本当に本が読みたくなる読書のブログ

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2つの読書の方法、精読と味読の明らかな違い

精読と味読の違い

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本の読み方には、熟読や速読、多読や乱読のようにいろいろな読書の方法があります。

その中で、今回は精読(せいどく)と味読(みどく)という2つの読書の方法を取り上げてみますね。



精読と味読の意味は?

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精読と味読、どちらも「じっくり本と向き合う」という共通点もあります。

はじめに、精読と味読2つの意味の違いに触れてみます。


精読(せいどく)とは?

本の内容を、細かく丁寧に読むこと。

熟読と呼ばれることもある。
読書にまつわる言葉の辞書〜本と読書の用語辞典 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

精読は、本の1つ1つの文章が持つ意味を細かく丁寧に読み、内容を正確に理解することです。

ビジネス書や実用書など、本に書かれた知識や技術を身につけたいときに役に立つ読書の方法です。


味読(みどく)とは?

作品に描かれた情景を想像したり、登場人物の感情に触れながら、作品の世界観をじっくり楽しむこと。
https://www.yu-hanami.com/entry/2017/11/07

味読は、楽しみとしての読書に向いてきます。

本に描かれた情景を頭の中で五感を働かせて想像し、揺れ動く登場人物の感情に共感したり、ときに反発しながら本の世界観を楽しみます。

小説に入り込んだり、エッセイで著者の人柄に触れるこたができる読書の方法です。



精読と味読で得られる違いは「知識」と「体験」


精読と味読は、得られる物事にも違いがあります。

それは、「知識」が得られるのか「体験」を得られるのかの違いです。

知識が得られる読書は、もちろん精読の方法です。

著者がまとめた情報を、正確に理解することで著者の持つ知識を頭の中に取り入れるこたができます。

体験が得られるのは、味読です。

作品の中に文字で表現された情景を思い浮かべ、五感を働かせて頭の中に映し出し、登場人物の心を自分の心と触れあわせて読み取る。

『読書をする人だけがたどり着ける場所』の著者 齋藤孝さんによると、「読書をしているときの脳の働きは、実際に体験しているときに近い」といわれています。

精読で得られる知識が積み重なる辞書のような情報なのに対して、味読では映画のようなストーリーの疑似体験として記憶に残るはずです。



理解力と想像力の違い

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精読と味読で得られることに違いがあるのは、それぞれに必要な力が違うためでもあります。


精読に必要のは「正確な理解力」

精読に必要な力は、本に書かれている内容を理解するための「正確な理解力」です。

文章を読む力、用語の意味を正しく覚えている力、そして書かれている内容を結びつけて理解する力です。


味読に必要なのは「豊かな想像力」

一方で味読には、精読ほどの理解力は必要ではありません。

抽象的で難しい表現があったとしても、なんとなく頭の中で思い描ければいいのです。

1番大切なのは、書かれているストーリーを頭の中で映像化する「豊かな想像力」が大切です。


情報を得る勉強か楽しみか


精読はビジネス書や実用書から必要な情報を得るために、味読は作品を楽しむ小説の読書に向いているといえます。


ビジネス書や実用書の内容を身につける精読

本に書かれていることから、自分に必要な情報を選び身につけるための味読は、ビジネス書や実用書を読むときに便利です。

小説の世界に入り込む味読

作品の世界を頭の中で映像化して、その世界に入り込む味読は小説の世界観を楽しむのに向いています。


エッセイで作者の感情に触れる味読

味読は、著者の体験や感情が込められたエッセイでも役に立ちます。

それは、自分が著者の体験を疑似体験した気持ちになって感情に寄り添うこともできるからです。



実は精読より味読の方が難しい


本に書かれている内容を理解する精読は、「正確な理解力」が必要でした。

本に書かれているストーリーを頭の中で映像化する味読には、「豊かな想像力」が大切です。

精読と味読の言葉だけを見ると、精読の方が難しく思えます。

精読と味読に必要な読書の力を比べると、実は味読の方が難しいと思えます。

文章を読む力、用語の意味を正しく覚えている力、そして書かれている内容を結びつけて理解する力はいずれも「勉強に必要な力」です。

味読に必要な力を、頭の中で映像化する「豊かな想像力」と書きました。

「豊かな想像力」をさらに細かくすると、書かれている文字を映像にする、映像の場面を繋げて映画の背景のようにする、登場人物に声をつける、表情やしぐさに変化をつける、とても細かくなります。

私は、いつの頃からか本を読んでいると頭の中に自然と映像が流れますが、全く映像化しない人にどうやって映像化できるようになるか説明するのは難しい。

そして、何か行動を積み重ねてできることでもないように思えます。


精読は「知識」、味読は「体験」が得られる読書の方法

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今回は、本の読み方の精読と味読の違いのお話でした。

精読は、本を細かく丁寧に読み込んで内容を正確に理解する読書の方法。

文章を読む力、用語の意味を正しく覚えている力、そして書かれている内容を結びつけて理解する力など「正確な理解力」が必要です。

味読は、作品の世界観をじっくり楽しむ読書の方法。

書かれている文字を映像にする、映像の場面を繋げて映画の背景のようにする、登場人物に声をつける、表情やしぐさに変化をつける「豊かな想像力」が必要になります。

どちらが身につきやすいかというと、大人になってから読書を始めた方でも本や文章に慣れることで、細かく読み解く「正確な理解力」が身につきやすいと私は思いますよ。


参考にした「読書の効果と読書術の本↓
www.yu-hanami.com
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