日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学
著者 武光誠
出版社 株式会社永岡書店
分類 サブカル・雑学
出版日
久しぶりの本の紹介です。
今日は、サブカルと雑学のジャンルから日本の風習にまつわる「謎」を解き明かす1冊を紹介させていただきます。
キッカケは夏祭り
『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』を見つけたのは、ちょうど夏祭りの季節です。
花火やお神輿、踊りが披露され「まさに夏」を感じられるお祭り。
ふと、お祭りの「方法や内容の違いってなんだろう」と考えていたときに、たまた『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』を見かけました。
『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』の構成と読みやすさ
『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』は、少しずつ読み進めたり、他の本の合間に読める読みやすい雑学本です。
1〜3ページで1つの雑学を知ることができる『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』の構成
・はじめに p3〜p4
・一、神様、仏様はいつだって正しい? p14〜p58
・二、暮らしの中にも「謎」がいっぱい p60〜p88
・三、「言い伝え」を馬鹿にしてはいけない p90〜p134
・四、「年中行事」には大切な意味がある p139〜p162
・五、ニッポンの「物の怪」はどこか憎めない p164〜p190
・六、「食」にまつわる先達の知恵 p192〜p222
・七、「お祭り」は楽しい、けどちょっと怖い p224〜p252
・八、古典芸能を知っていますか? p254〜p286
雑学1つを1〜3ページで紹介。
通勤通学の時間や休憩時間に1つずつ、面白い雑学を知ることができますよ。
『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』は読みやい一般向けの雑学本
ボリュームは少し多めですが、とても読みやすい文章です。
一般向けの雑学本を多く出版されている、武光誠さんならではの読みやすい本です。
暮らしに役立つ内容
本の中では言い伝えや風習、食にまつわる文化まで幅広く取り上げられています。
中でも、私が今まで知らずに過ごしてきたことを3つ取り上げます。
トイレの神様は実在していた
かまどの荒神(こうじん)、箒神(ほうきがみ)、厠神(かわやがみ)の三柱はお産の神様で、妊婦さんは台所とトイレをきれいにしておくと、綺麗で丈夫な子が生まれるといわれてきました。
だから、トイレに唾を吐いたりしてはあけないと言い伝えられている地方もあるようです。
中略)
考えてみれば、トイレは私たちが生きていくために必ずしなくてはならない「排泄」という行為を行う場所です。
そこでは誰しも無防備であり、全てをさらけ出さなくてはなりません。
それはすなわち神様に身を捧げるのと同じ状態ですから、トイレに神様の存在を感じるのはそれほど不思議なことではないのかもしれません。
一、神様、仏様はいつだって正しい? p54〜p55
「トレイの神様」という歌が流行したのは、5年以上前のことでした。
この歌は、作詞作曲された方のおばあさんの言い伝えにあったといわれています。
おばあさんが孫がキレイな心を持って育ってくれるように伝えたお話、実は真実でもありました。
トイレの神様 厠神(かわやがみ)は出産の神様でもあり、トイレに感謝して清潔にすることで出産のご利益があると言われているようですね。
すき焼きは江戸時代の裏メニュー
日本では明治期に入るまで、ほとんど肉食をしていませんでした。
牛や馬は農作業の大切な労働力であり、それを食べるとバチが当たるとも思われていたようです。
しかし、一部の農家では、鹿やイノシシなどの獣を食べていました。
その食べ方は、農作業で使うすきの金属部分を鉄板にして焼くというものです。
砂糖や醤油が貴重だった当時は、すきの鉄歯の部分に味噌で堤を作り、その中に動物よ肉を入れて火にかけました。
焼けるにつれ、味噌が溶け出して肉の脂と絡まり、実に美味だったといいます。
そのような習慣が根付いていた地域の中には、鹿やイノシシ以外にこっそりと牛肉を食べていたところもあったようです。
同じように、すきの上で肉を焼いて食べました。
これが、「すき焼き」のルーツといわれています。
六、「食」にまつわる先達の知恵 p212〜p222
私が子どもの頃に読んだ漫画「るろうに剣心」の中で、明治に流行した「牛鍋」という料理がすき焼きのルーツと思い込んでいました。
すき焼きは、好きな人と食べるからすき焼きなんだと思っていましたが、農機具の「すき」に由来があったとは…
ジンクスで片付けられない厄年のルーツ
厄年のルーツを見ると、1つは貴族社会で流行った十二支占いに行き着きます。
奈良時代に中国から暦が伝わり、十二支による運勢占いが貴族の中で流行しました。
その中で、自分の生まれた年と同じ十二支の年に、人生の転機が訪れること、またその際に大きな不運にあいやすいとさらました。
中略)
厄年をいちがいにジンクスとして片付けることはできません。
男性の25歳、42歳前後は仕事面では仕事を覚える、責任ある役職につく時期でストレスを受けやすく、精神的にも肉体的にもダメージを受けやすくなります。
また、女性と33歳は仕事や子育てで大変な時期、37歳もホルモンバランスの崩れがはじまる頃で心身ともにストレスがたまりやすいときだといえます。
いずれにしても、心や体の変化が起きやすい時期であることは間違いないので、気をつけるに越したことはありません。
四、「年中行事」には大切な意味がある p159〜p160
厄年を気にされる方、気にしていないように振舞っていても本心では気になる方は多いと思います。
実は厄年も昔の人がいい加減に決めたわけではなく、ちゃんとした理由がありました。
私は大厄を1つ過ぎているので、本当に気をつけなければならない厄はあと1回のようです。
体験談でしかありませんが、厄年のお参りは行っておいたほうが安心できると思いますよ。
お勧めの理由〜言い伝えの由来を知って雑談にできる
今回は日本に伝わる風習や言い伝えの雑学本、『日本人が実は知らない ニッポンの「謎」学』を紹介させていただきました。
取り上げた「謎」は3つだけですが、暮らしにまつわる言い伝えの由来が沢山。
ちょっとした雑談やお子さん達へのお話に役に立つのではないでしょうか?