読書感想文の本選びから文章の書き方と例題まで
夏休みも中盤、10代の学生さんを悩ませているのは宿題と読書感想文ではないでしょうか?
今回は、読書感想文の本選び、文章の書き方のコツ、テーマを選んだ読書感想文の例を全て取り上げます。
読書ブログでお話させていただいた、詳しいページへのリンクつきでまとめています。
本当に本が読みたくなる読書のブログの読書ブロガー花水由宇(hanami yuu)の読書歴と文章の書き方がお役に立てればと思います。
- 読書感想文の本選びから文章の書き方と例題まで
読書感想文には自分の気持ちや考えが求められている
本を読んだ感想を、400〜1200文字の文章にまとめる小学校・中学校・高校の長期休暇の課題「読書感想文」。
「読書感想文」と聞くと、日本国内では誰もが本を読んで作文を書くことを思い浮かべることができます。
この読書感想文、どんな目的があるのでしょうか?
読書感想文とは?
読書感想文は、「感想」とあるように本を読んで「自分が思った」こと、動かされた感情、新しい気付きをまとめた文章のことです。
本の紹介や引用はあくまで前置き、本題は自分の思いや得られた考えです。
読書感想文に求められる内容
特に長期休暇の課題としての読書感想文は、学校、公的機関それぞれに明らかな見解があります。
小学校では、『小学校学習指導要領』と呼ばれる勉強の方針を定めたマニュアルで「書くこと」と「読むこと」両方の勉強の目的があると定めています。
また、内容では「物語の中の出来事」と「現実の自分の気持ち・考え」を区別することを重要視しています。
公的機関の見解では、読書感想文全国コンクールを主催する公益社団法人 全国学校図書館協議会の発表があります。
読書感想文を書く目的で読んだ本はあくまできっかけ、「自分がどう思ったり考えたのか」を重要視しているとあります。
どちらにも共通していることは、読書感想文の中で「自分自信の思いや考え」を表現する必要があります。
読書感想文は興味のある本を選ぶと書きやすい
この季節になると、本屋さんには「読書感想文コーナー」が開かれ文庫本が山積みになっていますね。
読書感想文はどのような本を選べばいいのでしょうか?
私の答えはたった1つです。
それは、「興味のある本」を読んだ方が良いと思います。
興味のある本を読む方がいい理由
興味のある本を飲む方が良い理由は2つあります。
1つ目は、読書に慣れていない方にとって本を読むことはストレスにもなるもの。
興味のない内容やジャンルの本では、読書が続きません。
もう1つは、読書感想文では「自分自信の思いや考え」が求められるためです。
「自分自信の思いや考え」をまとめるには、作品に対して何らかの感情を持っていなければ難しいはずです。
興味のない本の中には、読んでも「なんとも思わない」本もあることでしょう。
少しでも「気持ちが動く」、何か考え方やひらめきが冴える本の方が読書感想文も負担なく進むはずですよ。
読書感想文が書きやすいおすすめの小説
中でも読書感想文が書きやすい小説を選んでみました。
興味があり、好きな本を選ぶのはもちろんです。
読書感想文が書きやすい本の特徴を2つあげるとしたら、「等身大の登場人物」が活躍する作品だと思います。
等身大とは、登場人物の年代や生活、気持ちや考え方を自分の普段の暮らしに照らし合わせやすいという意味です。
等身大の登場人物は、時代と年代が近い作品がいいでしょう。
例えば自分のことを「ワシ」と読んでいる親御さんより年上の方の生活や気持ちは、10代ではわかりにくいものです。
小説以外のおすすめの本
学校で指定図書やジャンルの指定がない場合には、小説以外の本もおすすめですよ。
「夏におすすめの本」シリーズで紹介した、「エッセイ」「政治と経済」「サブカルと雑学」「哲学と思想」「実用書」「読書術」のジャンルをこちらにまとめてあります。
「政治と経済」や「哲学と思想」は名前を聞くととても難しく思えますよね。
私のブログは、普段の暮らしに役に立つ読書をテーマにしています。
中でも読書感想文向けでは、中学生・高校生の方が身近に感じることができる作品を選んでいるのでご安心くださいね。
www.yu-hanami.com
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読書感想文を書くときに役立つ2つの文章の型(フォーマット)
読書感想文は、真っ白な紙に書いては消しながら少しずつ書き進める………。
私が学生の頃の作文は、書いては消してまた書いてを繰り返していました。
文章を書く練習にはなりますが…書いているうちに、内容がガラッと変わってしまい、とても時間の無駄が多いと思います。
そこで、読書感想文に向いた2つのフォーマット(文章の型)を紹介しますね。
小説の読書感想文のフォーマット
小説の感想には「列挙型」と呼ばれる文章のフォーマットが向いています。
「列挙型」では、最初に何を伝えるかの「全体像」に触れておきます。
全体像に触れた後は、内容のまとまりごとに情報を「列挙」します。
ここで大切なことは、物語のお話は物語のお話として、自分の思いは自分の思いとして区別して「列挙」することです。
最後に区別して書いていた内容を「まとめ」ます。
「列挙型」のフォーマットは、小学生の頃からも目にする機会の多い身近な文章。
きっとすぐに使えるようになりますよ。
小説以外の読書感想文のフォーマット
小説以外の本で読書感想文を書く方は、少しだけ工夫が必要です。
小説以外の本では、自分の考えを書くときに最適な「主張型」のフォーマットが便利です。
「主張型」では、「背景」で本で取り上げられているテーマについて予め触れておきます。
次の「主張」で、自分の思いや考えを簡単に書き出します。
3番目は、「なぜそう考えたのか?」よ理由を書いておきます。
ここは、本の内容で自分の思いや考えに近い部分を書いておくと良いですよ。
理由が終わると、「具体例」で自分の思い考えが実践されている事実を伝えます。
世の中で同じように考え、行動している方がいるなら「具体的」として最適ですよ。
思いや考えを伝えると、共感もあれば反感もあるものです。
それに1つだけ正しいという考えはないはず。
最後の「まとめ」を書く前に、他の「考え」も受け止めるひと言を加えることを「主張型」のフォーマットでは大切にしてます。
読書感想文に役立つ文章の書き方
小学校・中学校の方の読書感想文は、国語科の課題ということもあって、「注目したテーマ」「気持ちの表現」と同じくらい「正しい作文が書けるか」が評価されます。
そこで、改めて文章の書き方に触れてみましょう。
文章が伝わりやすくなる3つのポイント
中学生や高校生の方は、国語の作文やテストの記述問題で文章を書きなれていると思います。
そこで、復習も兼ねて文章が伝わりやすくなる3つのポイントをお伝えしますね。
①主語と述語をの関係
②助詞の使い方
③接続助詞の使い方
文章の書き方の本では、この3つが文章の基本になると書かれています。
主語と述語を正しく組み合わせる
文章の書き方の基本は、「主語と述語の組み合わせ」にあります。
書いた後に主語と述語が正しく組み合わさっているかを確認する方法は、文章を一度分解してから組み合わせることです。
助詞を使い分ける
文章を書くときに大切な助詞は格助詞「が」と係助詞「は」の2つだけ。
大切なポイントは、主語がどの述語にかかるかで助詞を使い分けることです。
助詞を上手に使い分けることができると、意味の通る文章が書け、内容が伝わりやすい読書感想文に仕上がりますよ。
接続助詞を減らす
接続助詞が多いと、文章が長くなり何がいいたいのか伝わりにくくなってしまいましす。
実は、文章に必要な逆説の接続助詞と、あまり必要ではない順接の接続助詞があります。
「だから」「したがって」「それで」など順接の接続助詞を減らす方法はとても簡単です。
必要ではない順接の接続助詞を減らすことで、文章がコンパクトに大人っぽく仕上がるはずですよ。
自分の思いや考えで締めくくる
おまけのポイントは締めくくりです。
読書感想文全国コンクールの受賞作品を読んでみると、共通する内容がありました。
それは、文章の後半で「自分の思いや考えで締めくくる」書き方です。
読書感想文全国コンクールでは、作品と出会って何を感じ、どう思ったのかを重要視しています。
「自分の思いや考えで締めくくる」書き方をしている作品が、高い評価を得やすいのかもしれませんね。
読書感想文は何の目的で書くのだろう? - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
テーマを絞った読書感想文の例
読書感想文は、本を選んだ理由ー本のあらすじー感想という流れが一般的です。
もし、書き方に指定がないなら、思いきってテーマを絞った読書感想文を書くことをおすすめします。
登場人物にテーマを絞った読書感想文の例
登場人物にテーマを絞った読書感想文は、2つのポイントがあります。
1つは主人公に限らず、自分が1番共感できた、興味が持てた登場人物を選んでみてください。
もう1つは、身の回りのリアルな世界と照らし合わせてみらことです。
読書感想文を読む人に登場人物の性格や考え方、生き方が伝わってくるはずですよ。
こちらは、坂木司さんの日常ミステリ小説『仔羊の巣』の探偵役 鳥居真一にテーマを絞った800文字の読書感想文です。
ストーリーにテーマを絞った読書感想文の例
登場人物に比べてストーリーに的を絞るのは、少し難しい方法です。
ポイントは気になるシーンを1〜2つだけ選ぶこと。
自分の「どんな気持ち」が動かされたのかを恥ずかしがらず具体的に書くことです。
こちらは、小川糸さんの『食堂かたつむり』から生きている動物を殺して食材にするストーリーを選んでみました。
読書感想文のテーマは「食べ物の命」に決めて、960文字のテーマで書いてみましたよ。
読書感想文の書き方と本選びのまとめ
10代の学生さんの夏休みに合わせて、読書感想文に関するお話を多くさせていただきました。
本をよく読む私自身、読書感想文は「本を読む習慣」を身につけるために大切な取り組みだと思います。
ですが、楽しい夏休みを過ごす学生さんたちを悩ませる読書感想文。
紹介させていただいた方法が、読書感想文に悩む学生さん方のお役に立てればと思います。
ぜひ、10代の頃に素敵な作品に出会えるキッカケになれたら幸いですね。
読書感想文のお役立ちリンク
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