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難しい統計学を分かりやすく解説してくれる本

ゼロからはじめる!統計学見るだけノート


著者 永野清一
出版社 株式会社宝島社
分類 実用書
出版日 2018/6/28


今回の実用書は、取り組む機会は少ないですが実は身近にある「統計学(とうけいがく)」の本です。

数字を扱う機会が少ない方にとっては、聞きなれない分野です。

売り上げや利益の予測などで、普段から数字に携わる方でも避けて通りたい統計学

私も苦手な分野ですが、統計学がとてもわかりやすく書かれている本を見かけたので、紹介させていただきますね。

統計学の復習に手に取った1冊


統計学と聞くと、名前は知っていても分析の専門家がパソコンに向き合いながら取り組む姿が思い浮かびます。

実は、数字の見方とパソコンに入力するデータの選び方を覚えてしまえば、そう難しくなく取り組むことができます。

技術職の私も簡単な統計学は仕事で使うこともあり、ビジネスマンの方でも使う方は多いかと思います。

使っていても、ちゃんと使えているかは不安です。

そこで、改めて統計学を振り返ろうと考えているときに永井清一さんの『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』を見かけて衝動買いしてしまいました。



数学の専門家 永野清一さんの紹介


『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』の著者 永野清一さんは、私たちが実際に「使える」数学を教えてくれる頼もしい専門家の方です。


数学の専門家 永野清一さん

永野清一さんは、個別指導の数学塾「永野数学塾」で大人向けに実用的な数学を教えられています。

永野清一さんは難しい数学とともに歩まれ、東京大学理学部で地球惑星物理学という星の動きを計算することを専門に勉強され、JAXA(宇宙科学研究所)に勤務された経験もあります。


永野清一さんの他の本の紹介

難しい数学の専門家でもある永野清一さんですが、一般向けの本も多く出版されています。

というのも、「永野数学塾」で指導されている内容が「数学を実用的に使えること」を目的とされているからです。

今回は、統計学に関係がありそうな本を3冊紹介させていただきます。



大人のための数学勉強法 ― どんな問題も解ける10のアプローチ



統計学のための数学教室


東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた数に強くなる本 人生が変わる授業



『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』は実用的な構成とイラスト付きの読みやさ


『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』は、表紙のイラストのように本の内容もとてもわかりやすく書かれています。

『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』の構成

・はじめに p2〜p3
・Chapter01 統計学って何? p10〜p25
・Chapter02 統計学でできること p28〜p41
・Chapter03 代表値で特徴を把握する p44〜p71
・Chapter04 標準偏差から割合を求める p74〜p93
・Chapter05 「箱ひげ図」で正確に分析する p96〜p113
・Chapter06 相関係数で関係性を分析する p116〜p147
・Chapter07 仮説検定で論理的な答えを出す p150〜p183
・おわりに p184〜p185
・割合の計算に使える分布表 p186〜p187
・定義がひと目でわかる用語集 p188〜p189

『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』は、「はじめに」で書かれているように、難しい統計学をいかに暮らしの中で活用できるかを目指した本です。

構成も統計学の説明と統計学でできることにはじまり、仕事や暮らしの中で活かす方法へと進みます。

本を読みながら統計学が学べる、とても実用的な本といっていいでしょう。


『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』~難しい統計学をわかりやすく解説

統計学は、名前を聞くだけで複雑な方程式が出てきそうな難しい学問です。

ですが、『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』では本のページの半分がイラストや図解で解説されていて、文章もとてもシンプルです。

難しいことをわかりやすく学ぶことができる、読みやすい本ですよ。



統計学とは何だろう?


それでは、いよいよ統計学の内容に触れてみますね。


統計学とは?

あなたの周りにはたくさんの数字が溢れています。
統計学はそれらのデータをまとめて見やすくし、正しく分析するための学問です。
統計学はいたるところで活用されています。
降水確率やテストの偏差値、平均寿命や野球の打率などはその一部。
知らない間に日常生活の中で使われているのです。
統計学を使えるようになると、現状をより正確に把握できるようになり、課題化英傑への道筋が見つけやすくなります。
Chapter01 統計学って何? p10〜p11

統計学は専門的な学問ですが、私たちの身近なところにありふれています。

毎日目にする天気予報、景気に関する情報は統計学で計算されています。

実は、統計学は最近になってから使われているように思われがちですが、古くは占いや星の動きでも使われてきました。

私たちに「わかる」ようになってきたのは、やはりパソコンなどのコンピュータが身近になってきたからだといわれています。


統計学は難しい?

統計学は実生活に活かすための“道具”です。
プログラミングがわからなくてもパソコンが使えるのと同じで使い方さえ覚えればよいのです。
学者によって検証済みの数学的手法を使い、データを読み解くのが統計学だとも言えます。
中略)
そのため、ここでは、まず統計学が実際に使えるようになることを目標としています。
実生活に活かせるようになれば、自然と統計学を支える理論についても興味が沸くはず。
そうなった時にゆっくりと数学的手法を学んでいけばよいのです。
Chapter02 統計学でできること p28〜p29


私も仕事で、たまに統計学を使うことはあります。

「データを検証した結果」と書類には書いていますが、統計学で使われる数式を覚えているわけでも、頭の中で考えてわかっているわけでもありません。

統計学の「数字の見方」を知っていて、分析する「データを選べる」だけなんです。

統計学を身につけて、暮らしや仕事に活かすポイントは「使い方を知る」ことにあると思っています。

『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』にも、「まず統計学が実際に使えるようになること」が大切と書かれていて、私が身につけた方法も間違ってなかったのかなぁと思いましたよ。


目をそらしたい統計用語~平均値以外は目立たない3つの代表値

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普段暮らしの中で目にするデータを見ていて、目をそらしたくなるのが統計学の難しい数値です。

こうした身近ではない用語は、身近なことと照らし合わせるととてもわかりやすくなります。

そこで、私たちに身近な「平均年収」に当てはめて、平均値、中央値、最頻値の3つの代表値と呼ばれる数値を見てみます。



平均値

統計学では、データの数値を全部足して、データ数で割った数値をさします。
テストの平均点、平均身長、会社員の平均年収など、平均値は、最もなじみの深い代表値です。
Chapter03 代表値で特徴を把握する p48〜p49

平均値は、名前の通りデータ全てを足してデータ数で割った値です。

先ほどのA社の平均年収は403万円でした。

ですが、平均値に騙されてはいけません。



中央値

データを大きい順(あるいは小さい順)に並べた時、真ん中にある『中央値です』。
中略)
中央値は平均値に比べ極端な数字の影響を受けにくいのです。
Chapter03 代表値で特徴を把握する p52〜p53

中央値は、極端に高い・低い数値の影響を少なくするため、データ全ての真ん中の値のことです。

先ほどのA社の年収の中央値は、350万円。

平均値よりも50万円低いことになります。



最頻値

最も登場する回数が多い数字のことです。
中略)
最頻値は、中央値と同じように、極端に大きなデータがあっても影響を受けにくいという特徴があります。
Chapter03 代表値で特徴を把握する p56〜p57

最頻値は、中央値よりもさらに極端な数値の影響を受けにくいといわれています。

データの中で最も多い値のことです。

A社の年収で最も多いのは、300万円。

平均年収よりも、100万円低い収入の方が社内で1番多いことになります。

企業のPRでは、平均年収ではなく年収の最頻値で給料を教えてくれるといいですね。



はじめて統計学に取り組む方におすすめ!


仕事の報告書で、はじめて統計学が必要になった方。

レポートで統計学を使いたいけど、統計学が何かわからない学生の方。

『ゼロからはじめる!統計学見るだけノート』は、イラストと図解付きで読みやすく実践的な実用書です。

はじめて統計学に取り組む方には、ぜひおすすめの本ですよ。

www.yu-hanami.com


もし、明日にでもパソコンを開いて統計学に取り組むほど急いでいる方は、Excelの使い方が具体的に書かれていて、アドインソフトをダウンロードできるこちらの2冊の本もおすすめです。



EXCELビジネス統計分析[ビジテク] 第3版 2016/2013/2010対応 末吉正成


4Stepエクセル統計 第4版 柳井久江




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