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読了の意味と使い方、完読と通読の違いを読書好きが解説

読了(どくりょう)とは?

読書の豆知識


X(旧Twitter)やSNSで本の情報を探されている方は、「読了」という言葉を見かけたことはありませんか?

読了は、本を読み終えたことを伝えられる便利な読書用語です。

今回は、読了の意味と類義語、完読・通読・読破との違い、対義語との関係をまとめてみました。

読了(どくりょう)の意味

読了


読了とは、本を読み終えたことを伝える言葉で、「読書」と「完了」を合わせた読書用語です。

X(旧Twitter)などSNSでも使われることが多い読了の意味を振り返ってみます。


読了の意味

読了(どくりょう、英:finishing readin)とは、「本を読み終えた」ことを意味する言葉です。

似た単語では、「本を読み終え内容を理解した」意味の完読(かんどく)、「最初から最後まで読み終えた」意味の通読(つうどく)があります。

X(旧Twitter)で「#読了報告」と投稿されることも多く、インターネットを利用する読書好きの方にとって1冊の本を読み終えたことは「読了」というのが現代的なのでしょう。


読了の語源

読了は、読書の「読」と完了の「了(英:complete, finish)」が合わさった読書用語です。

了の英単語はcompleteとfinishの2つがありますが、「本を読み終えた」という意味の読了ではfinishが使われるようですね。


読了の歴史

読了は、2008年5月に読書メーターが利用され始めた頃には読書好きの間で既に使われており、いつ生まれたかは定かではありません。
X(旧Twitter)の投稿、ヤフー知恵袋の記録では、2010年にはユーザー同士で意味の通じる読書用語として使われています。

本を読んでる最中のことを熟語でなんと言いますか? - 読み終わった... - Yahoo!知恵袋




読了と類義語と対義語、完読・通読・読破の違い


読了は、読書(英:reading)と完了(英:conclusion,completion,fulfilment)を合わせた言葉で、類義語に完読と通読、読過という読書用語があります。

反対の意味の対義語では、未読と読みかけ、読み止しが使われています。

読了と類義語、対義語の用語との違いを「意味」と「使い方」で見比べてみます。

読了の類義語

読了には、いくつかの類義語がありますが、使い方は少々違いがあります。

意味の近い類義語では、完読(英:finishing readin)と通読(through reading)があり、あまり見かけない読過という用語も読了に近い意味があります。

また、少々気持ちのこもった読破(英:read through)は、読み応えのある長編小説や難しい古典など努力が必要な「本を読み終えた」という意味で使われています。


読了と完読の違い

本を読み終えたことを表す用語で、完読(英:finishing readin)があります。

完読は、「本を読み終え内容を理解した」と内容も含めてしっかりと読み終えましたよという意味もあります。

日本語の意味を解説されているWebサイトでは、「読了と完読は違う」とされる解説と「読了と完読の意味は同じ」とされる解説があり、解釈は定まってはいません。

読了と完読の違いで、注目したい点が2つあります。

1つは、英語訳です。

読了と完読は、同じfinishing readinと訳されています。

英語の辞書には、finishing readin(JP:完読,読了)と記載され、同じ意味の言葉として理解されていることになります。

もう1つは、使われている用途の違いです。

読了は、SNSも含めた「話し言葉」で使われています。

完読は、話し言葉で使われることもありますが、学校のレポートや仕事の報告書など「書き言葉」で使われています。

会話とコミュニケーションが目的のSNSでは読了が多い一方、解説や理論がまとめられるWebサイトには完読がほとんどです。

読了と完読は、意味は同じですが使われる場面が「話し言葉」「書き言葉」という使い方に違いのある読書用語といえます。



読了と通読の違い

また、読了、完読に比べて見かける機会は少ないのですが、通読(through reading)という用語を見かけます。

通読は、「最初から最後まで読み終えた」とひと通り目を通しましたよという意味があります。

読了と完読のように、「内容の理解」まではふくまれてはいません。

英語訳もthrough readingと訳され、「目を通す」という意味があります。

本を読み終えているという点で読了・完読とは同じ状況ですが、通読は内容を全く覚えていなくても「読み終えた」ことになるため、読了と完読とは「内容の理解」の部分で少々意味が違う用語といえます。


読了と読破の違い

英語訳では、通読(through reading)に近い意味の読破(英:read through)も読了の類義語です。

読破と通読で使われる英単語のthroughには、「目を通す」という意味がありますが、読破の「破」という日本語には「突破した」というような困難を乗り越える意味もあります。

長編小説や超長編小説のように2冊分の小説や、古典や近代文学のような難しい書かれ方をした本を「努力をして読んだ」という点で、読破は読書に挑んだ「気持ち」も含めた用語といえます。


読了の対義語

読了とは反対に、「本を読み終えていない」「読んでいる途中」を意味する未読(みどく、英:not yet read)と読みかけ(英:half-read)が対義語にあたります。

また、読み止し(よみさし、英:stop read)は「読書の手を止める」という意味で読了の対義語の1つとされています。





読了の使い方の例と応用


読了は、SNSでの発信や読書好き同士の会話で使われています。

よく使われる使い方の例と応用をあげてみました。

読了の使い方の例

X(旧Twitter
「読了『砂漠』伊坂幸太郎、6人の若者が地方都市で起こる身近な謎を解決する爽快なストーリー」


読書好きの会話)
A士「こないだ貸した『砂漠』、どこまで読んだ?」
B美「もう読了。ほんと面白かったよ」


読了の応用

読了は、元々「読書」と「完了」を合わせた用語です。

さらに、読まない本が積み上がっている「積ん読」と合わせて、読んだ本が積み上がっている「積ん読了(つんどくりょう)」という使い方もおすすめです。


読了のまとめ


読了は、読書と完了を合わせた「本を読み終えた」ことを意味する用語です。

類義語の完読とは、意味は同じですが使われる場面が「話し言葉」「書き言葉」という違いのある読書用語といえます。

また、類義語の通読とは「内容の理解」の部分で少々意味が違う用語といえます。

話し言葉として使われる読破は読書に挑んだ「気持ち」も含める点が読了との違いでもあります。

話し言葉で使われる読了は、SNSでの発信や読書好き同士の会話に向いています。

本好きの方は、X(旧Twitter)などSNSの#読了報告の発信で積極的に使われてはいかがでしょうか?



読了に関連する読書用語

積ん読

www.yu-hanami.com



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