本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズ第一作『炎の塔』の紹介

ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズ『炎の塔』

炎の塔 (祥伝社文庫)

著者 五十嵐貴久
出版社 株式会社祥伝社
分類 パニック小説
出版日 2018/4/12(単行本2015/7/23)
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
七色のジャンルを執筆する小説家 五十嵐貴久〜紹介とおすすめ作品 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ


五十嵐貴久さんのファンの皆さま、お待たせいたしました。
人気パニック小説「ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズ」の第一作『炎の塔』を紹介させていただきますね。
女性消防士 神谷夏美の活躍から目が離せない、イッキ読み確実な物語ですよ。
作品の世界に入り込めるように、消防士さんの階級と役割もまとめてみましたよ。

物語の始まり


銀座第一消防署警防二課(通称ギンイチ)は、首都圏大震災に備えて国と東京都が設立された。
管轄内の火災と救急はもちろん、大規模災害時は消防庁の指揮本部も兼ねたギンイチには、各地から精鋭消防士が集まる全国最大の巨大消防署だ。
高層ビルや商業施設の多いギンイチ管内では、高さ450メートル、延床面積45万平方メートルの国内最大規模の複合施設ファルコンタワーが建設され、オープンが間近に迫っていた。
新しい東京都の目玉として注目される一方で、ファルコンタワーを運営する丸鷹ビルディング社長 鷹岡光二による強引なオープンまでのスケジュールが不安視されていた。


ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズ『炎の塔』の登場人物


ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズには、主人公側のギンイチ消防士の他にも火災に遭遇する民間人から専門家まで幅広い登場人物が活躍しています。
第一作の『炎の塔』からは、主人公 神谷夏美とギンイチ消防士の注目人物を紹介します。

神谷夏美

ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズの主人公で28歳の女性消防士。
2年前に設立された銀座第一消防署に移動してからは、火災現場に出動する警防二課の副士長を務めていた。
消防士としては不利な小柄な体格を、素早い判断と行動でカバーしている。
消防士だった父の背中を追うあまり、誰かの命を第一に考えた行動で事故を起こすことも……。
体力の不安と立て続けて起きた事故で自身をなくしていた。

柳雅代

夏美の直属上司で消防司令補の女性課長。
175センチの恵まれた体格で、女性消防士の草分け的存在として期待されている。
自分にも他人にも厳しいが、ギンイチで現場に出る自分以外唯一の女性消防士の夏美を気にかけている。

宇頭航平

夏美と同じ警防二課の消防士長で六期上の係長、警防二課のムードメーカーとして慕われている。
夏美とともに出動することが多く、仲間との外食を楽しみにしている。

村田大輔

ハイパーレスキュー隊の隊長で、全国トップクラスの実戦経験を持つ45歳の司令長。
自分も含め「人命救助の実力」だけに価値観を置き、男女はもちろん階級も立場も考慮しない徹底した平等主義。
20代の消防学校の学生や、若い消防士と共に毎日欠かさずハードな訓練をこなしている。

吉長

消防庁からの出向で司令長、いわゆるキャリア組の50歳。
ギンイチの警防部次長を務め、オフィスワークが多く火災現場に出ることはまずない。
朝礼で署員の安全についての長い訓示をはじめ、現場の消防士との温度差を生んでいた。




消防士の階級

消防士の階級と役割


警察官の警部や巡査長、自衛隊の階級に比べて消防士の階級はあまり知られていないようです。
ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズをもっと楽しめるように、消防士の階級と役割をまとめてみました。

消防士は10階級と役割

消防士の階級は、一般職員の消防士から消防総監まで10階級あります。
消防士、消防副士長、消防士長、消防司令補が消防車に乗って駆けつけてくれる身近な消防士さんの階級です。
町の出張所の所長さんの階級は消防司令で、市町村の消防署は消防司令長が副署長、消防監が署長を務めています。
消防正監地方自治体の消防の責任者に当たり、政令指定都市では消防司監が同じ役割を担います。
消防組織のトップは消防総監と呼ばれ、警察の警視総監と同じように消防組織でただ1人の存在です。
制度的には、総理大臣の承認で任命される警視総監が国家公務員、東京都知事が任命する消防総監が地方公務員という違いがあります。



東京消防庁地方自治体で変わる役割

自治体ごとに組織されている消防は、東京都を管轄する東京消防庁地方自治体で役割に違いがあります。
消防士から消防司令補までは、階級と役割がほとんど一致しているとされていますが、出張所の所長さんに当たる消防司令長は、東京消防庁の本庁では課長補佐の役割があります。
消防士・神谷夏美シリーズでは、実戦経験が豊富な村田大輔が消防司令の階級で次長待遇という2つ上の役割を担っています。




キーワードは「限られたのも」、テーマは「誰かのために」


ストーリーに触れてしまうとパニック小説のスピード感ある展開を楽しめないため、少々抽象的に表現させていただきますね。
ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズ『炎の塔』のキーワードを探すなら、それは「限られたのも」でしょう。
何が限られたものなのかは、作品をお楽しみくださいね。
そして、「誰かのために」働いている方の尊さです。
神業で人を救うお医者さん、身を挺して安全を守る自衛隊員さん、そして危険に飛び込む消防士さんは、救われる側と同じ人間でもあります。
だから、「誰かのために」働くことは尊いことなのではないでしょうか?


ギンイチ消防士・神谷夏美シリーズの作品


シリーズ二作目 波濤の城
波濤の城 (祥伝社文庫)


シリーズ三作目 命の砦
命の砦(祥伝社文庫い19-8)


シリーズ四作目 鋼の絆
鋼の絆 ギンイチ消防士・神谷夏美

にほんブログ村 本ブログへ