禁触 a BOY loves a WOMAN
著者 桜井亜美
出版社 幻冬舎文庫
分類 小説 *18以上かもしれません
読みやすさ ☆☆★読みやすい
最近の本ではありませんが、断捨離で見つけて懐かしさで読んでしまった本がありました。
今回はhanamiが若いときにハマっていた桜井亜美さんの恋愛小説を紹介します。
作家さんの好き嫌いは食べ物の好き嫌いと同じだと思いますが、桜井亜美さんの作品を読んだ方でも好き嫌いがハッキリ分かれますよね、きっと。
物語の中身も好きでしたが、自然の変化も織り交ぜた詩的な表現が感覚的で読むと自分が物語の中にいるような錯覚を覚える文章が魅力的な作家さんですよ。
今回は桜井亜美さんの作品の中でもデビューから後半に発表された『禁触 a BOY loves a WOMAN』を紹介します。
登場人物
どこかで見たことがありそうな登場人物。
椎名倫子~誰もが持つ二面性の高校教師
主人公の高校音楽教師の椎名倫子、40代の夫と高校生の娘と平凡な家庭を営む女性です。
読んでいた時代もあってか清楚な深津絵里さんか松嶋菜々子さんをがイメージしやすそうですね。
椎名倫子さんは表の真面目で家庭的な先生として、母としての顔で女性としての顔を心の奥底に抑えている人物として描かれています。
波瀬瑛~ミステリアスな高校生
少し影のある高校生波瀬瑛、細身で長めの髪型の中性的な容姿、ジャニーズ系でしょうか?
私の勝手な妄想ではジャニーズの滝沢副社長、若いときの滝沢秀明さんを思い浮かべていました。
物語の始まり
物語は主人公椎名倫子が勤務する高校での波瀬瑛との出会いから始まります。
音楽に価値観を置く2人は椎名倫子の心が惹かれ始める形で距離が縮まっていき物語は進みます。
恋愛小説は少しでも内容に触れると物語の流れがわかってしまいそうで難しいですね。
世界観と価値観
登場人物と恋愛小説、そして『禁触 a BOY loves a WOMAN』というタイトルから描かれる世界は禁断の恋愛と想像できてしまいますよね。
禁断の恋愛で描かれがちな女性教師と男子高校生の恋愛。
社会的には許されてはいませんが、なぜか逆のパターンと違い純粋さが残っている気がします。
テーマは?
恋愛小説なので、もちろん「愛」。
愛の中でも個人対個人の愛の深まりを描いています。
性描写が強烈で嫌がられる方もいるかもしれません。
私は男女の関係のときの心の深い部分と体のつながりが表現されていて、リアルに感じますが、変な意味ではなくてです。
先生として、母としての心の外側を覆う椎名倫子の心、そして抑え込まれた女性としての純粋なままの心………。
結末は想像するより、読む方が楽しめますよ。
桜井亜美さんの恋愛小説は映画化もされた作品があり、デビュー後しばらくは10代の女性が主人公の作品が多かったですが、『禁触 a BOY loves a WOMAN』は後半の作品で登場人物も広い年代の方が描かれていますよ。
社会的な風潮からか恋愛小説もピュアな内容が多いですが、非現実的な楽しみとして禁断の恋愛を取り上げる作品もありかなとも思いますよ。
自分が現実でそうしようとは思えませんが、笑。