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幸せで穏やかな暮らしをおくる10個の行い~十善戒(じゅうぜんかい)

超訳仏教の言葉』 鳥沢廣栄

著者 鳥沢廣栄
出版社 株式会社 彩図社
分類 実用書
出版日 2013/3/21


暖かくなり、桜も咲き始めた春。

職場や学校でも変化があると、気分が落ち着かない季節でもありますよね。

そこで、 鳥沢廣栄さんの『超訳仏教の言葉』から、暮らしを見直せる10個の実践 十善戒(じゅうぜんかい)をテーマに仏教の考え方を暮らしに当てはめてみましたよ。


暮らしの中で簡単にできる4つの仏教修行〜四摂事(ししょうじ)

日常生活を送る上で簡単にできる四種の修行法があります。
それが「四摂事(ししょうじ)」です。
中略)
この四種の行為を心がければ、自然にあなたを取り囲む環境がよい方向に向かっていくことでしょう。
また、周囲の人々は、あなたを頼るようになるでしょう。
すぐに結果が出る行為ではありません。
少しずつでいいから、長く続けることが重要です。
やがて習慣化すれば、あなたも周りも心の安らぎが得られるでしょう。
それが四摂事(ししょうじ)の救いなのです。
典籍:雑阿含経、倶舎論
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p94〜p95


仏教の修行というと、座禅や瞑想のようなお寺でしかできない難しいことを思い浮かべます。

超訳仏教の言葉』で紹介されている「四摂事(ししょうじ)」は、普段の暮らしの中の「心がけ」がそのまま修行になる敷居の低い教えです。


分け与える気持ち

①布施:他人に与えることです。与えるものは金品だけではありません。労働力や知識も与えられます。
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p94〜p95

1つ目の「布施」は、お布施のことでもあります。

仏教の活動をされているお寺やお坊さんにお布施をすることは、一般の人が簡単にできる修行といわれています。

お坊さんにだけではなく、周りの人にも「分け与える」気持ちを持つことも、布施の修行になるんですね。


優しい言葉遣い

②愛語:優しい言葉遣いです。乱暴なものの言い方をしないことです。ましてや人を傷つけるような言葉を使わないことです。
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p94〜p95

「愛語(あいご)」は、言葉の通り優しい言葉遣い。

知らない人に対してでも、丁寧で優しい言葉遣いをすることはトラブルを避けるためにも必要ですよね。


10個の良い行い

利行:十善を実行することです。
十善とは、暴力を振るわない、盗まない、性において乱れない、嘘をつかない、ふざけた言葉を使わない、悪口をいわない、二枚舌を使わない、貪らない、妬みや愚痴・羨み・怨みの心を持たない、よく考える、ことです。
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p94〜p95

3つ目は、仏教で実践するように勧められている10個の良い行いのことです。

今回は、花水(hanami)の暮らしに当てはめてみますね。


周りに合わせること

④同事:周囲の人の立場をよく理解し、同じように振る舞うこと。自分に高い能力があったとしても、それを隠して周囲と同化することです。
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p94〜p95

最後は、周りの人に合わせるということです。

誤解を受けないように表現すると、自分の知識や技術、経験を押し出さないで、周りの方の行動に近い程度に合わせるということではないでしょうか?

決して、長時間労働パワハラの風習に合わせたり、いじめに加わったり見て見ぬ振りをしましょうということではないはずです。



十善戒は全て守るのは難しい…


今回は、四摂事(ししょうじ)の中から、十善戒(じゅうぜんかい)という10個の行動を私の暮らしに当てはめてみました。

結果は、全て守るのはとても難しい………


十善戒(じゅうぜんかい)

十善戒とは、①殺生しない、②盗まない、③性において淫らな行為をしない、④嘘をつかない、⑤意味のない流行り言葉を使わない、⑥悪口をいわない、⑦二枚舌を使わない、⑧貪らない、⑨愚痴らない、怨みや妬み羨み怒りの心を持たない、⑩愚かな考えをおこさない、のことです。
この十善戒、確かに人として守るべきルールだと思いますし、多くの方がほぼ守れているのではないかと思います。
しかし、完全には無理でしょう。
特に、愚痴をこぼしたり、妬みや羨みの気持ちを持ってしまうことはありますし、ちょっとした嘘や流行語なども使います。
十善戒を完全に守るというのは無理な話です。
でも、それでもいいのです。
なるべく守ろうと思う気持ちが大切なのですから。
典籍:観無量寿経など
鳥沢廣栄『超訳仏教の言葉』p112〜p113


十善戒は、仏教で実践するように勧められている10個の行いですが、全て守るのは難しい、というよりも不可能といわれています。

もし、守れる方が現れたなら…悟りを開くのと同じことで、仏様になれるからです。

そこで、どのくらい守れているかを4つの段階で当てはめてみました。

◎守れている 1つ
○頑張って守れそう 4つ
△難しい 4つ
×不可能 1つ


①殺生しない ×不可能

1つ目から、とても難しい内容です。

生き物を殺さないで、私たちが生きるのは不可能でしょう。

食事はもちろん、道を歩くだけでも知らないうちに生き物を殺してしまう。

それは、生きるために仕方のないことでもあります。

昔、法事で親戚のうちに来ていたお坊さんの言葉を今でも覚えています。

「私たちは他の命に生かされている。食事をいただく時に、“いただきます”というのは、“私を生かしてくれてありがとう”という感謝を込めましよう」

だから、生き物を殺してしまう代わりに、他の命をいただくことに、感謝しています。


②盗まない ○頑張って守れそう

盗まないこと、品物の窃盗や自販機の小銭のネコババはもちろん、嘘や迷惑で人の気持ちや時間を盗まない。

これは、できていると思います。

1つだけ気になるとすると、盗み聞き、盗み見です。

意図的に噂話の近くにいったり、覗き込んで何かを盗み見ることはありません。

それでも、近くで囁かれていた噂話、落ちていた誰かのメモ書きは思わず聞いてしまったり見てしまうもの、ふとしたときに守れないことでもあります。


③性において淫らな行為をしない ◎守れている

お坊さんではない一般の人の場合は、夫婦やカップルの性行為は認められているようです。

淫らな行為をしないというのは、不倫や浮気、性犯罪を犯さないということ。

私は、守れています。


④嘘をつかない ○頑張って守れそう

嘘をつくこと、今はまだ完璧に守れてはいないです。

仕事の中でも、上手いことを言うこともありますし、言ってしまうと誰かを傷つけてしまうときには嘘をつくこともあります。

せめて、自分のための嘘はつかないようにしています。


⑤意味のない流行り言葉を使わない △難しい

流行り言葉は、難しいですね。

こうしてブログで流行り言葉を使うこともありますし、どうでもいいと思われてしまうことも書いてしまうこともあります。


⑥悪口をいわない ○頑張って守れそう

私は、周りの人の悪口を言うのは嫌いです。

それでも、世の中で好きになれない人や、迷惑な人の悪口を言うこともあります。

せめて、周りの人の悪口は言わないようにしたいですね。


⑦二枚舌を使わない ○頑張って守れそう

二枚舌は、嘘と同じように思われますが「前と食い違うことを平気で言うこと」「矛盾したことを言うこと」とあります。

意見を言うときは、「うまいこと」はいっても矛盾したことを言うことはないかなぁと思います。

そこまで、お話が得意でもありませんしね。


⑧貪らない △難しい

貪らない。

難しいです。

食欲や金銭欲が強いほうではありませんが、「今日はちょっと多めに飲みたいなぁ」と思ったり、ブログの収益を気にすることもあります。

節約も、どちらかというと貪ることに入るのでしょうか?

ある程度、裕福で生活に余裕がないと難しいのかもしれません。


⑨愚痴らない、怨みや妬み羨み怒りの心を持たない △難しい

こちらも、難しいです。

悪口が嫌いなことと同じで、人前で愚痴を言うことはあまり好きではありません。

聞いている方が疲れるかなぁと思うからです。

もちろん私にも、気分のよくないことはありますし、子どもに囲まれている人を羨ましいと思ったり、裕福な生活を送れている人を妬むこともあります。

今すぐには、難しいことですね。


⑩愚かな考えをおこさない △難しい

「愚かな考え」とは、どんな考えなのでしょう。

調べてみると、「因果応報の仕組みから外れた考え」とあります。

具体的には、原因と結果で成り立たない「超能力」や「奇跡」といったことでしょうか?

超能力は、あまり信じてはいませんが、奇跡はあるのかなぁと思います。

例えば、某宗教団体のように奇跡ばかりを信じているわけではありません。

ただ、「できているのか?」判断できないので△難しいとしました。



十善戒は暮らしの中で3つに分けられるのでは?


先ほど、①〜⑩の十善戒を暮らしに当てはめていると、あることに気がつきました。

最初から順番に、「生きていく」「社会で暮らす」「幸せを感じる」3つの段階に分けられていると思います。

そして、最初の方が守りやすくて、後の方が難しくなっています。


「生きていく」ための4つの行い

①殺生しない、②盗まない、③性において淫らな行為をしない、④嘘をつかない

この4つができないと、「生きていく」ことができないのではないでしょうか?

それぞれ、極端になると①殺人・傷害・暴行、②強盗・窃盗、③性犯罪・不倫、④詐欺、いずれも犯罪につながります。

犯罪を犯すと、もちろん裁かれますし、被害者からの復讐を受けることもあります。

その後、収入を得る方法も限られ、「生きていく」のに困るようになるはず。

最低限、「生きていく」のに守らなければならない決まりなんですね。


「社会で暮らす」ための3つの行い

⑤意味のない流行り言葉を使わない、⑥悪口をいわない、⑦二枚舌を使わない

次の3つは、守れないと人に悪く思われたり、信用を無くしたり、人と人とが暮らす社会で居場所をなくしてしまいます。

地域や会社だけではなく、家庭も同じ。

変なことばかり言って、悪口を言って、コロコロと意見が変わる人は家族でも苦労しますよね。

家族や地域で暮らすために欠かせないことなんですね。


「幸せを感じる」ための3つの行い

⑧貪らない、⑨愚痴らない、怨みや妬み羨み怒りの心を持たない、⑩愚かな考えをおこさない

最後の3つは、守れなくても「生きていく」ことも「社会で暮らす」こともできます。

何故なら、全て自分の心の中のことだから。

例えば、誰かを妬んで恨んでいても、その人に伝わらなければ何の変化も起こらないはず。

ですが、自分の心の中はマイナスの気持ちで満たされたまま。

ほどほどをわきまえて、周りの人と比べ合わないで、現実的な考えを持つことで、自分の心を保つことができる。

そうなると、「幸せを感じる」ことができるのかなぁと思います。


幸せのポイントは十善戒の後半3つ

改めて見てみると、暮らしの中で「幸せを感じる」ポイントは後半の3つにあると思います。

私も、⑧貪らない、⑨愚痴らない、怨みや妬み羨み怒りの心を持たない、⑩愚かな考えをおこさないの3つを守ることは難しいですが、ご覧の皆さまはどうでしょう?

守れる方は、多くはないのではないでしょうか?

超訳仏教の言葉』の著者 鳥沢廣栄さんの言葉を借りると、「なるべく守ろうとすふ気持ちが大切」なんですね。

人と比べるて羨んだり、妬んだりしないようにしないとなぁ。



暮らしの中の十善戒(じゅうぜんかい)、いくつできそうですか?


暮らしの中でできる仏教の修行に、四摂事(ししょうじ) という4つの行動があります。

その中の1つ、10個の良い行い十善戒(じゅうぜんかい)を普段の暮らしに当てはめてみました。

結果はご覧の通り。

①殺生しない >×不可能
②盗まない >○頑張って守れそう
③性において淫らな行為をしない >◎守れている
④嘘をつかない >○頑張って守れそう
⑤意味のない流行り言葉を使わない △難しい
⑥悪口をいわない ○頑張って守れそう
⑦二枚舌を使わない  ○頑張って守れそう 
⑧貪らない △難しい
⑨愚痴らない、怨みや妬み羨み怒りの心を持たない  △難しい
⑩愚かな考えをおこさない  △難しい

自身を持って守れているのは、1つだけ。

当てはめてみると、不思議なことに気がつきました。

1つ目の「殺生をしない」は、生き物であらば誰も守れないとして、後半になるにつれて、守るのが難しくなります。

そして、最初から順番に「生きていく」「社会で暮らす」「幸せを感じる」3つの段階に分けられているのかなぁと思えます。

そういう意味で作られたのかなぁ?調べてみたくもなりますね。

ご覧の皆さまは、いくつできましたか?

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