ズッコケ中年三人組 42歳の教室戦争
著者 那須正幹
出版社 ポプラ文庫
分類 小説
読みやすさ ☆☆☆読みやすい
30代以上の方には懐かしい物語『ズッコケ三人組』を覚えているかと思います。
勝気なリーダー格のハチベエ、少し頼りないモーちゃん、勉強家のハカセの小学生3人が子ども時代に起きる大人から見て小さく、子どもには大きな事件に挑む児童小説ですね。
今作『ズッコケ中年三人組 42歳の教室戦争』は“ズッコケ中年三人組シリーズ”の第3作目になります。
大人になったズッコケ三人組
コンビニ経営をするハチベエの高校生の長男、内装業者に落ち着いたモーちゃんの中学生の長女の中高生に身近なトラブルに大人になった三人組が向き合う物語です。
独身のハカセは教師の立場上、今回は名サポート役で立ち回ります。
かつては自分の子ども達より幼かった彼らが、親として子どもの問題に向き合う姿は『ズッコケ三人組』を読んでいた私には違和感を感じます。
同時に立場は子どもの親で、大人同士の付き合いとなった3人の関わり合いを見ていると『ズッコケ三人組』時代の関わり合いと大きく違いはないようにも見えます。
友人の大切さ
「三つ子の魂百まで」とことわざにありますが、子どもの頃の本物の友情は大人になっても続くものですね。
本物の友情しか続かないと言うべきでしょうか?
表面上しか付き合っていなかった友人は卒業や就職で離れてしまえば、それで関係は途切れますが心の深い部分まで付き合った友人はいつまでも続くのは大人になったかつての子どもの経験上言えることですよね。
今の時代だから改めて伝える
“ズッコケ中年三人組シリーズ”では、子どもの頃の友人の大切さを改めて今の時代に伝えているんだと思います。
那須正幹の作風も、当時の児童小説から世代を問わず読める日常生活を扱った物語になりました。
変わらないものもあります。
それは、人との関わりの大切さを伝えたい思いです。
書店でたまたま手に取った、第3作目の『ズッコケ中年三人組 42歳の教室戦争』から読み始めましたが、これから1作目と2作目も読み始める予定です。