ハリー・ポッターと謎のプリンス
著者 J・K・ローリング(J・K・ローリングさんの紹介〜ハリーポッターを生んだお母さん - 本当に本が読みたくなる読書のブログ)
訳者 松岡佑子
出版社 株式会社静山社
分類 海外文学、児童文学
出版日 2006/5/17
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
ハリー・ポッターシリーズの第6弾です。
ハリー・ポッターシリーズも『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』以降の3作品は、シリーズの核心に迫る内容が続きます。
映画初登場で可愛らしかったダニエル・ラドクリフさん演じるハリー・ポッターも、逞しい青年へと成長。
原作を読んでいても思うことは、ハリー・ポッターシリーズは後半になるにつれて「大人向け」の内容に変わっていくということです。
そこで、後半3部作はハリー・ポッターシリーズの「大人の読み方、子どもへの勧め方」をテーマにお送りさせていただきますね。
ハリー・ポッターと謎のプリンス の大人の読み方、子どもへの勧め方
ハリー・ポッターと謎のプリンス〜ハリーとともに揺れる恋模様
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を読まれる方は、小学校4〜5年生からでしょうか?
ハリーたち登場人物も16〜17歳を迎え、日本では高校生。
もちろん恋多き年代です。
友達として見ていた仲間を意識することも、逆に異性として見られることも増える年代。
小学校高学年の方は、少し先にある恋の物語を思い描いて楽しんでみるのもいいですね。
物語のタイトル「謎のプリンス」に迫る大人の読み方
大人の方には、ぜひ「謎のプリンス」の正体に迫る楽しみ方をしてほしいなぁと思います。
「謎のプリンス」の正体だけなら、ハリー・ポッターシリーズを読んでいる方はすぐに想像がつきやすいでしょう。
それでは、謎解きが楽しめませんよね。
そこで、ミステリー作品のように証拠も揃えてみるのはいかがでしょう?
物語の中には、「謎のプリンス」が残した証拠が散りばめられていますよ。
ハリー・ポッターと謎のプリンスで注目の登場人物
ドラコ・マルフォイ
ハリー・ポッターシリーズの憎めないキャラクターが、おなじみのドラコ・マルフォイ。
1作目のダイアゴン横丁での出会いから、何かにつけてハリーたちの邪魔をしては、些細なミスで失敗することがおなじみの悪役です。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の後半で、父親ルシウス・マルフォイが不死鳥の騎士団の活躍で逮捕されたマルフォイ。
ヴォルデモート卿一派の死喰い人と対立する不死鳥の騎士団へのマルフォイの憎しみもピークに。
彼の行動が物語に大きく関わる作品でもあります。
アルバス・ダンブルドア
映画では『ハリー・ポッターと秘密の部屋』までを演じたリチャード・ハリスさんよりも、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』より後を演じていたマイケル・ガンボンさんのイメージが強く残るダンブルドア校長。
ハリー・ポッターシリーズの魔法界で最も偉大と言われている魔法使いでもありますが、前半4部作では「校長先生」として描かれる姿がほとんど。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の最後で、復活したヴォルデモート卿を魔法対決で退けた姿を見ると、やっぱり偉大な魔法使いなんだなぁと思えてきます。
前作では、不死鳥の騎士団の作戦のためにハリーを避けていたダンブルドア先生ですが、今回は物語の中心になる重要な登場人物ですよ。
ジニー・ウィーズリー
ハリーの親友ロン・ウィーズリーの妹ジニー・ウィーズリーも見逃せない登場人物の1人。
グリフィンドール寮のクィデッチチームで、得点を決めるチェイサーというポジションのエース。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、ヴォルデモート卿に利用されてしまっていた少女も今は16歳。
ジニーの恋の行方も見逃せないですね。
ハリー・ポッターと謎のプリンスで改めて見る「魔法使い」と「魔法」というもの
才能の力を技術で形にする魔法
ハリー・ポッターシリーズの魔法は、生まれ持った「魔法を使う力」を「杖の振り方」と「呪文」を唱えることで、物や人に変化を起こすものとして扱われています。
魔法に熟練すると杖を使わないで魔法を使うことも、呪文を唱えないで魔法を使うこともでき、呪文を唱えない魔法は「無言呪文」と呼ばれています。
「魔法を使う力」は、遺伝で決まり、両親のどちらかが魔法使いなら「魔法を使う力」を持って生まれます。
また、普通の人間マグルの家庭からも「魔法を使う力」を持った子どもが生まれることもあります。
「闇の魔術」と普通の「魔法」は紙一重
ハリー・ポッターシリーズの中では、人を傷つけたり怪しげな呪文を使う魔法使いを闇の魔法使いと呼び恐れたり、蔑んだりする様子が描かれています。
闇の魔法使いの代表はヴォルデモート卿と、仲間の死喰い人。
闇の魔術には、人を思い通りに操る「服従の呪文」。
拷問を加え、強さによっては重い後遺症を残す「磔の呪い」。
そして、人の命をロウソクを吹き消すように奪い去る「死の呪い」。
よく知られている、3つの「許されざる呪文」があります。
この3つの呪文だけをみると、「人を攻撃する呪文」が闇の魔術なのかなぁとも思えてしまいますが、そうではないようです。
6巻から、ハリーたちも使うようになった「失神呪文」は名前の通り相手を気絶させる呪文。
こちらも、強さによっては相手を死なせてしまうこともあり、6巻で何発もの失神呪文を受けたマグゴナガル先生は一時命が危なくもなりました。
2巻で登場したギルデロイ・ロックハートは、「忘却呪文」と呼ばれる記憶を奪う呪文を使い、他人の冒険を自分のものにしていました。
3つの「許されざる呪文」の他にも、人に危害を加える魔法は数多くあります。
それなら、なぜ「一般的な魔法」と「闇の魔術」は分けられているのでしょう?
1つだけ言えることは、「使い方によって」人に危害を加える可能性がある魔法でも「一般的な魔法」になっていること。
「闇の魔術」は人に危害を加えることしか「使い道」がないことだともいえます。
視点を変えると、「一般的な魔法」も使い方によっては人を傷つけることもできるといえます。
「魔法薬学」は魔法とういより科学
6巻の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』まで、セブルス・スネイプが教師を務めていた魔法薬学。
薬草などの植物、動物の死骸、魔法生物の角や骨など自然に存在する生薬を、決められた分量、決まった手順で調合し神秘的な薬を生み出す学問。
風邪薬から、毒薬。
「真実薬」と呼ばれる自白剤や、「生ける屍の水薬」といった麻酔薬を作る過程には、杖も呪文も必要のない知識と技術の積み重ね。
魔法薬学と“魔法”の言葉がついてはいますが、すごく科学的な学問なんですね。
今作、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のテーマになる分野でもあります。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で注目するキーワードは「魔法使い」の「家系」
先ほど取り上げた、「魔法を使う力」は遺伝で決まるというお話が『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のキーワードでもあります。
ハリー・ポッターシリーズでは、両親ともに魔法使いから生まれた子どもを「純血」。
両親のどちらかが普通の人間マグルの子どもは、「半純血」と呼ばれています。
さらに、普通の人間マグルの家庭に生まれた「魔法を使う力」を持った子どもは、ヴォルデモートら死喰い人の「純血主義」の魔法使いからは「穢れた血」と差別される呼び方をされることも。
また、逆に両親が魔法使いでも「魔法を使う力」を持たない子どもが生まれることもあり、こちらも「スクイブ」と呼ばれ差別を受けています。
登場人物では、ロン・ウィーズリーやジニー・ウィーズリーは純血、ハリー・ポッターは半純血、両親がマグルのハーマイオニー・グレンジャーは純血主義者の多いスリザリン寮からは穢れた血と呼ばれることも………
魔法使いの家系は、謎のプリンスの正体にもつながる重要なキーワードに………
ハリー・ポッターシリーズ前半4部作のまとめはこちら↓
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