ハリー・ポッターは前半4部作、後半4部作に分けられる
J・K・ローリングさん(J・K・ローリングさんの紹介〜ハリーポッターを生んだお母さん - 本当に本が読みたくなる読書のブログ)の、誰もが知っているハリー・ポッターシリーズは現在全8作品。
本当に本が読みたくなる読書のブログでは、「大人も楽しめて子どもに読ませたい」をテーマに紹介しています。
ハリー・ポッターシリーズは主人公のハリー・ポッターの成長、ストーリーの展開、物語のテーマで前半4部作と後半4部作に分けられます。
今回は今まで紹介させていただいた作品のあらすじ、登場人物、テーマとキーワードのまとめになります。
あらすじには、作品紹介記事へのリンクもありますので、気になる作品のページへ移動しやすくなりましたよ。
それでは、どうぞ!
前半4部作
『ハリー・ポッターと賢者の石』、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が全4部作にあたります。
出会いと成長 インプットの期間
前半4部作のテーマは出会いと成長にあると思います。
同級生や先生、大人の登場人物の影響を受け魔法の技術だけではなく、考え方やどう生きるべきかを吸収していくハリー。
希望と義務
12歳まで虐待に近い環境で暮らしていたハリー、ホグワーツ魔法魔術学校での生活は希望に満ち溢れたものでした。
校則違反も犯し、他の生徒たちには経験できない危険な体験をハリーは積んでいきます。
それでも、悲惨な出来事や誰かが死んでしまうことは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の最後のシーンまでありません。
自由は制限されていますが、罰則や説教で済まされる。
失敗も許されるのが誰かに見守られている時期でした。
後半4部作
後4部作は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』、『ハリー・ポッターと死の秘宝』、『ハリー・ポッターと呪いの子』です。
後半4部作は、それまでで積み上げてきた登場人物たちとの信頼と経験が試される時期でもあります。
今までの経験が試されるアウトプットの期間
後半4部作では、学校生活の他にも復活した宿敵ヴォルデモート卿の脅威にも立ち向かわなければなりません。
魔法界で恐れられているヴォルデモート卿の存在が、前半4部作と後半4部作を分けているといってもいいでしょう。
手段を問わないヴォルデモート卿の組織に立ち向かうため、ハリーたちは今まで培った経験、信頼を発揮するアウトプットの時期が訪れました。
現実と責任
そして、学年が上がり学校以外でも役割のできるハリー。
自分で考えたことに取り組める自由とは引き換えに、過酷な現実に身を置くことになります。
ハリーや友人たちの判断の誤りで、大切な人が傷つくことも起こります。
自由な現実で負わなければならない責任、大人になっていくハリーを見守りたいのが後半4部作ですね。
ハリー・ポッター前4部作のあらすじ
『ハリー・ポッターと賢者の石』
J・K・ローリングさんのデビュー作でもあり、ハリー・ポッターシリーズ最初の作品が『ハリー・ポッターと賢者の石』。
魔法界では有名でも、一般社会で決して恵まれていない暮らしを強いられたハリー・ポッター。
親戚のダーズリー家で暮らすハリーに届いたのは、ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可書。
初めて会う、魔法界の大きな友人ルビウス・ハグリッドと訪れたダイアゴン横丁には、物語の中の世界が広がっていた。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
ホグワーツ魔法魔術学校の学年末にダーズリー家に戻ったハリー。
連絡の途絶えたハリーを心配するロン・ウィーズリー兄弟の迎えは、何と空飛ぶ車。
ハリーは空飛ぶ車で向かった先のウィーズリー家で始業式まで過ごすことに。
ウィーズリー家で触れた魔法界の家族の日常、そして2年生になったハリーの戻ったホグワーツでは不可解な事件が………。
かつて開かれた「秘密の部屋」が再び開かれたと噂が広がる。
秘密の部屋、そして秘密に隠された謎の正体は…?
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
ホグワーツで3年生になるハリーに知らなければならない過去の出来事が訪れる。
ヴォルデモート卿によって、命を奪われた両親。
魔法界の刑務所アズカバンから逃走中の大量殺人犯、シリウス・ブラック。
新たにホグワーツに赴任した、闇の魔術に対する防衛術の教師リーマス・ルーピン先生。
ハリーの父親ジェームス・ポッターの親友でもあったシリウス・ブラックとリーマス・ルーピン。
彼らと出会うことで知った過去の出来事とは………。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
4年生になったハリーが戻ったホグワーツでは、数百年ぶりに開催される三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)が開催されることになった。
イギリスのホグワーツ魔法魔術学校、ブルガリアのダームストラング専門学校、フランスのボーバトン魔法アカデミーの3校の代表選手が競うトーナメント。
優勝者には永遠に語り継がれる名誉が残る。
この魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)に、参加資格も参加する意思もなかったハリーは参加しなければならないことに………。
望まれた代表選手ではなかったハリー、親友ロンの信頼は嫉妬に、周囲の目は不正の疑惑に変わる。
そして、魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)には恐ろしい隠謀が隠れていた………。
主要な登場人物
無二の親友
恩師
アルバス・ダンブルドア
ハリー・ポッターシリーズに登場する中で、「最も偉大な魔法使い」と尊敬を集めるアルバス・ダンブルドア校長。
校長が大勢の前で魔法を使ったり、ハリーたち生徒を直接指導することはほとんどありません。
特に前半4部作では、始業式の挨拶と校長室での出来事以外は登場シーンも僅か。
その僅かな活躍の中で、ハリーの心を見透かしたように声をかけ、厳しく叱るわけでもなく、優しく手助けするわけでもなく、ただ暖かく見守る存在。
ハリーにお祖父さんがいたのだとしたら、きっとダンブルドア校長のように孫の成長を暖かく見守り、そしてお茶目に楽しんでいたのでしょう。
ミネルバ・マクゴナガル
ホグワーツ魔法魔術学校の副校長、グリフィンドール寮の寮監を務めるミネルバ・マクゴナガル先生。
マクゴナガル先生の担当教科は、魔法の中でも高い技術を必要とする変身術。
マクゴナガル先生の性格をひと言で表すと、「愛のある厳しさ」。
自分の担当する寮からも、校則違反が出るとためらわずに罰する公平さがある。
マクゴナガル先生がなぜ厳しくあるのか?
課題の提出が遅れる、夜間の外出、ケンカ、目にした違反は全て見逃してくれることはありません。
中でも、他の生徒を陥れる行為、不正には特に厳しく接する。
それは、生徒の正しい成長のため。
危機から生還したハリーやロン、ハーマイオニーらに見せる安心した表情と涙が厳しさの中に秘められた生徒たちへの愛情を物語っています。
ルビウス・ハグリッド
ハリー・ポッターシリーズに登場する大人たちの中でも、映画の印象が強烈なのはこのルビウス・ハグリッドではないでしょうか?
ヴォルデモート卿と同年代となると、40〜50代なのでは?
ルビウス・ハグリッドをひと言で表すと「子ども心を忘れない良いおじさん」。
3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』から、豊富な生き物の知識を買われ魔法生物飼育学の教師に抜擢されたハグリッド。
ハリーを見守る大人の立場を忘れ、常に同じ目線で語りかけてくれる姿が印象的。
行動はちょっと頼りないけど、それでも憎めず親しみが絶えない存在。
親代わりの大人たち
シリウス・ブラック
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』から登場する、ハリー・ポッターの父親ジェームズ・ポッターの親友、ハリーの名付け親のシリウス・ブラック。
シリウスの存在は、『アズカバンの囚人』までハリーは知りません。
理由は、無実の罪で魔法界の刑務所「アズカバン」に収監されていたため。
ハリーの危機を救うため命を賭けて脱獄し、親友の息子と再会する幸せを得たシリウス。
脱獄後も無実が証明されなかった彼は再び逃亡生活を送ることになります。
名付け親の役目を果たすため、ハリーの悩みを聞き優しく、そして子どもの目線で接してくれる存在。
彼が子どもの目線でいられるには、青春時代に逮捕され社会と隔絶された環境で長年を過ごしたため。
極端な幸せと最悪の暮らししか知らないんですね。
子ども心を忘れない、常に味方でいてくれる存在のシリウス。
ハリーにとっては、息子目線で接してくれる甘えさせてくれる父親。
リーマス・ルーピン
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で「闇の魔術に対する防衛術」の教師としてホグワーツ魔法魔術学校に赴任したリーマス・ルーピン。
確かな知識と、分け隔てない人柄の優秀な先生でもあるルーピンもまた、ハリー・ポッターの父親ジェームズ・ポッターの親友でした。
人柄の優しいルーピン先生ですが、厳しい一面もあります。
それは、ハリーに生き残るための魔法を教えるときにも現れます。
言葉も態度も優しく接するルーピン先生ですが、ハリーが吸魂鬼ディメンターと戦う「守護霊の呪文」を身につける特訓では、できるまで根気よく教えてくれています。
もし同じ内容の特訓をスネイプ先生が行えば、ただの罰則に思われてしまうほど。
また、青春時代から刑務所「アズカバン」に収監されていたシリウス・ブラックと違い、差別にさらされながら現実社会を生き抜いてきたルーピン。
ハリーに世の中のあり方を語るときには、嫌な現実も包み隠さず伝えています。
ルーピンの厳しさは、ハリーに生き残ってほしいという優しさにあるのだと思います。
ハリーにとっては常に優しく、時に厳しく現実も伝える父親といった存在でしょう。
相入れない相手
ドラコ・マルフォイ
スリザリン寮に所属する同級生でもあるドラコ・マルフォイ。
旧家のマルフォイ家で後継の一人息子として育てられたドラコとの出会いは、ハリーが魔法界を目にしてすぐのことだった。
『ハリー・ポッターと賢者の石』で、ハグリッドと訪れた初めての魔法界ダイアゴン横丁。
そこで目にした、ブロンドの髪の身なりの整った少年がドラコ。
魔法に「もし」があるのなら、友人として語り合っていたかもしれないハリーとドラコを「組み分け帽子」は2つの寮に分けた。
それぞれの進む道が同じではないかのように。
ハリーにとっては、存在そのものが相容れない相手でもありますね。
セブルス・スネイプ
ホグワーツで魔法薬学の教師を務めるセブルス・スネイプ。
ドラコ・マルフォイも所属するスリザリン寮の寮監でもあります。
「ねっとりした長髪」「冷たい目」と、冷酷さが強調されるスネイプ先生はスリザリン寮以外の生徒たちに嫌われる存在。
ひいきとも取られる差別や罰則は当たり前のように行われ、ハリーに対する仕打ちは「目の敵」にしているのが明らかにわかるほど。
そこまでハリーに逆ひいきをするスネイプ先生。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」以降では、ハリーの父親ジェームズと友人のシリウス、ルーピンとの確執があったことが明らかに。
登場人物たちの中で唯一、ヴォルデモート卿を「闇の帝王」と呼ぶスネイプ先生。
物語の中では、その考えを知ることのできないスネイプ先生の本心は後半4部作で明らかになることに…。
ヴォルデモート卿
かつて魔法界を恐怖に陥れ、名前を口にすることも避けられてきた「例のあの人」ことヴォルデモート卿。
彼のもたらした恐怖は、魔法界に暮らす人々に多くの傷と、思い出したくもない負の記憶を根付かせてきた。
ハリーの両親を殺害し、ハリーを手にかけるまさにその瞬間、築き上げてきた恐怖とともにヴォルデモート卿は崩れ去っていった。
そして、残ったのはヴォルデモート卿を失脚させた赤ん坊、生きる伝説として生まれたハリー・ポッター。
ですが、ヴォルデモート卿の存在はこの世から消えたわけではなかった。
時には誰かに乗り移り、またある時はある品物を通じて人の心に入り込み、そして恐怖の記憶の人の中に………
それも、もう記憶の中の存在ではなくなった。
恐怖とともに再び人としての命を取り戻したヴォルデモートの目的は………
重要なキーワード
ハリー・ポッターシリーズの中には、J・K・ローリングさんによって物語の鍵を握るキーワードが散りばめられています。
私的ではありますが、ハリー・ポッターファンとして読みとったキーワードを紹介させていただきます。
望むものは何か?
『ハリー・ポッターと賢者の石』では、魔法の道具の1つで「みぞの鏡」が登場します。
この鏡は、前に立った人の「望むもの」を映し出す鏡。
ハリーが初めて立ったときには、ハリーの傍に笑顔で微笑む両親が立っていました。
次第に鏡の前に立ち、幸せを思い浮かべるハリー。
ある時、ダンブルドア校長が現れ鏡に映ることは現実ではないこと、そして今これならの幸せが大切なことをハリーに諭します。
望むものは、過ぎてしまった過去には無い、それは思い出として残っているだけ。
望むものは、その人の心の中にあり、それは未来に現れるもの。
最終巻で思わぬ形で現れ、物語の鍵を握るヒントでもあります。
記憶は残る
記憶は、本人の頭の中にも、覚えている人の心の中にも残っているもの。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、トム・リドルの記憶でしかない日記に翻弄されたハリーたち。
そして、記憶は持ち主の都合のいいように変化するもの。
都合の悪い記憶はなかったことに、最悪な記憶や幸せな思い出はより鮮明に………
記憶というものは、時間が経つにつれ両極に偏っていくものですね。
この人が持つ記憶、それがヴォルデモート卿の秘密を解くカギになってゆくのは、物語の後半の醍醐味でもあります。
希望と良心
「たられば話」はよくあることですよね。
「もしあの時」、決して過去は変えられない。
それが世の中の常識でもありますが、魔法界では過去を訪れることができる魔法の道具があります。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に登場する「逆転時計(タイムターナー)」。
時計を逆転させることで、過去に訪れることができる、今の私たちが欲しい道具の1つですね。
ですが、タイムトラベルにありがちな「ある危険」を持っています。
それは、過去の自分を消滅させてしまう危険。
ただし、失われるはずだった命を救うことはできるようです。
希望を持って、良心に従うことで、危険な道具や方法も素晴らしい結果をもたらすことがあります。
真実と信頼
ハリー・ポッターシリーズには、謎ときがつきものです。
大人がハリー・ポッターシリーズを楽しむ醍醐味でもありますよね。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』には、「真実薬」と呼ばれる強力な自白剤が登場します。
魔法薬学のスネイプ先生によると、「わずか2〜3滴で闇の帝王(ヴォルデモート卿)さえも、その心の闇をすっかり話してしまうだろう」といわれる強力な自白剤。
前半4作目では、凶悪犯の死喰い人(デスイーター)に使われただけでした。
ハリー・ポッターシリーズの登場人物たちの心の中、本心はときには表に出てこないもの。
それは、登場人物同士はもちろん読者にも知られないようにされています。
本心と真実は同じでも、表れている言葉や態度、行動は真逆であったりもします。
真実薬がなくても、本心を察することはできないものでしょうか?
それは、相手に対する信頼。
信頼を置ける相手であれば、真実はそう裏切らないものではないでしょうか?
ハリー・ポッターシリーズ前半4部作のまとめ
J・K・ローリングさんのハリー・ポッターシリーズは全8作品。
ストーリーの展開と物語のテーマで、前半4部作と後半4部作に分けられます。
前半4部作はハリー・ポッターが魔法の世界を知り、ホグワーツ魔法魔術学校に入学してから、学年の半分にあたる4年生までの物語。
ここまでで、ハリーが誰と出会い、出会った登場人物、経験した出来事から何を得たかが、後半4部作のテーマの答えにもなります。
それぞれの作品でのテーマは、「望むもの」「記憶」「希望と良心」「真実と信頼」です。
それでは、長くなりましたが前半4部作の紹介をまとめさせていただきました。
後半4部作の紹介のまとめに続きます。
ハリー・ポッターシリーズ前半4部作はこちら↓
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ハリー・ポッターシリーズ後半4部作はこちら↓
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ハリー・ポッターシリーズの考察記事はこちら↓
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