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グリフィンドールの剣がハリーのもとへ届いた理由?スネイプ先生の奮闘

スネイプはなぜハリーを見つけることができたのか?


恒例のハリーポッターシリーズ考察ページは、『ハリー・ポッターと死の秘宝』の原作からスネイプ先生の知られざる活躍に迫るお話です。
映画の中では、描かれないグリフィンドールの剣がハリーの手に渡るまでの伏線に迫ってみましたよ。


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※こちらのページでは、紹介作品の【ネタバレ】が含まれております。小説のストーリーを楽しみたい方は、作品の紹介記事を先にご購読いただきたくお願いいたします

ディーンの森でハリーを見つけるまで


分霊箱の手がかりをつかめずにいたハリーとハーマイオニーは、ハリーの生まれたゴドリックの谷を訪れ待ち構えていたヴォルデモートの蛇ナギニから間一髪で逃れることに成功します。
ハーマイオニーの姿あらわしの魔法でたどり着いたのは、ひとけのない森林。
かつてハーマイオニーが家族と訪れたことのあるディーンの森です。
その後、牝鹿の守護霊の魔法を追いかけたハリー、火消しライターに導かれたロンが凍った湖の底からグリフィンドールの剣を見つけることになります。
後の回想で、実は二重スパイとしてハリーを守っていたセブルス・スネイプがグリフィンドールの剣を渡すために行ったことが明らかになります。
映画では描かれていませんので、なぜスネイプ先生はハリーたちを見つけることができたか不思議に思う方が少なくはないでしょう。
答えは、ホグワーツ校長室の肖像画にありました。


自由に行き来できる校長室の肖像画

ホグワーツ校長室の肖像画とは?


ホグワーツ校長室には、歴代校長の肖像画が飾られ、話しかけたり相談することもでます。

ホグワーツ肖像画

ホグワーツ肖像画は魔法で描かれているため、3つの特徴があることが物語の中で語られています。

(1)自分の絵から絵に移動できる
(2)生前の記憶に基づいて会話ができる
(3)校長室の肖像画は現役の校長に従う

あくまで「生前の記憶」なので、そこに亡くなった人物がいるわけではありません。
今の時代なら、AIで全て説明がつきそうですね。


フィニアス・ナイジェラス・ブラック教授の肖像画

校長室の肖像画の中は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』で校長になっていたスネイプ先生の3つ前に校長を務めていたフィニアス・ナイジェラス・ブラック教授の肖像画も飾られています。
名前からわかる通りハリーの名付け親シリウス・ブラックの曽祖父で、純血主義の考え方で古い風習で学校運営にあたっていたため、歴代校長の中で最も生徒に人望がなかったと紹介されています。
実は、ブラック教授の肖像画はハリーたちが潜伏していたブラック邸にも飾られ、通報を警戒したハーマイオニーが布に包んでバックにしまっていました。




凍った湖の中にグリフィンドールの剣を置いた経緯

スネイプ先生がグリフィンドールの剣を渡すまで


ヴォルデモート卿の分霊箱を破壊するためには、「強力な魔法特性を持った物」が必要です。
実際に分霊箱を破壊できたのは、「バジリスクの毒」「ニワトコの杖」「悪霊の火」の3つで、グリフィンドールの剣は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でハリーが倒したバジリスクの毒を吸収し「物が手元にあればリクス無しで使える」便利なアイテムです。

グリフィンドールの剣を偽物とすり替える

グリフィンドールの剣は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で現れてからホグワーツ校長室に飾られていました。
自分が亡くなった後、魔法省に押収される可能性を予想していたダンブルドア先生は、事前に贋作を作り、それを校長室で保管していました。
史実はそのとおりになり、魔法大臣のスクリムジョールは「ダンブルドアの遺言書」に書かれていた通り剣をハリーに渡すことは認めませんでした。
本物の剣は、ダンブルドア肖像画の裏に隠されていたことが明かされています。
それなら、なぜスネイプ先生は偽物の剣をグリンゴッツ銀行のレストレンジ家の金庫に預けたのでしょうか?
1つは、ダンブルドア軍団のジニーとネビル、ルーナが校長室に侵入しグリフィンドールの剣の強奪を企てたこと。
もう1つは、死喰い人陣営に引き渡しを要求される前に自分から渡してしまうためだったのでしょう。
ハリーに本物の剣を渡す目的のスネイプ先生にとって、死喰い人陣営の手に渡るのはもちろん、ダンブルドア軍団に強奪されても安全にハリーのところに届く保証がなかったと考えたのでしょう。


ブラック教授の肖像画で居場所を見つける

ハリーに本物のグリフィンドールの剣を渡すためには、ハリー、ロン、ハーマイオニーの行方を探す必要がありました。
ブラック教授の肖像画から、ハリーたちがブラック邸に潜伏していたこと、魔法省に侵入したことまでの足取りはつかめていましたが、ハーマイオニー肖像画を布に包んでバックにしまっていたため消息がわからずにいました。
ハリーとハーマイオニーがディーンの森へ到着してすぐ、バックを開けたハーマイオニーは「ここはディーンの森よ、家族と一度来たことがあるの」とハリーに説明しています。
布に包まれたままのブラック教授の肖像画から連絡を受け、2人がディーンの森にいることをスネイプ先生は突き止めることができたわけです。


ダンブルドア先生の肖像画と相談

いよいよハリーに本物の剣を渡すために動くことにを決めたスネイプ先生に、ダンブルドア肖像画は次のように忠告しています。

「ハリーには、剣をどうすればよいかがわかるはずじゃ。しかしセブルス、気をつけるのじゃ。ジョージ・ウィーズリーの事故のあとじゃから、きみが姿を現せば、あの子たちは快く受け入れてはくれまい――」 スネイプは、扉のところで振り返った。
「ご懸念には及びません、ダンブルドア
スネイプは冷静に言った。
「私に考えがあります……」 スネイプは校長室を出ていった。
ハリー・ポッターと死の秘宝 下巻』

潜伏生活で警戒心の高いハリーとハーマイオニーの前にスネイプ先生が姿を現すと、言葉を交わすまもなく攻撃を受けることにもなります。
また、開心術を使えるようになっているか分からないハリーに直接剣を手渡すと、ヴォルデモート卿がハリーに開心術を使ったときに、計画が全て明らかになってしまう危険もあります。

①ハリーたちに攻撃される
②ヴォルデモートがハリーに開心術を使う

この2つの問題を解決するため、守護霊の呪文を使いハリー自身に湖の底からグリフィンドールの剣を見つける方法を選んだのでした。




スネイプ先生の危険なミッション

スネイプ先生の危険なミッション

二重スパイという危険で孤独な役割をこなしていたスネイプ先生ですが、グリフィンドールの剣の仕事も死喰い人陣営にバレてしまう可能性がありました。
ただ、ハリーに本物の剣を渡すことについては、十分な対策が取られています。

ベラトリックスが偽物に気がつく可能性

まずは、偽物の剣をグリンゴッツ銀行のレストレンジ家の金庫に預けたときにベラトリックス・レストレンジが気がつく可能性です。
こちらは、ほとんどないでしょう。
偽物の剣はよくできていて、スクリムジョール魔法大臣をはじめ登場人物の人間で気がつく人はいませんでした。
ハリーたちのグリフィンドールの剣を見て、慌てて気がつき慌てたほどですので、常に警戒していたわけでもなさそうです。


グリンゴッツ銀行のゴブリンが白状する

死喰い人陣営にバレてしまう可能性が高いのは、銀行のゴブリンが取り調べられ白状してしまうことです。
こちらは、実際にヴォルデモート自身が銀行に現れ、怒りのままに銀行のゴブリンや人間を殺傷しています。
本物の剣の所有権を主張するゴブリン側にとっては、ヴォルデモートに本物の剣を渡すことは避けたいところでしたが、剣はひとりでに姿を消しています。
もし、拷問をされたゴブリンが白状してしまっても、スリザリン出身で狡猾な死喰い人が本物の剣を手にすることはできなかったでしょう。
ハリーに本物の剣を渡す計画は、2人のホグワーツ校長の作戦が完璧に成功した出来事といえるのではないでしょうか?




ハリーポッター関連ページ


J・K・ローリングさんのハリーポッターシリーズ原作紹介、ハリーポッターファンの読書家花水由宇(hanami yu)の考察ページです。
考察ページは、【ネタバレ】にご注意くださいね。

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