アルスラーン戦記4 汗血公路
著者 田中芳樹
出版社 株式会社光文社(初版 角川書店)
分類 ファンタジー小説、ヒロイック・ファンタジー
出版日 2013/6/20(初版 1988/8/11)
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
異世界を創り出す小説家 田中芳樹、人気作品とともに紹介 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
初版から40年に迫る令和の今でも、読みつがれているファンタジー小説の名作「アルスラーン戦記シリーズ」。
2012年から出版された文庫版を読み返して気付いた細かな出来事、別の目線で注目したい登場人物を取り上げさせていただきます。
今回はシリーズ4作目、『 アルスラーン戦記4 汗血公路』の紹介です。
アルスラーン戦記4 汗血公路の登場人物
『 アルスラーン戦記4 汗血公路』からは、主人公アルスラーンと新しくアルスラーン一行に加わる登場人物、物語のキーマンになる登場人物も紹介します。
アルスラーン
物語の主人公で15歳、侵略された祖国を解放し、古い「奴隷制度の撤廃」の撤廃を胸に抱くパルス王太子。
シンドゥラ遠征で問われた君主と臣下の信頼に1つの答えを見つけ、新しく集う仲間とともに、王都エクバターナへの道を進もうとしていた。
ジャスワント
王太子アルスラーンの身辺警護を任されるシンドゥラ人の青年。
昼は王太子室の戸口に立ち、夜は剣を抱いて毛布にくるまりながら寡黙に任務をこなす。
先のシンドゥラ国の王位継承争いで、ラジェンドラ王子と対立する陣営で密偵として活動していた。
ラジェンドラ王子に味方したアルスラーンに一度ならず対立したものの、三度命を救われたことがきっかけで不滅の忠誠を誓う。
クバード
30歳を過ぎてもなお、鍛え上げた長身で大きな剣を振るう自称「隻眼の獅子」の騎士。
無造作に伸びた髪に鋭い顔立ちの立ち振舞を見せたかと思えば、愉快そうな笑みを浮かべる酒好きで仕事嫌いな掴みどころのない態度を見せる。
キシュワードやダリューンと並ぶパルス国軍の万騎長の地位にありながら、自由気ままな態度から「ほら吹きクバード」の通り名を持ち、アトロパテネ会戦以降、パルス各地で時に弱い立場の国民のため、時にとある王族のために剣を振るう日々を過ごしていた。
ボダン
ルシタニアで信仰されているイアルダボート教の大司教。
異教徒への過激で残酷な弾圧こそ神への信仰心と解き、マルヤムやパルスの占領地で味方からも非難される宗教政策を推し進める。
パルスでの宗教政策、権力への野心からルシタニア王弟ギスカールと対立し、国軍とは指揮系統の異なる聖堂騎士団とともにパルス西方のザーブル城を占拠し独自の勢力を築かれていた。
舞台は再び西アジアがモデルのパルス
北のダルバンド内海と南の外海、国土を横断する大陸公路と平行するニームルーズの山嶺。
山脈の北側は四季の豊かな気候で、国民のお腹を満たすのに十分な作物を育んでいた。
大陸公路は、気候も特産品も異なる東西の国々の貿易商が行き交い、パルスの王都エクバターナは貿易の中継拠点でもあった。
パルスの東側、アルスラーン一行が拠点にするペシャワールの城塞は赤い岩山の山岳地帯に作られ、南東の熱帯の国シンドゥラ、東のチュルク、北東の草原を治めるトゥラーンと国境を接する、国防の要の地域でもある。
パルス歴321年、解放の歩みへ
乾燥したパルス東方よりもさらに暑く、文化も食事も異なる隣国シンドゥラから帰国したアルスラーン一行。
祖国解放のためパルス中に広められたアルスラーンの呼びかけに応じ、味方の敵討ちを胸に抱く軍人、態度を決めかねていた地方の有力者らが赤い岩山の要害ペシャワールの城塞へ集結した。
流れる水があふれるように、ペシャワールの城塞から流れ出したアルスラーン一行の軍勢は、パルスを東西に走る大陸公路を西へ、首都エクバターナへと向かった。
パルス歴321年、解放の歩みが進もうとしていた。
それぞれの知ること知らぬこととは?
大陸公路を西へ、パルスの王都エクバターナの奪還を目指すアルスラーン一行。
ルシタニアの事実上の指導者ギスカールが悩みのタネの1つとして警戒し、銀仮面の男ヒルメスが「アンドゴラスの小せがれ」とあなどったアルスラーンの元には経験豊かな歴戦の武将、志しを抱いた若者が集っていた。
アルスラーン一行にとって強大で残酷な侵略者ルシタニアが占領するエクバターナの中でも、さらに西のザーブル城でも、また別の思惑が予想を超えた出来事を引き起こしていた。
お互いは、それを知らない……。
アルスラーン戦記第一部のシリーズ一覧
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