本の紹介という書評の書き方〜表現の方法
読書ブロガーを自称していて、ブログで「本の紹介」という書評記事を更新している花水由宇(hanami yuu)です。
「本の紹介」記事も100記事を超えて、ようやく書評ブログらしくなってきたようです。
そこで、以前書いていた書評の書き方の記事をリニューアルして、「書評の書き方」シリーズとして更新します。
第1回は「本に合わせた文章表現」、第2回は「本によって変わるフォーマット」、第3回が「小説のジャンルごとの文章表現」です。
書評をどんな風に書いている?
書評というと、書評家と呼ばれる専門家が書かれる記事に思えて最初は使いたくはありませんでした。
今でも、本を紹介する記事は「本の紹介」というカテゴリで紹介させていただいています。
そんな私が書評の書き方で大切にしているのは、本の種類に合わせたフォーマットと文章表現です。
書評という言葉
はじめはブログの名前が「書評ブログ」でしたが、今は書評という言葉を使ってはいません。
それは、いち読者の私がちょっと上からで偉そうに思えたから、ただそれだけです。
ですが、書評といった方がわかりやすいこともあるので「書評の書き方」シリーズでは使いますね。
書評の書き方
私が本を紹介するときに、最近では自分で決めた文章表現とフォーマットで書いてみることにしています。
と言っても文章の専門家でもなく、物書きとしてもまだまだ「書き方」の勉強中の身です。
一般的な書評からズレているかもしれませんので、良いアドバイスのある方はよろしくお願いしますね。
大切なのは文章の内容と文章表現
書評の書き方で大切なのは、文章の内容と文章表現が紹介したい本に合っているかです。
例えば、内容の正確さが売りの実用書を詩的な表現方法で内容をボカして伝えようとしてもなかなか伝わらないと思います。
逆に小説の内容を詳細に説明しても、ネタバレをしていないつもりでも読む方が「なんだ、こんな感じかぁ」と興味を下げてしまうでしょう。
実は、文章表現は私自身も悩みどころです。
そこで、書評の書き方で取り組んでいるのは内容が具体的か抽象的か、表現方法はズバリ事実を伝える叙事的か、自分の思いを含めた叙情的かを気にしながら文章を書くようにしていますよ。
書評の文章表現〜具体的?抽象的?
1つ目の文章表現は、具体的か抽象的かの目安です。
具体的
「具体的」とは、一応辞書で「物事のはっきりとした実体を備えているさま。個々の事物に即しているさま」とありました。
簡単に言うと、「物事を細かく正確に伝える」ということですよね。
例えば、最近ではすっかり治ったかに思えるお隣の国のミサイル問題。
ミサイルの性能について、具体的に説明するとこのようになります。
「お隣国の新型のICBM、大陸間弾道ミサイルの射程距離は5000キロ以上です」
この内容ですと、お隣の国の新型のミサイルはICBMと呼ばれる大陸間弾道ミサイルという種類であること、射程距離が5000キロ以上あることがわかります。
細かく性能に伝えることが内容が具体的だといって良いのではないでしょうか?
抽象的
具体的と反対の意味の「抽象的」は、「物事からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること」とあります。
抽象的な文章表現は、「物事を大まかに伝える」ということになります。
先ほどの、ミサイルの性能のお話を例えに上げてみます。
「お隣の国が配備するミサイルはロケットのように打ち上がった後、山なりにアラスカまで届くほどに進歩しました」
この内容ですと、どんな種類で射程距離が何キロなのかはわかりませんが、ロケットのように打ち上げること、山なりにアラスカまで向かうことが何となくわかります。
細かいことは置いておいて「物事の全体を何となく」伝えることが、抽象的な内容といっていいと思いますよ。
具体的と抽象的、文章の内容としては反対になりますね。
文章表現が叙事的?叙情的?
2つ目の文章表現は、叙事的か叙情的かの目安です。
叙事的
「叙事的」の意味は、辞書では「事実を述べて表現すること」とありした。
そうですね、事実をありのままに伝えることなので新聞のような表現方法になります。
例えばこんな感じでしょうか?
「花水は窓から顔を出すと天気予報通りの37度の気温に驚いた」
と、気温を確認した方法は天気予報、温度は37度、花水の様子は驚いたことを伝えています。
出来事を「ありのまま」に伝えることが叙事的な表現方法になります。
そこから、どう感じるかは読む方次第ではないでしょうか?
叙情的
「叙情的」の意味は、辞書では「感情を述べて表現すること」とあります。
叙事的とは反対に事実に人の思いや感覚も交えて伝える詩的な表現方法になるでしょう。
例えばこんな感じでしょうか?
「天気予報の気温に疑問を持った花水の感じた外の世界、体温に近い暑さに認めたくない思いで再び窓を閉める」
あんまり上手くありませんが、花水が天気予報に疑問を持っていること、多分窓から外の温度を確認したこと、気温は体温に近く、それを認めたくなかった気持ちがわかります。
出来事について、「どう感じたか」を伝えるのが叙情的な表現方法と言われています。
そこから事実を思い浮かべるのも、読む方次第になると思いますよ。
叙事的と叙情的、こちらも表現方法としては反対になっています。
書評では4つの具体的(G)、抽象的(T)、叙事的(J)、叙情的(J)のGTJJスコアで文章表現を決める
文章の内容が具体的か抽象的か、表現方法が叙事的か叙情的かと4つの項目をあげてみました。
頭の悪い私は言葉だけではこんがらかってしまいそうなので、「GTJJスコア」というグラフにまとめてみます。
いかがですか?
このグラフ自体が抽象的でもあるので、気をつけている点はおおよそです。
数値をつけるなら、具体的の1番隅が論文、抽象的の1番隅がコラムのような感じでしょうか。
叙事的の1番隅が新聞で、叙事的の1番隅が詩などの散文でいかがでしょう?
勝手にGTJJスコアと名付けます。
実際の書評の書き方に合っているかを当てはめてみました。
ビジネス書の書評の書き方
ビジネス書の紹介を読む方は、仕事に役立つ著者の考え方を知りたいことですよね。
人の考え方ですから、受け取る方も様々。
具体的か抽象的かで考えると、考え方の全体像を伝えながら大切な内容は掘り下げなければなりません。
そこで、やや具体的になるように書いています。
叙事的か叙情的かで考えると、感情も交えはしますが事実を伝える必要があります。
ここは、叙事的になるように書いています。
実用書の書評の書き方
実用書は難しいんですよ。
「気持ちの持ち方」の実用書もあれば、文章の書き方の実用書もあります。
ただ共通しているのは実用書の紹介に必要なのは、「お役立ち情報」だと思います。
そこで、内容はすぐに役立てれるように具体的に掘り下げて伝えるようにしています。
表現方法は、実際に私が読んでどうだったかを伝えることも大切ですよね。
叙事的に事実も伝えつつ、叙情的に気持ちも込める、やや叙情的な表現方法を心がけています。
エッセイの書評の書き方
エッセイは人の感覚そのものだと思います。
読んだ方が、どう感じたかも読む方によって違いが出てくると思います。
著者の方が出来事をどう思い、どう暮らしているのか?
著者の方の人間性を伝えれるように、抽象的な内容が良いのではないかと思っています。
表現方法も気持ちのこもった方が良いですが、現実の暮らしの中のお話しでもあるためにやや叙情的な表現方法にしています。
小説の書評の書き方
小説は楽しむものですよね。
小説の内容を具体的に掘り下げてしまっては、あまり読む気もしなくなるのではないでしょうか?
そこで、大まかに、特に前半部分と世界観だけが伝わるように抽象的な内容にしています。
表現方法は、最近気をつけはじめたばかりですが、登場人物のキャラクターや物語の世界観を伝えられるように叙情的な表現方法に気をつけています。
書評の書き方は本に合わせた文章表現の工夫が大切
「書評の書き方」とタイトルをつけると、なんだか、1人前の書評ブロガーのように思われて、なんだか恥ずかしいですね。
書評の書き方は、本に合わせて文章表現を変える工夫が必要。
その本に合わせて、すぐに文章表現を工夫した書評の書き方ができるなら、素晴らしいと思います。
私はそこまで、器用ではありません。
そこで、4つの表現方法、具体的(G)、抽象的(T)、叙事的(J)、叙情的(J)を組み合わせて「GTJJスコア」というものを考えてみました。
大きなことを書いてしまいましたが、私自身も書評の書き方の勉強中です。
また、文章の書き方の教科書になりそうな本を見つけたので、載せておきますね。
今回は、文章の内容と文章表現についてでした。
次回第2弾は私が本の紹介を書くときに使っている、フォーマットと記事と広告の配置の書き方のお話をさせていただきます。
長々と書いてしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
書評ブロガーの方でどなたか良い書き方の方法があったら、書き方のオススメの本があったら教えて下さいね。
第2弾の「3つのフォーマット」へ続きます↓
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第3弾の「小説の書評の文章表現」はこちら↓
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書評の書き方に役立つ本と関連リンク
『残念ながら、その文章では伝わりません』山口拓朗
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『まじ文章書けないんだけど』前田安正
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『伝える3部作』池上彰
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