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履歴書の書き方の役に立つ本『マジ文章書けないんだけど』の紹介

マジ文章書けないんだけど

著者 前田安正
出版社 大和書房
分類 実用書、ビジネス書
出版日 2017/4/30


就職活動の履歴書の書き方、ビジネス文書の書き方に最適な実用書『マジ文章書けないんだけど』を紹介させていただきますね。

文章力の勉強


『マジ文章書けないんだけど』は、文章の書き方を勉強している花水(hanam)が教科書にしたかった本です。

仕事で形式の決まったビジネス文書を書くことも、こうしてブログで文章を書いていても、「文章の書き方」は教わっていません。

大学の文学部などで専門的に勉強された方や、社会人になってからセミナーに通われた方以外は、私と同じように感じているのではないでしょうか?



朝日新聞編集者 前田安正さんの紹介


『マジ文章書けないんだけど』の著者は、朝日新聞社で長年編集の仕事に携わっている前田安正さんです。

前田安正さんの経歴

前田安正さんは朝日新聞に入社後、編集センターや校閲センターのお仕事に携わり、現在は「文章の直し方」などの講演や文書コーチングで活躍されています。

まさに、文章のスペシャリストの方ですね。

前田安正さんの他の本の紹介


前田安正さんの著書は数冊と多くはありません。

その中で、社会人が文章を磨ける本はこちらの2冊です。


○『やばいほど日本語知らないんだけど』

○『「なぜ」と「どうして」を抑えて しっかり!まとまった!文章を書く』



『マジ文章書けないんだけど』は4つのステップで文章の書き方が誰にでも学べる1冊

『マジ文章書けないんだけど』の構成

まえがき p2〜p3
プロローグ p9〜p16
1st.STEP 基本中の基本!主語と述語について考える p18〜p64
2st.STEP 文章を書く基本!文と文章の構造を考える p66〜p128
3st.STEP めざせ!伝わる文章 人の思考を意識する p130〜p160
Final.STEP 秘策!マスターへの道 「Whw」を意識する p163〜p216
エピローグ p217〜p221
あとがき p222〜p223

本の構成は4つのステップを踏む形で文章の基礎から、実際の履歴書・エントリーシートの書き方までを練習できる流れになっています。


活字が苦手な方向けの読みやすさ

『マジ文章書けないんだけど』は、実用書には珍しく登場人物が活躍します。

就活を控えて履歴書・エントリーシートの文章に悩む大学生 浅嶋すず。

カフェの常連客で文章の達人の60代 謎のおじさん、作中では「師匠」と呼ばれることも。

横書きの手書き風でイラストや図解も多く、浅嶋すずと謎のおじさんの対談形式で進むストーリーは、活字が苦手な方に向いている実用書といえます。



文・文章の違い

文と文章の違い

〈文〉
・文法学上の基本単位で、一つのまとまった内容を表す。
・末尾に「だ」「ます」などの活用語の終止形や、「か」「かしら」などの終助詞がつく。
・大概、最後に「。」(句点)がつく。
〈文章〉
・一つ以上の文が連なった言語作品のこと。
1st.STEP 基本中の基本!主語と述語について考える p23


改めて「文」と「文章」の違いを知りました。

こうしてブログで文章を書いていても、「なんとなく短いのが文」「長いのが文章」と思い込んでいたものですから…。

こういうことを、小中学校で勉強しておきたかったですね。


「が」「は」の語の役割の違い

「が」→格助詞。主語にあたるものを示す。
「は」→係助詞。主語を示す場合とそうでない場合がある。
1st.STEP 基本中の基本!主語と述語について考える p36

学生時代には頭が痛くなった「語」のお話。

「が」は、「花水が小説の世界に触れ気持ちが温まる」のように主語を示す各助詞。

一方で「は」は、「花水は小説の世界に触れ気持ちが温まる」のように主語だけを示すときとそうでないときがあるんですね。


「が」「は」の情報の役割の違い

・既知情報+は
「パリ旅行はどうだった?」
・未知情報+が
オランジュリー美術館がすごくよかった」
1st.STEP 基本中の基本!主語と述語について考える p50〜p51

「は」「が」は主語と述語だけではなく、「情報の違い」で使い方も変わります。

「パリ旅行どうだった?」の場合、質問してる方も相手がパリ旅行に出かけたことを知っている既知情報。

もう1つの「オランジュリー美術館すごくよかった」では、相手が知らない答え「オランジェリー美術館」という未知情報で使われています。



文と文章の構造と書き方のポイント

こそあど言葉=指示語

距離感は大切でしょ!
「こそあど言葉」って聞いたことがあるかい?
ー聞いたことはあるけど…。なんだっけ?
そっか、知らないか!
よし!きょうは、これでいってみよー!
こそあどっていうのは、指示語のことなんだ。こんなのがあるんだ。
・これ、それ、あれ、どれ…(代名詞)
・ここ、そこ、あそこ、どこ…(指示代名詞)
・こんな、そんな、あんな、どんな…(形容動詞)
・この、その、あの、どの…(連体詞)
・こう、そう、ああ、どう…(副詞)
2st.STEP 文章を書く基本!文と文章の構造を考える p66


「指示語」は私も会話の中でよく使う言葉です。

文章では、伝わりにくくなることもあり、あまり使わないようにしていますが、改めて知ると便利な使い方ができそうですね。


同じ表現を避けるポイント

文章の基本に触れたところで、『マジ文章書けないんだけど』で物語のように学べるストーリーに触れてみますね。

〈例1〉
彼女とは高校時代からの友人だ。女の私からみても彼女の瞳は魅力的だ。彼女の瞳はいつもクリクリと興味深げに動き、愛くるしい。私も彼女のような瞳の持ち主だったら、と少しうらやましく思う。

一文一文は問題ないんだけど、文章の形になったときに何回も同じような表現を使ってしまうことがあるんだ。これを整理するとすっきりするんだよ。
2st.STEP 文章を書く基本!文と文章の構造を考える p75〜p76

たしかに「彼女の瞳」「瞳」という表現が多く、少しだけしつこいなぁと感じてしまいます。

そういう私も、よく使ってしまう書き方です。

〈改善例1〉
彼女とは高校時代からの友人だ。女の私からみても彼女の瞳は魅力的だ。いつもクリクリと興味深げに動き、愛くるしい。私も彼女のような瞳の持ち主だったら、と少しうらやましく思う。

三つめの文から「彼女の瞳」という言葉を取り除いてみたんだけどどうだろう。
ーうん、少しすっきりしたかな。でも「魅力的だ」と「愛くるしい」も似たような言葉だよね。
お、さすが。そこも手を入れてみようかね。
2st.STEP 文章を書く基本!文と文章の構造を考える p76〜p77

1つだけ「彼女の瞳」という言葉が消えるだけで、とてもすっきりした文章に思えますよね。

謎のおじさんは、ここからが違います。

〈改善例2〉
彼女とは高校時代からの友人だ。いつもクリクリと興味深げに動く彼女の瞳は、女の私からみても愛くるしい。私もそんな魅力的な瞳の持ち主だったら、と少しうらやましく思う。

「いつもクリクリと興味深げに動く」が「彼女の瞳」を修飾する形にするんだ。それを受けて「そんな魅力的な〜」とすると、違和感はなくなるだろう。
ーすごーい!師匠、使っている言葉はあまり変わらないのに、立体的な表現になったような気がする。
2st.STEP 文章を書く基本!文と文章の構造を考える p77〜p78

文章の最後を修飾語にしてしまうことで、1つ1つの文が短くなり、シンプルでまとまった文章になりました。


就職活動中の方は読んでおきたい1冊


『マジ文章書けないんだけど』は2通りの読み方があります。

1つは私のように、文章力の勉強に活用すること。

もう1つの方が本来の読み方です。

それは、大学生の方が就職活動で履歴書やエントリーシートを書くためです。


就職活動中の方は最後まで

就職活動中の大学生の方は、履歴書やエントリーシートの書き方の勉強のために、本のステップ通りに読まれることをおすすめします。

特に最後の「Final.STEP 秘策!マスターへの道 「Whw」を意識する」は、実践的なエントリーシートの書き方に触れています。

読みやすく、時間もかからないと思いますので最後まで読みすすめてみてはいかがでしょうか?


文章の勉強の方は3st.STEPまで

文章の勉強をされている方は、「Final.STEP」の部分は飛ばしてもよさそうな部分です。

「3st.STEP めざせ!伝わる文章 人の思考を意識する」までの、「例」の中に文章の書き方を見直すヒントが多く含まれていましたよ。

細かな応用は、読書感想文の書き方に合わせてお伝えする予定です。


文章力の本の関連リンク

『残念ながら、その文章では伝わりません』山口拓朗
www.yu-hanami.com

『伝える力』池上彰
www.yu-hanami.com

『伝える力2』池上彰
www.yu-hanami.com

『伝える技術』池上彰
www.yu-hanami.com



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