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発想の切り替えに最適な考え方「ずらす法」とは?

発想の切り替え「ずらす法」

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ビジネス書や実用書の出版に携わられている柿内尚文さんの『パン屋ではおにぎりを売れ』には、普段の暮らしでも役に立つ「考え方」が紹介されています。

今回は、その中の1つで「発想の切り替え」ができる「ずらす法」に取り組んでみましたよ。

ずらす法

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この方法は「数珠つなぎ連想法」と同様、すでに存在するものに新しい風を吹かせたいときに使える方法で、価値の再発見ができます。
たとえば仕事で、自分の担当する商品やサービスが売れなくなってきたときなどにぜひ使ってみてください。
柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ』
p122

令和の考える技術図鑑『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

「ずらす法」は、今ある物事に「新しい価値」を見つける考え方と紹介されています。

なかなか行き詰まった問題を「発想を切り替え」ることで解決してくれる考え方です。



対象を「ずらす」発想

・「高価格で高機能」のアウトドア商品に「低価格で高機能」な業務用品を「ずらした」ワークマン
・「ビジネスマン向け自己啓発書」から「子どもが読書感想文にする本」に「ずらした」著者
柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ』
p122〜p125

令和の考える技術図鑑『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

対象を「ずらす」発想をすることで、今の物事を変えることができると柿内さんは書かれています。

CMでアウトドア商品を見かけることが増えた、ワークマンというメーカーは、元々は作業服や工具を販売する専門店でした。

作業服というと、建設業や自動車関係の方に対象が限られます。

ただ、作業服は低価格で性能は丈夫で動きやすく、とてもアウトドア向きの特徴がありました。

ワークマンは、デザインを「ほんの少し」変えて、作業服の低価格と性能を生かしたアウトドアウェアを販売することに成功します。

「ずらす法」は、今ある物事を大きく変えずに活かすことができる考え方なんですね。


思い込みを捨てること

「ずらす法」では、まず思い込みを捨てることが大切です。
これまでの経験値などを1度捨て、ターゲットなども限定せず、ずらせる場所や人を探します。
そのときに必要なのは、たとえば商品やサービスであればユーザーの声をよく聞き、よく観察することです。
柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ』
p126

令和の考える技術図鑑『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ

「ずらす法」で大切なことは、「思い込みを捨てること」と『パン屋ではおにぎりを売れ』には書かれています。

思い込みは、自分が「こうだ」と思う先入観であったり、古くからの習慣です。

花水(hanami)がよく使う、「理由のないこだわり」と同じことかなぁとと思います。





「ずらす法」の流れ

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「ずらす法」で物事を考えるためには、本の中に「ユーザーの声をよく聞き、よく観察すること」と書かれているように、問題を広く観察して、対象を細かく分析する必要があります。

①「問題」を広く観察

物事を考えるときに、役に立つことで、「鳥の目」「虫の目」「魚の目」の3つの目線があると書かれていた本があります。

www.yu-hanami.com

問題を広く観察するためには、空から全体を見るように「鳥の目」で観察する必要がありますね。


②「対象」を細かく分析

次に、問題に関係のある対象を分析します。

『パン屋ではおにぎりを売れ』では、メーカーの成功例を紹介されているので、対象はユーザーの世代や職業による違いでしょう。

先ほどの3つの目線では、「自分がそこにいて周りを見ている」リアルさが必要なので「魚の目」が当てはまりますね。


③先入観を捨てて「ずらす」

「問題」の全体像がわかり、「対象」の特徴を分析できたら、いよいよ「ずらす法」の出番です。




「ワクチンと感染拡大問題」で「ずらす法」を使ってみる

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方法がわかったところで、さっそく「ずらす法」を使って物事を考えてみることにします。

花水(hanami)にとっては、暮らしのことや仕事の工夫などが身近なのですが、伝わりにくいかと思います。

そこで、今多くの方々に影響のある「ワクチンと感染拡大問題」について考えてみることにしますね。

①問題は⑴ワクチン接種の遅れ⑵感染拡大⑶重症化の増加

「ワクチンと感染拡大問題」とひと言でまとめてしまうと、ぼんやりとしていて何が問題なのかはっきりとしません。
そこで、問題を3つにまとめてみます。

⑴ワクチン接種の遅れ
⑵感染拡大
⑶重症化の増加

1つ目は、⑴ワクチン接種の遅れです。

必要なワクチンが手に入っていなかったり、場所と人手が確保できていないのは仕方がないでしょう。

変えられるとするなら、「ワクチン接種の仕組み」にあるのではないかと思います。

2つ目は、⑵感染拡大です。

春になって人手が増え、進学や就職で新しい場所に行く機会も増えています。

感染拡大は、「人の流れが増える」と広まるとされていますので、自粛よりも通勤や通学の方が影響が大きいのではないでしょうか。

3つ目は、⑶重症化の増加です。

当初から高齢者の方と持病のある方は重症化しやすく、受け入れられる病院が少なくなってしまうことが問題です。


②対象は⑴高齢者と持病のある方⑵働く世代と若者⑶小さな子どもと親

新型コロナウイルスは、年齢で「重症化」に違いがあり、生活スタイルで「感染のしやすさ」と「移しやすさ」に違いがあることがわかっています。

そこで、対象を3つに分けてみました。


⑴高齢者と持病のある方
自粛〜○できる
重症化〜×する
感染しやすさ〜△普通
移しやすさ〜○移しづらい

高齢者と持病のある方は、自治体や専門家の方から命に関わることなので自粛が求められています。
お仕事を引退された方は、自宅の付近で過ごす自粛はしやすいでしょう。
感染のしやすさは、「人との接触」にあるといわれているので、自粛ができるなら感染のしやすさは普通と変わらないはずです。


⑵働く世代と若者
自粛〜×できない
重症化〜○あまりしない
感染しやすさ〜×しやすい
移しやすさ〜△普通

働く世代と若者というと違いはもちろんありますが、「移動する機会が多い」点でまとめさせていただきました。
会社員や公務員の方は、企業から出社が求められていますし、リモートワークやオンライン授業の学校以外は通勤や通学は避けられません。
オフィスや教室で多くの人と過ごすため、感染はしやすい環境なのでしょう。
移しやすさは、飲み会などでしやすいようですが、マスクをして通勤や通学をされているなら普通なのではないでしょうか。


⑶小さな子どもと親
自粛〜△限られる
重症化〜○あまりしない
感染しやすさ〜×しやすい
移しやすさ〜×移しやすい

最後は、小さなお子さんのいる家庭です。
お子さんがストレスを感じますが、遠出や人ごみに行かないなどの自粛はできているはずです。
ただ、保育園や幼稚園では他の子と接する機会も多く、手洗いの管理も難しい年齢なら、感染しやすく移しやすいといわれています。


③先入観は「自粛と感染しやすさ」と「重症化」

問題と対象がはっきりしたところで、先入観について考えてみます。

国内では、「重症化」について一般のコメンテーターの方が議論されていますが、専門家の方のコメントでは、「感染が増えると重症化の割合も増える」とお話しされていて、重症化を減らすことは、感染を減らすことと同じと考えていいのかもしれません。

ここで、自粛をすると感染が減ることが、「先入観なのでは?」と思ったので振り返ってみます。


「自粛」
⑵働く世代と若者〜×できない
⑶小さな子どもと親〜△限られる
⑴高齢者と持病のある方〜○できる

生活スタイルのため自粛ができないのは、⑵働く世代と若者です。

反対に自粛ができるのは、⑴高齢者と持病のある方でした。


「感染しやすさ」
⑵働く世代と若者〜×しやすい
⑶小さな子どもと親〜×しやすい
⑴高齢者と持病のある方〜△普通

感染のしやすさは、「変異種ではどの世代も感染する」といわれているので、人ごみに行く機会のある⑵働く世代と若者、集団生活のある⑶小さな子どもと親が感染しやすい結果でした。


ワクチンの優先順位を重症化しやすい人から移しやすい人に「ずらす」

日本の方針では、「重症化しやすい人にワクチンを優先する」という方針です。

重症化は感染の増加と関係があるとされているので、「感染を減らす」ためにワクチンを打つことを優先してはいかがでしょう。

感染を減らすためには、他の人に「移しやすい人」に優先順位を「ずらす」とどうでしょう。


「移しやすさ」
⑶小さな子どもと親〜×移しやすい
⑵働く世代と若者〜△普通
⑴高齢者と持病のある方〜○移しづらい

他の人に移しやすい生活スタイルは、⑶小さな子どもと親でした。

ただ、ワクチンは年齢制限があり、16歳未満は打てないとあります。

それなら、小さな子どもと接する「親」「保育士」「ベビーシッター」「先生」を優先すると、感染は子どもたちの間だけで収まります。

次に、移動の機会の多い⑵働く世代と若者がワクチンを打つことで、オフィスや教室で感染が広まる機会が減ります。

世の中の感染が減るので、重症化も減るのでは?


今回は、「ずらす法」を使って世の中の問題を考えてみました。

花水(hanami)は、本を読んでやり方を考えてみただけで、感染の専門家でもありませんし、考え方の専門家でもありません。

ただ、世の中の仕組みを考えられている方は、ぜひ1度『パン屋ではおにぎりを売れ』を読んでみてはいかがでしょうか?


『パン屋ではおにぎりを売れ』柿内尚文の特集

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