本当に本が読みたくなる読書のブログ

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加賀百万石を築いた前田利家なら、令和の現代でどんな本を読むのか?

前田利家と読書


「あの人なら何を読むシリーズ」

生きていた時代の違う偉人の「あの人」が、もし令和の現代にタイムスリップしたなら「どんな本を読む」のかをテーマにしたシリーズ。

第5回は、あまり読書とは縁のないように思える前田利家に登場してもらいます。

唐沢寿明さん主演の『利家とまつ』では、良い兄貴分で良い夫で優しいお父さんの姿で描かれた前田利家の読みそうな本を探ってみますね。

前田利家が令和にタイムスリップ


「信長様ぁ〜」

火の手が回る建物の中から、背中を追い続けた信長が振り返り、何かを言った、気がした………。

「ちょっとパパ、摩阿の高校の学費なんだけど、私立の学費はこんなに高いみたいよ」

「年間100万、うちの蓄えはたしか…」

松に渡された数字が書かた紙には、驚きの数字が書かれている。

「ちょっと計算してみるか…?」

手を伸ばした先にいつもある算盤は、形が違う別のものに入れ替わっていた。

「松、ここにあった私の算盤は?」

「算盤?あなた、電子辞書にしたって言ってたでしょ」

電子…辞書?

机の先には、動いて音が出る絵、紙の横には手に収まる黒い計算機、そういえば格好もどこか…この服は柄が気に入って………。

“続いて今日の経済ニュースです。CEOが未だ不在となっている織田グループでは、代表代行を訴える羽柴氏側が株式の30%以上を取得したと発表しました。副代表を務める柴田氏らの陣営との対立は避けられず、日本最大の企業の行く末が注目されています”

「そろそろウチの会社もどうするか決めないとね………柴田さんには名古屋の頃からお世話になっているけど、最近は羽柴さんも力をつけてるし」

「そうだなぁ」

本能寺の変で、背中を追い続けた織田信長を失った前田利家

目を覚ますと、家族団欒の令和のリビング、家族以外は少しだけ違う世の中に違和感なく溶け込む姿が想像できてならないですね。



前田利家の現代での立場


前田利家の生き方を令和の現代で例えるなら、やんちゃをしていたヤンキー少年が奥さんと苦労を重ねて過ごし、大企業のNo.2にまでたどり着いた。

令和というより、90年代か2000年代に注目を集めるような大出世をした生き方なのでしょう。


10代〜ヤンキー少年がセンパイの会社に就職………ケンカですぐにクビになる

前田利家の少年時代は、奇抜な服装で自己主張をする「かぶき者」。

現代より少し前、平成前半の「ヤンキー」が当てはまります。

ヤンキーの利家は、同じ地元名古屋(尾張)のセンパイ織田信長の目に留まり、そのまま中小企業「織田テクノロジーズ」に就職することになります。

織田信長と反対勢力の争いが続く名古屋で腕っぷしの強さを見せ、17歳で社長直属のプロジェクトチームのトップに登りつめます。

社長直属プロジェクトチームといっても、ヤンキーの集まりの延長線上だった織田テクノロジーズ。

利家は、20歳で何と殺人事件を起こしてクビになってしまいます。

この事件は、相手の嫌がらせに原因があるのですが、腕っぷしだけで解決しようとした利家にも問題があります。

戦国時代でも殺人は厳罰になりますが、現代なら陰湿な嫌がらせに思わず手が出てしまい大怪我をさせてクビになってしまったといった出来事でしょう。


20代〜無職の2年間を過ごして実家の零細企業を継ぐ

織田信長の会社をクビになった前田利家は、2年間の無職生活が続きます。

この時期、社長 信長の目を盗んでこっそりと助けてくれたり、小さな仕事を渡してくれたのが後の上司 柴田勝家、そして親友の豊臣秀吉(当時は木下秀吉)だったとも伝えられています。

その後、働きが認められた利家は織田信長の下に戻ることができ、必死の働きを見せます。

そして、30歳で兄に代わり実家を継ぐことを認められるまでになりました。


30から40代〜織田グループ本社の営業マン

30代の利家は、ベンチャー企業から大企業に成長した織田グループ本社の中堅社員といった立場でした。

転勤先の北陸支社では、豪腕支社長柴田勝家の手伝いをこなし、40歳で石川県(能登)を任される支店長の立場になります。

その2年後に大きな転機が訪れます。

もちろん、本能寺の変

本能寺の変のすぐ後は、任されていた地域の近い柴田勝家に味方していましたが、親友 豊臣秀吉の誘いもあり、秀吉に味方をすることになります。

これが、利家にとって大きな転機となりました。

織田グループを引き継いで、さらに大きくなった豊臣グループの全国展開に尽力することになります。


50代から60代〜豊臣グループの最高顧問

豊臣秀吉や周りの信頼を集めた前田利家は、ついに豊臣グループ最高顧問(五大老)になります。

一時的ではありますが、役割と利家を慕う勢力は徳川家康を上回るものになっていました。

ですが病気には勝てず、その後の加賀100万石の発展を見届けることなくこの世を去ります。



イケメンの理系マッチョ〜前田利家の仕事と性格


前田利家は、育メン家事面で真面目なラガーマンのようなイケメンマッチョ。

そんな姿が想像できます。

【仕事】仕事一筋の理系マッチョ

【性格】立場を超えて慕われる兄貴肌

【趣味】家事メンパパ


【仕事】仕事一筋の理系マッチョ

「槍の又左」とあだ名が残っているように、前田利家は身体を張った仕事を得意にしていました。

180cmのイケメンマッチョという記録もあり、体育会系の営業マンのイメージがぴったりですね。

また、当時は珍しい算盤が使えた人物でもあります。

令和の現代なら、データや統計をしっかり確認するタイプなんですね。


【性格】立場を超えて慕われる兄貴肌

前田利家の実績から伺えるのは、真面目な人情派の人物だったということ。

若気の至りが招いた苦しい時期、自分が助けてもらった経験から、立場の悪くなった仲間を庇うエピソードが残っています。

晩年には、対立し合う若い同僚達のどちらからも信頼されていたりと、立場を超えて慕われる兄貴肌だったのでしょう。

死ぬ前の男気溢れる逸話もあります。

奥さんの松さんは、戦争で多くの人を殺した夫の死後を心配してお経が書かれた死装束を準備していました。

それを知った利家は、こう言います。

「私は戦争で人を殺したが、世の中の平和のために働いた。私利私欲のために人殺しをしていたわけではない」

「もし間違って地獄に行ったら閻魔大王とケンカをしてでも取り消してもらうさ」


【趣味】家事メンパパ

戦国武将の趣味というと、織田信長のアウトドア(鷹狩り)や徳川家康漢方薬のように、どこか凝った一面があります。

前田利家は、晩年に茶道と座禅に嗜んだ他はハマっていた趣味はなかったようです。

ですが、実は算盤よりも珍しい特技がありました。

それは、家事と育児ができたこと。

ただ、数学が得意とあって家計にはとても細かかったようですね。



前田利家なら今何を読むか


それでは恒例の本題、令和の家庭にタイムスリップした前田利家はどんな本を読むのでしょう。

利家の3つの特徴に当てはまる本を選んでみました。


【仕事】仕事一筋の理系マッチョ

【性格】立場を超えて慕われる兄貴肌

【趣味】家事メンパパ


やっぱり数学にハマる

統計学が最強の学問である[実践編]――データ分析のための思想と方法』西内啓

数字が好きな前田利家、自分でも世の中のデータの仕組みを計算してみたいのではないでしょうか?

きっと統計学にハマると思い、西内啓先生の本の中でも計算の方法が学べる実践編を選んでみましたよ。


「成り上がり」に興味を持つ

『新装版 矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG』矢沢永吉
※画像は漫画版です

かぶき者の利家なら、同じように腕1つで成り上がった矢沢永吉さんに感じるものを起こすはず。

戦国時代に織田信長の背中を追ったように、人生のバイブルにされるかもしれませんね。


家事のノウハウは欠かさない

『人生が整う 家事の習慣』本間朝子

家事メンの利家はもちろん、家事のノウハウを欠かさないでしょう。

利家が興味を持ちそうなホームベーカリーで、前田家の朝ごはんはお父さんの作ったパンが恒例になるかもしれませんね。


前田利家にまつわる現代の本

『戦国人物伝 前田利家加来耕造


『いのちがけ 加賀百万石の礎』砂原浩太朗


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