本のジャンルで使い分ける書評のフォーマット
「書評の書き方」シリーズ第1弾『文章表現の方法』に続いて、第2弾ではそれぞれの本に合わせたのフォーマットを紹介しますね。
はじめて「文章の書き方」をまとめた記事の更新から1年。
本の紹介も100記事を超え、多くのジャンルの本を紹介させていただいてます。
そこで、本の種類を大きく3つに分けて、それぞれに合った書評の型、フォーマットのお話をさせていただきますね。
参考にさせていただいた本の紹介や、小説のジャンルなどの関連ページも更新しましたよ。
- 本のジャンルで使い分ける書評のフォーマット
本の種類に合わせた3つの書評フォーマット
花水(hanami )が本の紹介をするときには、大きく分けて3つのフォーマットを使っています。
本の種類に合わせて、書評の書き方でもあるフォーマットを変えているには理由があります。
それは、本の種類によって、読む方の「知りたい」ことも変わるからです。
1つめの「小説」では、小説を探している方はネタバレは望んではいないでしょう。
2つめの「ビジネス書と実用書(働き方や勉強)」では、具体的にどんな内容かを知りたいはずです。
3つ目の「実用書(暮らしや生き方)とエッセイ・ノンフィクション、思想や哲学の本」では、読んだ理由、どんなときにおすすめなのかの感想と本の中の大切な部分が知りたいと思っています。
本に興味のある方の、また本を必要としている方の「知りたい」ことに答えれるようになるために、本の種類ごとにフォーマットを決めて書評を書いています。
小説の書評のフォーマット
小説のフォーマットは、他の本に比べてシンプルです。
1.登場人物
2.物語の始まり
3.世界観や価値観
4.物語のキーワードとテーマ
1.登場人物
小説の書評では、まず登場人物の紹介を書いています。
登場人物がいないことには、物語の書きようがなくなりますので、主人公は当然ですが、物語の中心になりそうな登場人物、テーマに大きく影響しそうな登場人物を2〜3人取り上げるようにしています。
2.物語の始まり
本の内容はここから書き始めています。
始めはどの部分を紹介しようか迷いましたが、物語の中盤以降を書いてしまうとネタバレになります。
小説の紹介記事ではネタバレはしないようにしていますので、物語の冒頭に触れる程度。
3.世界観や価値観
最近よく読む小説は、現実に違い内容。
かつてはSFなどもよく読んでいましたが、今はほとんど読んでいません。
小説はもちろん空想の物語か、現実を元にしたフィクションですので、物語の中がどのような世界観なのかに触れています。
特に現実世界と変わらないようであれば、登場人物たちの世界で大切にされている価値観は何かに触れることで、物語の中で作家さんが「何を感じてほしい」のかを伝えられる手がかりになればと思います。
4.物語のキーワードとテーマは?
小説の紹介で最も大切にしている内容が、このテーマとキーワードです。
実は文庫本などの小説では、巻末に他の作家さんの書評が掲載されていますね。
あの書評のマネをしたようなものです。
ただ、キーワードは私が物語を読んで拾い集めた中から。
テーマも、作品の中で中心になる人と人との関係や大切にされていることは何かを読み解いたものを選んでいます。
そのため、全くズレていることもあるかと思いますし、何を言っているのかよくわからないこともあるでしょう。
ですが、ここはオリジナルの内容なので大切にしたい部分でもあります。
ビジネス書と実用書(働き方や勉強)の書評のフォーマット
ビジネスと実用書は、2記事に分けて更新するため、フォーマットは長めです。
1.本を紹介する理由
2.著者の紹介
3.本の構成と読みやすさ
4.おすすめの理由
5.おすすめの理由を3〜4点
6.自分視点の見どころ3点
7. 本の最も大切な3点
8.実際に活用してみての実例
9.まとめ
1〜4までで1記事、5〜9で1記事で書いています。
1冊のビジネス書と実用書を1記事でまとめる場合、4を省略して6と7を1つにまとめます。
1.本を紹介する理由
①なんで読んだか?
ビジネス書の紹介ではまず、出だしに「何で読んだか」「読むきっかけ」となったことを伝ることを大切にしています。
理由は、ビジネス書を探している人は仕事での何かに困っていたり、新たな知識を身につけたくて読む目的の人が多いはず。
そこで、私と同じ理由でビジネス書を探している人の参考にしてもらいたいためです。
②なんで実用的か?
今まで、ビジネス書で大切なことは実用性と何度かお伝えしていました。
紹介するビジネス書で、実用性のある点を取り上げて伝えるようにしています。
2.著者の紹介
①略歴
次は著者について、どんな人が書いたかもビジネス書では大切になります。
中には専門外の人や芸能人の本もありますし、文章が綺麗であれば書いていることが真実に見えもします。
読者さんの中には、著者に興味を持って本を読む人もいますよね?
本の裏表紙程度の略歴は調べて載せていますよ。
②他の本の紹介
著者についてもう1つ載せていることは、他にどんな本を書いているかです。
たまたま1冊だけ、専門外の本を出版しているかもしれません。
それが使えないとは言いませんが、できれば、ちゃんとした物が良いでしょう。
3.本の構成と読みやすさ
①本の構成
小説の紹介にはありませんが、ビジネス書の紹介では本の構成を書いています。
目次を引用する形で記載していて、自分の役に立つ項目があるかを知ることができるのかなぁと思いました。
②読みやすさ
読みやすさではページ数と文字の大きさ、文章を理解しやすいか、空白は見やすいかなど、どの程度読みやすいかを書くようにしていますよ。
4.お勧めの理由
前半のまとめにも当たる、お勧めの理由では実用性と信頼性がどの程度かをまとめています。
①実用性は?
まずビジネス書で大切なことは実用性です。
具体的な活用方法は後の項目で細かく紹介していますが、ここでは実際にどんな仕事に役に立つのかのお話を書いてますよ。
②信頼性は?
実用性と同じくらい大切なことが、信頼性ですね。
読書に慣れている方では当然かもしれませんが、著者の方の経歴と経験がビジネス書の信頼性を支えていると言って良いはずです。
「著者の方も実際に経験した〇〇の問題を解決するための☆☆の方法」
というように、信頼できる理由をあげています。
5.お勧めの理由を3〜4点
ビジネス書の紹介は、2記事に分けて『本の概要』と『実際の活用例』といった形をとっています。
この項目は2記事目の最初になりますから、1記事目でお話しした実用性、信頼性、読みやすさのおさらいになります。
そして、1つ付け加えていることが注意点です。
①実用性は?
②信頼性は?
③読みやすさ?
④注意点があるとしたら
ビジネス書の中には優れた方法であっても、最新のビジネスモデルであってもなかなか日本国内や読む方の業界で受け入れられない内容もあります。
シンプルなプレゼンなど1つの例ですよね。
そこで、ビジネス書を活用する上での注意点を先にあげています。
6.自分視点の見どころ3点
ここからがビジネス書の内容を掘り下げる紹介になりますが、最初は自分視点の見どころを取り上げています。
7.本の最も大切な3点
次に著者が最も伝えたいことを取り上げています。
ビジネス書では、冒頭と後書きに著者のメッセージが込められていることが多いです。
そこで見つけたメッセージから、当てはまる項目を選んで3つ紹介しています。
8.実際に活用してみての実例
最後に実際に活用できたかの報告が大切ですよね。
「この本読もうかな」と思ってる人が、ビジネス書を選ぶか「やっぱり違う」と選び直すかを決める大切な部分。
私の場合は活用できなかったことも正直に書いてますよ。
9.まとめ
最後に、2回に分けた書評の総まとめをして終了です。
最近は、2回にわけないで紹介することもあります。
そのときは、「 4.お勧めの理由」「5.お勧めの理由を3点で」を合わせて1つの項目にしています。
実用書(暮らしや生き方)とエッセイ・ノンフィクションの書評のフォーマット
実用書の中でも趣味や暮らしに関する本、気持ちの持ち方や生き方を説いた本はエッセイと同じフォーマットで書いています。
ノンフィクションの中でも、考え方や物事の価値観を取り扱う本はエッセイと同じフォーマットで書評を書いています。
基本的なフォーマットはビジネス書と同じですが、少しくだけた項目にしています。
1.読みたくなったキッカケ
2.著者の紹介
3.本の構成と読みやすさ
4.本の序章のまとめ
5.暮らしに役立つ内容
6.最も大切な内容
7.おすすめの理由
1.読みたくなったキッカケ
まずは読みたくなったキッカケですね、気持ちの持ち方の教科書でもある【お坊さんの教える】は、幼い頃からお坊さんが読経に来ていた私にとって仏教が身近であったことと、それまでとこれからの自分の生き方を少し考え始めたからでもありました。
エピソードを書いていますが、ビジネス書と違う部分は、実用性にこだわってはいないところです。
実用書もエッセイも人の考えを伝えていますが、考えが合う合わないで実用性があるかどうかは変わります。
なので、実用性よりも信頼性が大切になります。
2.著者の紹介
信頼性が大切になるのは、実用書やエッセイが「人の考え」を書いた本だからです。
その信頼性を決めるのは、作家さんの経歴です。
ビジネス書では、著者がどのような専門家なのかの経歴を重視していました。
エッセイでも経歴を取り上げますが、重要な部分は少し異なります。
①経歴
作家さんの経歴の中でも実用書やエッセイの紹介で大切にしているのが、作家さんが「どのように生きてきた」かです。
「経歴」よりも「経験」を大切にしていると言っていいでしょうか。
②他の本の紹介
他の本の紹介も、純粋にその作家さんの本を紹介しているだけですよ。
3.本の構成と読みやすさ
①本の構成
ビジネス書の紹介と同じように本の構成を書いています。
目次を引用する形で記載しているのは変わりませんね。
②読みやすさ
読みやすさもビジネス書と同じようにページ数と文字の大きさ、空白も乗せていて、どの程度読みやすいかを書くようにしていますよ。
ビジネス書と異なるのは、実用書やエッセイでは読みやすさを詳しく取り上げています。
それは、実用書やエッセイは読書になれたビジネスマンだけではなく普段あまり読書をしない方や学生さんも読むことがある本だからでもあります。
4.本の序章のまとめ
エッセイでは作家さんの伝えたいメッセージはいろんな箇所に散らばっていますが、実用書では冒頭から「暮らしの中でココが役に立ちますよ」と伝えている本が多くあります。
そこで、項目の分かれているものは3つ選んで、そうでないものは1章を3つに分けて紹介するようにしています。
5.暮らしに役立つ内容
実用書の中でも気持ちの持ち方などに役立つ本の内容は、実例があるものはそのまま紹介しています。
中でも私自身の暮らしに役立ったことは、自分の体験談もここに含めています。
読む方が「自分の暮らしにも役立ちそう」と思ったり、「やっぱり違う」と判断できるように、できるだけ例を取り上げるようにしていますよ。
6.最も大切な内容
気持ちの持ち方などの実用書では、作家さんが冒頭で大切な箇所を伝えてくれる場合が多いですが、エッセイは作家さんのメッセージを見つけることが大切ですね。
私を中継してになりますが、作家さんが読む方へ向けたメッセージを上手く伝えることで、本を手に取るキッカケになったらなぁと、思いを込めて書きたいところです。
7.お勧めの理由
暮らしや生き方の実用書とエッセイの場合は、まとめは簡単なものにして読んでほしい人とお勧めの理由を書いています。
①読んでほしい人
実用書が必要な人、あったら暮らしが変わるきっかけになる人へ向けた、ここは私からのメッセージでもあります。
②自分がお勧めする理由
そして、お勧めする理由を最後にまとめています。
実用書やエッセイで大切なことは信頼性、そして読みやすさではないでしょうか。
本の種類に合わせた3つのフォーマット
「書評の書き方」シリーズ、第2弾は本の種類に合わせた「3つのフォーマット」のお話でした。
本の種類に合わせて、小説、ビジネス書、エッセイや生き方の実用書の3つの書評のフォーマットを使い分けている理由は1つだけ。
それは、本に興味のある方の「知りたい」ことに答えられるようになるためです。
最初の頃に比べて、本の紹介にも慣れ2回に分けていた書評を1回でまとめられることも増えてきました。
1回のときには、長くならないように項目をくっつけるなど工夫して書いています。
次回の「書評の書き方」シリーズ、第3回は「小説の書評の文章表現」。
第1回でお話しした文章表現の4つの指標、GTJJスコアを小説の種類に合わせてみましたよ。
第3弾の「小説の書評の文章表現」へ続きます↓
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第1弾の「書評の文章表現」はこちら↓
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書評の書き方に役立つ本と関連リンク
『残念ながら、その文章では伝わりません』山口拓朗
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『まじ文章書けないんだけど』前田安正
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『伝える3部作』池上彰
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引用と出典
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