本当に本が読みたくなる読書のブログ

読書好きのための本当に読みたい本が見つかる書評ブログです。小説、実用書、ビジネス書ジャンルを問わず紹介。読書にまつわる豆知識のお話、文章の書き方のお話もありますよ。

令和の考える技術図鑑『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』

『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』柿内尚文

著者 柿内尚文
出版社 株式会社かんき出版
分類 ビジネス書、実用書
出版日 2020/6/22
読みやすさ ☆☆★読みやすい


今月の本の紹介は、ビジネス書と実用書のジャンルから柿内尚文『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』を選んでみましたよ。

普段の暮らしに、お仕事と勉強に役に立つ「考え方図鑑」の1冊です。

雑誌の広告欄で見かけた『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』


昨年の終わり頃でしょうか、雑誌の広告欄で気になるタイトルの本を見つけました。

『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』

おにぎりを売ったパン屋さんの成功体験?

本のタイトルを見たときに、「おにぎりを売ったパン屋さんの成功体験?」と思い、すぐに読んでみたくなったんです。

さらに、北国のご当地パン屋さんでおにぎりを販売する店舗があり、もしかしたら?と思い本を読んでみることにしました。


仕事や勉強で使える「考える技術図鑑」

さっそく、本の内容も確認せず購入すると、予想していた内容とはかなり違いました。

もちろん、いい意味でです。

『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』は、有名編集者の柿内尚文さんが手掛けられた、「考える技術図鑑」だったんです。




著者の紹介


『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』の著者は、ビジネス書や実用書の出版で定評のある柿内尚文さんという編集者の方です。

実用書業界の名編集者 柿内尚文さん

著者の柿内尚文さんは、30年にわたり出版業界でお仕事をされています。

現在は、株式会社アスコムで編集局長をされています。

企画に携わったビジネス書、実用書の中で10万部を超えたベストセラーが50冊以上もある実用書業界の名編集者さんなんです。


柿内尚文さんの他の本の紹介

柿内尚文さんご自身が書かれた本は『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』だけですが、編集者として出版に携わられた本は大人気なんです。

『「のび太」という生き方』横山泰行


『はじめての人のための3000円投資生活』横山光昭


『医者が考案した「ラクやせみそ汁」』小林弘之





『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』の構成と読みやすさ


『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』は、シンプルな5章構成で、読みやすい実用書です。

本の構成

・はじめに p3〜p21
・この本のトリセツ p22〜p23
・第1章 「考える」について最初に知ってほしい3つのこと p30〜p54
・第2章 「考える技術」で未来は変えられる p56〜p84
・第3章 「考える技術」を思い通りに使いこなす p86〜p191
・第4章 頭の中をクリアにする「思考ノート」のつくり方 p194〜p224
・第5章 「考える技術」がさらに上がる習慣 p226〜p264
・おわりに p265〜p270

『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』のページ数は270ページと実用書の中では「少し厚め」の本です。

構成は5章あり、「考える」こととは何か?の第1章。

第2章では、「考える技術」を磨くことのメリットが書かれています。

他の章に比べてページ数の多い第3章では、「考える技術」の具体的な方法が解説されています。

第4章では、著者の柿内尚文さんが実践されている「思考ノート」が紹介されていて、お仕事や勉強ですぐに取り入れられる便利な方法です。

最後の第5章は、「考える技術」を暮らしの中で磨ける習慣つくりが紹介されています。

それぞれの章は30ページほど、ページ数の多い第3章もテーマに合わせて30ページほどにまとめられています。


☆☆★読みやすい

『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』は、ビジネス書や実用書の中でも「読みやすい」本です。

普段本を読む機会の少ない方でも、お仕事の合間や通勤時間に1日1時間読み進めると、4〜5日で読むことができます。

「考える」とは何か?の3つの答え


それでは、いよいよ本の内容に触れさせていただきます。

まず、「考える」とはどういうことなのでしょうか?

「考える」ことは「広げる」+「深める」

「考える」ことについてまず、最初に知っておいてほしいこと。
それは、「考えるとは『広げること』と『深めること』である」ということです。
「広げる」とは、可能性を考えていくことです。いままで存在しなかったものを生み出したり、新しい価値をつくっていくことでもあります。
「深める」とは、本質的価値を考えていくことです。「そもそも」を考えることでもあります。
p30〜p33 第1章 「考える」について最初に知ってほしい3つのこと

花水(hanami)のように会社員をされている方がお若い頃、今若手で頑張られている会社員の方は、こんなことを言われたことがありませんか?

「考えが浅いなぁ」

考えることは、物事の本質を見抜くまで掘り下げることが正しいと言われていました。

柿内尚文さんによると、それは半分だけ正解。

考えることは、物事の関係を見つけるための「広げる」ことと、物事の原因を見つける「深める」ことの2つがあると書かれています。


「考える」と「思う」は違う

人間は1日に6万回、何が考えているという説があるそうです。
その中身をひも解いていくと、毎日の6万回の思考は「考える」と「思う」に分けられ、そのほとんどは「思う」で占められているのではないでしょうか。
「考える」と「思う」の違い、説明できますか?
「思う」は頭に浮かんでくる、感じること。
「考える」は目的のために意識的に思考すること。
p36〜p37 第1章 「考える」について最初に知ってほしい3つのこと

人間は1日に6万回何かを考えていて、その中のほとんどは「思う」こと。

これも、当てはまることかなぁと実感できます。

出来事について「考える」ようで、実は私個人の感想であったり思いだったりする。

「考える」ことは、意識的に考え方の方法を使って答えを見つけることなんですね。


論理的思考だけが「考える」ことじゃない

考える=「論理的思考」と思われがちですが、実は「考える」には「論理的に考える」と「非論理的に考える」の2つがあります。
論理ではなく、直感や思いなど、非論理的なところからはじめる思考法は、先が見えないいまの時代を生きていくうえで、より求められていると思います。
「考える」ときには「遊び心」も加える。
それが「非論理的に考える」ための大事なポイントです。
「論理」と「非論理的」の両方を手なづけることで、自分の「考える力」をレベルアップさせていくことができます。
p40〜p47 第1章 「考える」について最初に知ってほしい3つのこと

こうして本の紹介をさせていただいている私は、どちらかというとじっくり考えることが苦手な方です。

ブログの企画なども、ふと「思いつき」で閃いたことがほとんど。

どこから出てきたかわからない「思いつき」は、なぜか?をすぐに説明することができないので非論理的なのでしょう。

今までは、こうした非論理的な「思いつき」は「考える」思考というより、「閃く」発想だと思っていました。

柿内尚文さんによると、実は筋道を立てて「考える」論理的思考、ぱっと「閃く」非論理的な考え、どちらも「考える」ことに変わりはないそうです。




非論理的な「考え方」が新しいアイデアを生む。考えを「広げる」「深める」2つの方法


先ほど私の体験で書かせていただいた、ぱっと「閃く」非論理的な「考え方」は、新しいアイデアが生まれる方法と本の中でも書かれています。

その方法を2つだけ、紹介させていただきますね。

考えを広げる「あったらいいな」

「考える」と「論理的」はかなり相性がいい組み合わせです。なので、思考はどうしても論理的に進んでいきがちです。
非論理的に考えるためにな、意識的に「考えを飛ばす」ことが必要になります。そんなときに使えるのが「あったらいいな」です。
「あったらいいな」の使い方は簡単です。
人はなにかを考えるとき、やれそうなこと、実現できそうなことから考えがちです。「あったらいいな」は、そういう現実や可能性を1度取っ払って、ドラえもんひみつ道具を頼むのび太くんになったつもりで「あったらいいな」を考えてみてください。
その「あったらいいな」をゴールに設定し、あとはそこまでの道のりを、他の思考法を活用しながら考えてきます。
p140〜p146 第3章 「考える技術」を思い通りに使いこなす

話題になる人気商品は、お客さん目線の「あったらいいな」のアイデアから生まれたものがたくさんあります。

非論理的な考え方で有名な「あったらいいね」は、現実や可能性を1度取り払って、先にゴールを決めて、他の方法で道のりを考えると書かれています。

「あったらいいね」は、考えをとにかく広げること、夢を思い浮かべるような発想の方法なんですね。


考えを深める「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」

人がなにかに関心を示したり、興味を持つのはどんなものか、考えるときのキーワードが「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」です。
「自分ゴト」は自分の関心があること。
「あなたゴト」は家族、友人、会社の同僚など、自分と関係が深い人や自分に近しい人に関係があること。
「社会ゴト」は社会的関心や流行などです。
この3つの要素が重なると、人の興味はグッと高まります。商品やサービスならば、それを購入したくなります。
p160〜p163 第3章 「考える技術」を思い通りに使いこなす

「あったらいいね」で考えを広めたら、次はそのアイデアを深める「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」が役に立ちそうです。

ポイントは、「関心・興味」が「重なる」こととあります。

例えば、最近の除菌グッズの話題は自分にとっても、大切な人たちにとっても、普段はあまり接することがない社会にとっても関心があること。

だから、除菌グッズは次々と世の中に出回るんですね。


考える方法を組み合わせる

考えを広める方法には、「かけあわせ法」「数珠つなぎ連想法」。

考えを深める方法には、「ポジティブ価値観」「すごろく法」などが紹介されています。

柿内尚文さんは、1つの方法にとらわれず、「あったらいいね」で思いついたアイデアが世の中に広まるかを「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」で調べ、「すごろく法」で道のりを考える。

本に紹介されていた「考える技術」だけでも、いくつもの組み合わせが生まれてきます。




実用的な考える技術図鑑の『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』


『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』をひと言で紹介させていただくとしたら、こんな呼び方かなと思います。

実用的な考える技術図鑑

具体的な考える技術は実用的

本の中では、考えを広める「あったらいいな」、考えを深める「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」、物事の筋道を立てる「すごろく法」など具体的な考える技術が取り上げられています。

著名人も実践していて、普段の仕事や勉強ですぐに使える方法ばかりです。


ビジネス書や実用書の名編集者の著者

紹介されている考える技術は、編集者として本の企画に携わる柿内尚文さん自身が実践している方法やビジネス書の著者が長年取り組んでいる方法です。

実際に世の中で取り組まれていることなので、信頼性は十分です。


スキマ時間に読める読みやすさ

本の構成も、テーマに合わせ30ページごとに区切られています。

通勤通学時間やテレワークの合間、お昼の時間に読み進められるので、スキマ時間に読みたくなる1冊ですよ。



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