本当に本が読みたくなる読書のブログ

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後輩指導の前に…先輩自身の仕事と過去の失敗を振り返ることも大切

シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術

著者 鈴木博毅
出版社 株式会社 日本実業出版社
分類 ビジネス書、サブカルと雑学の本
出版日 2012/3/20


4月に入り、後輩ができた先輩社員、新社会人の指導を任された方、中には若手の管理職に抜擢された方も多いはず。

読書ブログとしてお役に立てる取り組みとして、「後輩指導に役立つ本」を紹介させていただきます。

よく知られている書籍をとも思いましたが、ビジネス戦略の専門家がガンダムの登場人物シャア・アズナブルクワトロ・バジーナ)と後輩のやり取りを例に上げた、とても実用的な本を見かけたので紹介させていただきますね。

新社会人や若手の後輩ができた先輩社員向けの本


『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』

タイトルだけを見ると、とても真面目なビジネスには思われないかと思います。

通常の3倍で仕事をする方法なんてない」

ガンダムやシャアをご存知の方は、こう思われるかもしれませんね。

こう要約すると、ビジネス書として興味を持っていただけそうです。

「ビジネス戦略コンサルタントが書いた、先輩社員や若手リーダー向けの部下指導をテーマにした本です。ガンダムで有名な赤い彗星シャアをモデルに、後輩や部下との向き合い方の例が豊富な1冊です」



著者 鈴木博毅さんの紹介


著者の方は、ビジネス書を多く執筆されている鈴木博毅さんという方です。


ビジネス戦略コンサルタント鈴木博毅さん

著者の鈴木博毅さんは、「ビジネス戦略」を専門とされている経営コンサルタントさんでもあります。

経営されている株式会社MPS Consulting売れる会社のコンサルティング | 株式会社エムピーエス・コンサルティングのホームページ 東京都は、企業経営者の方や従業員の方へ向けたイノベーション研修・ビジネス戦略コンサルティングを行い、公的機関から全国規模の企業、中小規模の企業から支持されている会社でもあります。


鈴木博毅さんの他の本の紹介


鈴木博毅さんは、ビジネスの専門家としてのお仕事が本業。

多くのビジネス書を執筆され、会社組織や企業の中心となる管理職へ向けた本、戦略をテーマにした組織のあり方がテーマの本を執筆されています。


・3000年の英知に学ぶリーダーの教科書


・「超」入門 空気の研究 日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力



『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』構成と読みやすさ

ビジネスとアニメを結びつけられる本の構成

・はじめに p1〜p14
・Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナへ p15〜p50
・Chapter2 シャアに学ぶ新人カミーユの手なづけ方 p51〜p78
・Chapter3 カミーユがシャアに求めた理想のリーダー像とは? p79〜p100
・Chapter4 一年戦争の英雄アムロカミーユの中に見たもの p101〜p122
・Chapter5 プレイングマネージャーシャアの人心をつかむ技術 p123〜p150
・Chapter6 リーダーとしてのブライト・ノアクワトロ・バジーナ p151〜p172
・Chapter7 ティターンズ地球連邦軍の崩壊を進めたもの p173〜p194
・Chapter8 シャアが見つめる「一歩先」の視点 p195〜p216
・おわりに p217〜p222

20〜30ページのChapterが1つの章にあたり、全部で8つのChapterで構成されています。

前半の50ページでシャア(クワトロ・バジーナ)とガンダムの世界を紹介されており、シャアの名前しか知らない方でも後半の章で具体的な方法が理解しやすい構成です。


1週間あれば読める程度

文字は普通の新書サイズですが、2〜3ページごとにテーマを設けていて、適度な空白もあります。

読書に慣れた方ならお仕事の合間に数日、読書をされない方でも1週間で読める分量です。

所々にある、コミカルなシャアのイラストも楽しみながら読み進めることができますよ。


先輩と後輩のやりとりをイメージしやすい1冊

具体的をイメージしやすく実用的

漫画やアニメをテーマにしているビジネスというと、「使えるの?」「漫画のお話でしょ」と思われるかもしれません。

たしかに、そう思われるのも仕方がありません。

ですが、世界観やキャラクターの背景が細かく作り込まれた漫画やアニメは現実の世界に応用できると私は思います。

理由は、3つあります。

最初の理由は、やりとりの場面が映像で見ることができイメージがしやすいことです。

もう1つは、作品を知っている人にとっては身近であること、知らない人にも例えで伝わりやすいことです。

最後の理由は、漫画やアニメの登場人物を描いた人は現実に存在する人間だからです。

原作の作者が、歴史上の人物や身近な人を元に登場人物の背景や人物像を作り上げる。

池上彰さんも、ビジネス小説は仕事のイメージトレーニングに向いていると著書https://www.yu-hanami.com/entry/2017/04/29/072319:著書で語っています。

漫画やアニメの出来事や登場人物の行動を、暮らしや仕事に取り入れるには、「置き換えて」イメージしてみるといいのではないでしょうか?


ビジネス戦略の専門家が書かれていて信頼性が高い

『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』は、シャアというガンダムシリーズの登場人物を例えにしています。

漫画やアニメの出来事で例えられるのは、ビジネス戦略コンサルタント鈴木博毅さんの専門的なビジネス研修です。

先ほどの漫画やアニメを現実に置き換えることの反対に、ビジネスで使えることを漫画やアニメに置き換えて専門家が書いた本ともいえます。

例えにシャアのエピソードがなかったら、普通のビジネス書。

信頼性は十分ですね。


読書をされない方も、仕事の合間に1週間で読める

『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』は、読書に慣れた方ならお仕事の合間に数日、読書をされない方でも1週間で読めるほど読みやすい本です。

ガンダムを知っている方なら、とても楽しく読み進めることができるのではないでしょうか?



「後輩指導に役立つ本」として3つのテーマで紹介


『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』を「後輩指導に役立つ本」として紹介させていただくにあたり、3つのテーマで内容を紹介することにしました。

「過去の過ちを認めることで成長できる」、「若手の後輩を育てる心構えと技術」、「プレイングマネージャーという役割」。

それぞれ、「自分の仕事を振り返る」、「新社会人や後輩に求められている」ことを知る、「後輩指導をする自分に何が求められているか」を考える内容を取り上げてみますね。

過去の過ちを認めることで成長できる

1つ目のテーマは、「過去の過ちを認めることで成長できる」です。

新社会人や若手の後輩を指導する先輩自身が、今までの仕事を振り返り、1段階成長できる内容を取り上げます。


若手の後輩を育てる心構えと技術

2つ目のテーマは、「若手の後輩を育てる心構えと技術」です。

新社会人や若手の後輩が、先輩に何を求めているのかを知ることがとても大切だと私は思います。



プレイングマネージャーという役割

3つ目のテーマは、後輩指導から1つ進んだ「チームリーダー」「プロジェクトマネージャー」の役割についてです。

以前紹介させていただいた新社会人の後輩を教えるときにも役に立つ「仕事の教科書」 - 本当に本が読みたくなる読書のブログには、「トヨタでは2つ先の役割を意識して仕事をする」とありました。

今回は「昇進に備えて」ではなく、「後輩指導をする自分に何が求められているか」として紹介させていただきますね。



過去の過ちを認めることで成長できる

順調に見えた出世街道

シャアが陥った「赤い彗星のジレンマ」
一年戦争初期、ジオンの「赤い彗星」は、最新鋭兵器であるMSの凄腕パイロットとして、地球連邦軍を震えがらせる華々しい活躍を見せます。
親の仇、「ザビ家を討つ」という目標を少年期から抱き続けていたシャアは、ジオン公国軍士官学校を卒業したのち、戦場での自らの戦果によって出世の階段を上っていくのです。
Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナへ p21

機動戦士ガンダム」の序盤では、シャア・アズナブルは少佐(日本では三佐)という階級でした。

数10人から100人くらいまでの部下がいる大企業の課長、中小規模の企業の部長まで出世します。

その後、企業秘密の漏洩に問われて左遷されてしまいますが、役員に当たる上司に買われて大佐(日本では一佐)という大企業の事業部長、中小規模の支店長まで出世します。

新入社員から数年で事業部長や支店長への出世は、日本ではほとんどないでしょう。

シャアの場合は、パイロットとしての成果が大きかったこと、現実では営業部門で営業成績がとても優秀、技術部門でヒット商品を個人で開発した結果が認められての出世です。

ここで、注目しておきたいところはシャアの出世は「個人の成績が優秀」だったという点です。


成功の後には失敗がつきもの

積み上げた成功体験が逆に悲劇を呼ぶ
ところが、シャアが地球連邦軍のサイド7(宇宙コロニー)でガンダムアムロに出会うことで、彼の運命は文字通り激変します。
中略)
この新たに出現した巨大な壁(ガンダムアムロ)を前にして、若き日の絶頂にいたシャアは何度も同じ形で戦いを挑み、ついにその巨大な壁を乗り越えられずに失速していきます。
彼は過去の成功体験と自らの能力を過信することで、成功者を蝕むジレンマーこれを「赤い彗星のジレンマ」と呼びますーに陥っていたのです。
Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナへ p22

営業成績や開発技術が優秀なシャアでしたが、いつまでも同じ方法が通用しないのはアニメの世界も現実も変わらないでしょう。

お客様の求めるものが変化する。

ライバル企業が新商品を開発したり、営業方法を変えて対抗してくる。

個人の成績が優秀で結果を残したシャアですが、今までの方法が通用しない仕事(ガンダムアムロ)が現れることに…

成果を出した方法があるほど、その方法でまた結果を出したいもの。

私にも前の会社で成果が出た方法を、移動先の会社で取り組もうとしてうまくいかなかった経験があります。


定期的なアップデートが必要

物事の評価基準がすでに時代遅れ
赤い彗星のジレンマ」とは、その人物の事象への判断基準がもはや古くなってしまった状態です。
中略)
現実は変化したのに、それを測る評価基準が古いままの状態。
つまり、もはや「時代遅れ」なのです。
こうなると、当然、失策を重ねていくことになります。
Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナへ p23

仕事の失敗が起こる理由の1つに、「認識の違い」があります。

若手の社会人の方は、市場の変化というよりも部署の移動や転勤、転職をしたときに起こりやすいのではないでしょうか?

現実は変化(移動・転勤・転職)したのに、評価基準は前のまま(時代遅れ)で起こる仕事の失敗です。

移動先の仕組みが古いことも、もちろんあります。

その場合、仕組みそのものをすぐに変えることは難しいでしょう。

自分の仕事に慣れるまで、移動先の仕組みに合わせるのがスムーズに仕事は運ぶはずです。


チームの目標を共有する必要性

孤独な天才、シャアはチーム力を発揮できなかった
赤い彗星のジレンマ」に陥るか否かはその人物を囲む人間関係も大いに関係しています。
中略)
シャアは自らの天才を頼りとしたタイプのエースでした。
彼自身が軍令に違反して戦果を上げて出世しているため、部下たちは独断専行や命令違反にさほど抵抗がありません。
そもそもシャア自身は両親の仇である「ザビ家打倒」を胸に秘め、ジオン公国軍に潜伏する形で所属していました。
このような状況ではジオン公国軍の人々と共通の目標を持つことができません。
当然、チーム力を発揮できるはずもなかったのです。
Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナへ p23〜p24

仕事へのモチベーションは、社会人の方それぞれで違うのは普通のことです。

会社の中で成績を上げて出世を目指す人は、最近はあまり多くはないのかもしれません。

営業力を身につけて、もっと収入の多い企業を目指したい方、技術力を身につけて独立したい方。

仕事そのものではなく、暮らしや今後の生活に備えて働く方もいますよね。

多くの働き方がある中で、チーム力を持って仕事に取り組むため1つだけ大切なことは「チームの目標を共有する」ことではないでしょうか?

チームとしての仕事に取り組んだ上で、個人の目標にする仕事を身につけることは、上司と後輩に挟まれて働く先輩という役割でとても大切に思えます。


過去の失敗を見つめ直すということ

過去の過ちから最大の教訓を引き出す強さ
すでに説明したように、「一年戦争」でシャアはさまざまな過ちを犯し、いくつもの後悔を残す形で戦闘を終えました。
その7年後、「機動戦士Zガンダム」という物語では、彼はあらゆる過去の経験から最大限の教訓を引き出し、今この瞬間に直面している問題を解決するための新しい武器としていきます。
中略)
「若さゆえの過ち」すべてを教訓として武器に変えるためには、振り返ることさえ苦しい記憶に、真正面から向き合う必要があります。
心に深い痛みを残した記憶は誰もが目をそむけたくなるもの。
けれど、その苦々しい記憶を冷静に分析して武器とするには痛みから逃げず、自分の弱さを摘出することがまず必要だったはずです。
シャアはそれを成し遂げ、クワトロ・バジーナとなることができたのでしょう。
Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナへ p25〜p26

大きいか小さいかの違いで、誰にも失敗はあるはずです。

私には仕事だけではなく大きな失敗も、小さな失敗もあります。

実際に失敗と見つめ合った経験から、失敗の原因をつい自分以外に探してしまう、これは私に限ったことではないはずです。

環境が良くない、仕組みが古い、上司のサポートがない。

周りにはたくさん失敗の原因があります。

もちろん、本当の原因だったりもします。

ですが、環境や仕組みを変えるには会社や部署全体を変えなければなりません。

今の先輩の立場では、とても時間も労力もかかることでしょう。

上司に問題がある場合、これは先輩の力だけではどうにもなりません。

もしかすると、誰が取り組んでもどうにもならないかもしれません。

1番効果のある方法は、失敗の原因を自分の仕事の中に探して改善してゆくことです。

とても苦しいし嫌なのは、経験があるのでよくわかります。

それでも、新社会人や若手の後輩と向き合う前に、自分の過去の失敗を見つめ直すことはとても大切なことだと思いますよ。

そして、後輩が失敗したときに、大きな問題にならないように対応できる方法にもつながることでもあります。



先輩の過去の失敗は後輩の未来の成功に

新社会人や若手の後輩ができた先輩社員向けに、『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』を紹介させていただきます。

今回のテーマは、先輩自身が「過去の過ちを認めることで成長できる」お話でした。

後輩と向き合う前に、先輩自身が「自分の仕事を振り返る」ことで「過去の失敗」を「今後の成功」につなげるヒントが見つかるはずです。

そして、何より「自分が過去に経験した失敗」は、「後輩にこれから訪れる失敗」である可能性が高いと思います。

過去の失敗を分析することで、後輩が失敗を起こす前に効果的なアドバイスができる「頼られる先輩」を目指されてはいかがでしょう。

次回は、「若手の後輩を育てる心構えと技術」で具体的な後輩との関わり方を紹介させていただきますね。

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