本当に本が読みたくなる読書のブログ

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味読で世界観を楽しむポイントは「読書の環境」「時間帯」「気分と作品」の3つ

味読とは?

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読書用語辞典ではありませんが、気になる読書用語を見つけたので紹介させていただきます。

その読書用語は、「味読(みどく)」。

なんとなく、「本を味わう」という意味に思えてきますよね。

今回は、『読書をする人だけがたどり着ける場所』 の著者 齋藤孝さんの言葉を借りて解説させていただきますね。



味読とは、作品の世界を楽しむこと

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読書の楽しみは、その本のワールドをじっくり味わうことです。
いわば「味読(みどく)」です。
深い世界に触れて、それを楽しむ心が必要なのです。
そういう心がないと、それだけの時間とエネルギーを避けないでしょう。
誰もが持っている知的な欲求に基づきわ深い世界に触れて楽しむという心を持つことが最初です。
齋藤孝『読書をする人だけがたどり着ける場所』 p39〜p40
読書をする人は人生の「深さ」を見つけられる - 本当に本が読みたくなる読書のブログ


味読(みどく)とは、齋藤孝さんの言葉を借りさせていただくと「作品の世界観をじっくり楽しむこと」です。

特に小説では、作品に描かれた世界観を頭の中に思い描き、主人公の目線になったり、主人公の傍にいる登場人物の目線になったりと楽しみ方はさまざまですね。

エッセイでも著者のエピソードを思い描き、感情に寄り添るのが読書の1つ味読の醍醐味でもあります。


味読は五感を刺激して、イメージ力を高めてくれる

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味読は作品を楽しむ他にどんな効果があるのでしょう?

齋藤孝さんは、感情の部分とイメージ力の2つに分けて解説されていました。



五感を刺激する

読書をしているときの脳の働きは、とても精妙で複雑です。
文字をたどって意味内容を理解し、感情を理解して味わい、描かれた風景や人物の姿、声などさまざまなものを想像しています。
目の前の現実ではなく、想像によってわくわくしたり感動したりできるのは人間だからこそ。
言語自体が人間であるうえに、想像で感情を動かす読書は極めて人間的な行為だと言えます。
齋藤孝『読書をする人だけがたどり着ける場所』 p54
読書をする人は人生の「深さ」を見つけられる - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

小説の世界に没頭していると、ふと映像化されていない作品でも登場人物の会話が聞こえてくる経験はないでしょうか?

花水(hanami)は、よくあります。

文字は、今のところ生き物の中で人間にしかない特徴。

物語に書かれた文字から、会話を聞き取って、感情を読み取る読書も人間ならではの楽しみでもあります。


映像化でイメージ力を高めてくれる

同じように読み聞かせは自由にイメージを沸かすことができます。
子どものいる方はぜひ本を読み聞かせてあげてください。
少しくらい難しい表現や古い言い回しなどがあっても構いません。
ポイントは情感を込めて呼んであげることです。
子どもはまだ言葉を聞いてイメージすることに慣れていませんが、抑揚や感情の乗り方を頼りに、頭の中で映像化できるようになるのです。
中略)
これは子どもについての話ですが、大人にも通じる話です。
齋藤孝『読書をする人だけがたどり着ける場所』 p57〜p58
読書をする人は人生の「深さ」を見つけられる - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

齋藤孝さんは、子どもの頃から物語に触れることで小説に書かれた世界をイメージできるようになるといわれています。

大人になってからは、どうなのでしょう?

専門家ではないので、詳しくはわかりませんが映像化された作品を読んで原作と映像を照らし合わせながら読むことでドラマや映画の内容をイメージすることは難しくないのかなぁと思います。



味読のできる読書の環境


本の世界に入り込む味読を楽しむためには、「読書の環境」「時間帯」「気分と作品」がポイントになります。


屋外を感じられる読書の環境

本の中の世界に入り込む味読に向いた環境は、「屋外を感じられる」環境だと思います。

公園や自然の中に出かけなくても、ベランダのある方はベランダに椅子を出して、ない方も日中は窓を全開に開けて外から入る風や音を感じられる環境が味読に最適です。
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読書は午前中がおすすめ

味読は、他のことを一度頭の外に置いて本に没頭できる時間帯がおすすめです。

できれば、何かをしながらや仕事の移動時間などの「隙間時間」は味読には向いていないでしょう。

逆に「ながら読書」や、「隙間時間」で味読ができるようになると生活に合わせた頭の切り替えがスムーズにできるようになるでしょう。

私も含めて、多くの方は他に気になることがない時間がいいと思いますよ。

中でも、家族の起きていない休日の早朝や平日にお休みのある方は午前中が向いています。

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落ち込んだ日には元気の出る作品

本の世界に入り込む味読は、メリットもありますが少しだけ危険なこともあります。

それは、「作品に引き込まれてしまう」感覚です。

例えば、気分の落ち込んでいるときにバッドエンドの悲観的なテーマの作品を読んでいると「今がもっと悲観的」に感じることもあります。

また、他に集中することがあるのに本の世界の影響で全く予定にないことを始めてしまうこともあるでしょう。

1つポイントにできることは、「気分とは反対のテーマの本」を選ぶことではないでしょうか。

元気なときや気持ちが落ち着いているときは、悲観的なストーリーの本に向き合っても大丈夫でしょう。

逆に、元気がないときには気分が明るくなるような陽気なストーリーがいいですね。



読書の醍醐味「味読」

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今回は、本の読み方の1つ「味読(みどく)」のお話をさせていただきました。

味読は、「作品の世界観をじっくり楽しむこと」本の読み方です。

味読ができるようになると、物語の中で登場人物の感情を実際に感じることができたり、作品を頭の中で映像化してイメージしやすくもなります。

一方で、私の読書体験から、味読には作品の「作品に引き込まれてしまう」というデメリットもあります。

効果的に味読を楽しむためには、「読書の環境」「時間帯」「気分と作品」がポイントになります。


花水由宇(hanami yuu)の読書論はこちら↓
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