『2005年のロケットボーイズ』
著者 五十嵐貴久
出版社 株式会社双葉社
分類 青春小説
出版日 2008/11/13(単行本2005/7/1)
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
七色のジャンルを執筆する小説家 五十嵐貴久〜紹介とおすすめ作品 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
少し前の作品ですが、2000年代前半の高校生が主人公の青春小説を読み返してみたので紹介させていただきますね。
実はドラマ化されている隠れた名作なんですよ。
素適な読書ブログが集まるグループです↑
物語の始まり
公立高受験前に交通事故に合い、志望校ではなかった私立王島工業高校(王電高)へ進学した梶屋信介は、興味のない理系分野の授業と居心地の悪さから、遊びふける高校生活を過ごしていた。
2年生の夏休みも終わる頃、素行と運の悪さが災いし小型人工衛星キューブサットのコンクールに出場するか、退学するかを迫られることになる。
『2005年のロケットボーイズ』の個性派登場人物
『2005年のロケットボーイズ』の登場人物は、とにかく個性派ぞろいです。
普通の高校にこれだけ個性的な人が集まるかな?とも感じますが、案外気が付かないだけで、実は隣の誰かがキラリと光る個性を秘めているのかもしれませんよ。
梶屋信介(カンジン)
物語の主人公で王電高の2年生。
町工場のひとり息子だが、事業に行き詰まった父親は引きこもり、見かねて現役復帰した祖父、父とは別居していても家族の元を訪れる母とともに暮らしている。
放課後のパチスロ、屋上での喫煙、ハメを外した飲酒とイマイチな素行が原因で厳しい生活指導が行われることに……。
大崎良夫(ゴタンダ)
梶屋の幼稚園の頃からの幼なじみで王電高2年生。
梶屋と牧野とともに、パチスロで儲けバラ色の暮らしを過ごすことを夢見ている。
高校に居場所が見つからない梶屋と違い、交友関係はとにかく広い。
牧野龍(ドラゴン)
梶屋と大崎の遊び仲間の王電高2年生。
パチスロの天才で、情報収集と技術磨きには余念がなく「負けているところを見たことがない」といわれるほどの腕前。
パチスロとオシャレ以外には興味がわかずクールな一方で、友情に厚い一面を潜ませている。
神野誠(ダンナ)
王電高理事長の息子で王電高3年生。
カミノ電気の社長でもある理事長の四男という立場上、将来の学校運営のポストが約束されている。
王電高の目玉といえる鳥人間部の部長として、優秀な人材を率いる理論的なリーダーでもある。
目力のある古風な美男子だが、選民思想に偏り学校カーストの頂点でもある彼を本当に慕う人は多くはないのかもしれない。
成田正孝(大先生)
王電高2年生、医師の家庭に生まれ学業成績優秀な理論家。
同級生からは、人当たりの悪さから嫌味を込めて大先生と呼ばれている。
立花彩子
秋葉原の電子部品店『サージェントペッパーズ』の看板娘で、梶屋の中学生時代の元カノ。
中学生時代は、中学校1位のルックスを持ちながら、奇抜なファッションと独特の興味が順位を下げ3位にランキングされていた。
成績優秀でも勉強嫌いの飽き性のため、進学はせず実家の電気店を切り盛りしている。
愛川昭一郎(翔さん)
190センチ90キロ、格闘団体からスカウトがかかる実戦経験豊富な武人肌の男子生徒。
梶屋たちと同じクラスだが、年齢は1歳年上の王電高2年生。
「盗んだバイクで走り出す」を地で行く、無口で男気のある2000年代には珍しいタイプの不良。
スマホ前時代の2005年の青春
物語の舞台は2005年の東京都内。
スマホが誕生していない世界では2つ折りのガラケーが主役の時代、画像のやり取りはSNSではなくメールで画像を交換する写メが主流だった。
音楽を持ち歩くiPod派は少数派で、まだまだMDが現役で頑張っていた時代。
お笑いと青春ドラマのブームに乗る若者、射的性の高いパチスロにかき立てられた若者、コアな趣味に興味を持つ若者、いつの時代にも青春はあった。
物語のキーワードは知ることと気づくこと
『2005年のロケットボーイズ』のキーワードのひとつは、知ることかなと思います。
気が付かなかったことに気が付き、知らなかったことがわかると何ともいえない満足感のようなものを感じます。
知ることは若者の方が機会が多いことですが、世の中が変化し続けているなら大人にも平等に知る機会はあるはず。
そこに気が付くのも、また運のひとつなのかもしれませんね。
五十嵐貴久さんの青春小説
『スイム!スイム!スイム!』
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『1985年の奇跡』
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『ぼくたちのアリウープ』
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