読みやすさ ☆☆★読みやすい

短編集を物語ごとに紹介させていただいている、『ほっこりミステリー』の紹介。

第2回は、柚月裕子さんの物語を取り上げました。

登場人物


柚月裕子さんのミステリー作品『最後の証人』に登場する佐方貞人。

『最後の証人』は佐方貞人が弁護士として活躍する場面を描いた作品ですが、スピンオフ作品でもある『心を掬う』はシリーズを遡ること10年くらい前の20代の佐方を描いています。

当時、つまり『心を掬う』での仕事は検察官でした。

同僚の検察事務官の増田陽二は佐方より少し年上の30代前半、『検事の本懐』でも活躍した少し年上の部下にあたります。



物語の始まり


今回の事件は検察官佐方貞人と検察事務官増田陽二が居酒屋でお酒を飲んでいるときの、居酒屋店主がふと話した世間話がきっかけ。

事件は居酒屋店主の友人が離れて暮らす孫に送った手紙が届いていない、よくあるささいな世間話。

その世間話に思うことがあった佐方は事件解決のための捜査を始めることにしました。




世界観と価値観


検察官の仕事の本文は「正義」にあるのではないでしょうか?

もちろん日本国内の法律に沿った正義ではありますし、クールで心の底が見えない佐方貞人は正義感が表に出るタイプではない冷静な人物。

その見えない心の底から湧き上がる正義、検察官の仕事としての捜査を超えた人として困った人を解決したい正義。

その行動と事件解決に思わず、ほっこりしますよ。




キーワードは掬う


『心を掬う』のタイトル通りキーワードは「掬う」です。

「掬う」の意味は国語辞典によると、「液状・粉末状のものを手のひらやさじなどで取り出す」「液体の表面に浮いているものやその中にあるものを、下から受けるようにして取り出す」とあります。

『心を掬う』の作中では、業務の1つとして「掬う」ことが行われていました。

「掬う」業務を通して、誰かを「救う」ことにつながります。

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