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「疲れない体」と「折れない心」のつくりかたはレジェンド葛西紀明さんが知っていた

40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方

著者 葛西紀明
出版社 東洋経済新報社
分類 ビジネス書、実用書
出版日 2017/12/28


レジェンド葛西紀明さんの『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』を手に取ったのは、「平昌オリンピック2018」のジャンプ競技が終わった後でした。

葛西紀明さんは、現役選手のお父さんくらいの年齢でありながら現役で活躍されるアスリート。

ジャンプ競技の技術はもちろん、ルールや大会の仕組みも変化が激しい現代。

年齢を重ねながら現役でいるためには、変化に対応するとともに体と心を健康に保つ必要がありました。

ビジネスマンの方にもお勧めしたい実用性の高い1冊

みなさんの中に「結果が出ない」と感じている人がいるならば、それは「努力の方向性」が間違っているのかもひれないのです。
そして、私が強調したい「もうひとつの正しい努力」というのは、「自分がやっている努力が、はたして年齢に見合った努力なのか」という点です。
これは、多くの人にとって盲点かもしれません。
はじめに p9


「努力の方向性」というのは、葛西紀明さんの本のテーマでもあります。

仕事や勉強、暮らしの中で成果が出ないことは当たり前のことでもあります。

「努力しているのに」と努力の量は十分だったとき、方向性はどうだったでしょうか?

例えば、プレゼンテーションを身につける場合、セミナーに通う、本を読んで独学する、上手な人のプレゼンを真似る、試行錯誤を繰り返すといくつかの方法があります。

試行錯誤を繰り返しても、成果が出ないとき、もしかすると本を読んで独学した方が身につけやすいのかもしれません。

努力の方向性は、仕事や勉強、スポーツやダイエットなど幅広い分野に当てはまる考え方で、もちろんビジネスにも応用することができます。



レジェンド葛西紀明


スキージャンプ競技葛西紀明さん、10代の方から60代の方まで多くの方に知られているアスリートです。


葛西紀明さんの経歴

葛西紀明さんについては、経歴の説明が不要なほど有名なアスリート。

スキージャンプ競技で、日本代表が団体金メダルを取った長野オリンピックから活躍されている現役のジャンプ選手。

「レジェンド」と呼ばれるのは、ご自身の目標にされている個人の金メダルを獲得するまで諦めない不屈のスポーツマンシップを讃えられてのことでしょう。


葛西紀明さんの本の紹介


『夢は、努力でかなえる。』


葛西紀明のレジェンド・ストレッチ: 下半身を柔らかくすれば10歳若返る』



「体」「心」の2つのパートで構成、図解で読みやすい


『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方 』はタイトルにある、「疲れない体」と「折れない心」の2つのパートで構成されています。

図解や画像も多いところが読みやすさのポイントでもあります。


「体」と「心」の2パートで構成

はじめに p1〜p12
第1章 これだけで効果絶大!「疲れない体をつくる」葛西式5大メソッド p25〜p92
第2章 40歳を過ぎても「太らない体」を手に入れる!葛西式「最高の食べ方&飲み方」 p93〜p130
第3章 「おいない体」は下半身がつくる!葛西式「下半身強化トレーニング」&「ストレッチ」p131〜p151
第4章 「折れない心」は「3角形の法則」で手に入れる!葛西式「メンタル強化メソッド」 p153〜p188
第5章 心が劇的に強くなる、本番で最高の成果が出せる!最強の「イメージトレーニング」と「呼吸法」を初公開 p191〜p219
特別付録 葛西式「疲れない体」と「折れない心」をつくる30のコツを一挙公開! p220〜p224
おわりに p225〜p228

『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方 』は5章で構成されています。

第1章から第3章までが「体の鍛え方」、第4章と第5章が「心のコントロールの仕方」と2部構成になっています。

1つ1つの章のテーマがハッキリとしているのも、必要な内容だけ読みたいときに向いていますね。


ボリューム満点でも図解で読みやすい

『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方 』は228ページとボリューム満点。

他のアスリートの方の著書と比べても30〜50ページほど多いのではと思えます。

ですが、図解が多くカラーの太字とマーカーがあり読書をされない方にとっても読みやすいと感じるはずですよ。



折れない心をつくる「3角形の法則」

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レジェンド葛西紀明さんが、長年プロスポーツの世界で活躍できる秘訣。

「気持ち」「メンタル」のコントロール方法を「三角形の法則」と呼んでいます。

『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』の「気持ち」「メンタル」のコントロールでは、3つの取り組みで気持ちを安定させる「守り」のコントロールといわれています。



「脳を疲れさせない」ためには仕事をしすぎない

「競技(仕事)のことは一切考えない時間」をつくる
私は日ごろから「練習をしすぎない」ための工夫をいろいろしていますが、それの同時に「今日のこたは一切考えない時間」もできるだけつくふように努力しています。トレーニングをしないというだけでなく、スキージャンプそのものを考えない時間です。
中略)
休みの日だからといって、家でゴロゴロしているだけでは、どうしても仕事のことが頭をよぎり、「脳を休ませる」ことができません。
「趣味に没頭する」「家族や友人と出かける」など、仕事のことを考える隙のない環境に身を置くことが大切です。
第4章 「折れない心」は「3角形の法則」で手に入れる!葛西式「メンタル強化メソッド」 p166

「年齢に合った努力」によって成果を得るためには、体はもちろんですが気持ちも疲れさせては成果につながらない。

私も、かつては努力至上主義のような考えでそこそこの成果は出せていましたが、仕事に関すること以外全ては不十分でした。

今では、そこまで仕事に没頭するよりも適度が大切だと思えます。

仕事のことを「考える隙のない環境」は大切ですよね、仕事のことが頭から忘れてしまうほど何かをすることを見つけられるといいですね。


「プラス思考」には笑顔といい言葉

「いや」「やだ」「違う」など、あらゆるマイナス言葉をできるだけ使わないように心がけています。マイナス言葉を使ってしまうと、頭の中もマイナス思考に無意識のうちに引きずられてしまうからです。
これは自分に対する言葉だけではありません。他人に対しての言葉も同じです。
第4章 「折れない心」は「3角形の法則」で手に入れる!葛西式「メンタル強化メソッド」 p174


マイナス思考の花水(hanami)は、よくマイナス言葉、ネガティヴ言葉を使っていました。

今では、意識してマイナス言葉を使わないようにしていますが、マイナス思考なのは変わらずです。

マイナス言葉がマイナス思考を生むのか、マイナス思考だからマイナス言葉が自然と出てくるのか………

この部分は、私はマイナス思考だからマイナス言葉が自然と出てくるのだと思います。


「ワクワク感」を持つには原点に帰る

「ワクワク感」を呼び起こすために、私がまずやっているのが「原風景を思い出す」ことです。
中略)
誰にでも、必ず仕事を始めた理由(原体験)があります。そこには、決して「マイナスの感情」はなかったはずです。
第4章 「折れない心」は「3角形の法則」で手に入れる!葛西式「メンタル強化メソッド」 p182


仕事に限らず、原点は大切ですよね。

仕事ではありませんが、私がこうしてブログでWebライターのようなことをしている原点。

20代前半で無料ホームページでオリジナルの小説と日記を公開していました。

その前には、高校生の頃にメールでオリジナルの小説を書いては転送していましたね。

さらに昔、中学生の頃にも似たようなことをしていて手書きの物語や詩を勝手に教室に置いたりしていました。

そして小学生の頃に戻ると、読書家の担任の「あすなろ先生」に出会い物語を読む楽しさを知り、作家さんかジャーナリストになりたいなぁと思っていた花水由宇。

そこが原点なのかなぁと思えます。



最高の成果を出せる「攻めるメンタル」

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「三角形の法則」は気持ちを安定させる「守り」のコントロールでした。

もう1つの方法は、「攻めるメンタル」と呼ばれる2つの取り組みです。


不安を減らすイメージトレーニン

前章で述べた「3角形の法則」を見つけ出すことで、「折れない心」をつくるための心を「守る」耐久力が身についていったと感じています。何度敗れても、ちょっとやそっとのことではへこたれず、負けずに立ち向かう心です。
中略)
しかし、本番で実力を発揮し、最高の成果を出すには、積極的に「攻める」メンタルの強さも必要だと感じていました。
中略)
では、どうすれば大切な本番で、もてる実力を発揮し、最高の成果が出せるのか。
試行錯誤の結果、ポイントは次の2点にあることに気がつきました。

「不安な気持ちを取り除く」

「緊張感をゆるめる」

第5章 心が劇的に強くなる、本番で最高の成果が出せる!最強の「イメージトレーニング」と「呼吸法」を初公開 p192〜p193

イメージトレーニングで最初に行うことは、理想の自分をまず思い浮かべること。

このときには抽象的なイメージでかまわないそうです。

次に、具体的に「どのような理想の姿」なのかをイメージします。

さらに、その「理想の姿」に向けての日々を頭の中で映像化していきます。

最後、葛西紀明さんは「最高のゴールをイメージ」してプラス思考で終わることを最も大切にしています。

いかがでしょう?

普段から妄想というイメージトレーニングに慣れている私は、イメージすることは簡単にできそうです。

ですが、最後はできそうにありません。

最低の結果と悲観的なマイナス思考なら、簡単にできるのですが………。

ちょっと難しいですね。


緊張を取り除く最強の呼吸法「レジェンド・ブレス」

雑誌などの取材で「緊張感をゆるめるコツ」を問われると、「呼吸法」とだけはお話しするものの、詳細は永らく「企業秘密」にしてきました。
でき」ば秘密にしておきたい気持ちもあるのですが、同年代のビジネスパーソンの方々には、ぜひ本番で力を発揮してほしいので、特別に私が考案した「最強の呼吸法」、名付けて「レジェンド・ブレス」を初公開したいと思います。
第5章 心が劇的に強くなる、本番で最高の成果が出せる!最強の「イメージトレーニング」と「呼吸法」を初公開
①鼻から思い切り吸い込む
②息を吸い込んだまま5〜10秒間息を止める
③「もう限界」と思ったところから、さらに息を吸い込み、5秒間息を止める
④口角を上げ、歯のすき間から少しずつ息を吐く
⑤ゆっくり息を吐き終えるとや自然とドキドキがおさまっている
p209〜p210

イメージトレーニングに比べて、こちらは取り組みやすいでしょう。

「レジェンド・ブレス」

名前はすごく好きなのですが、謙虚な葛西紀明さんは自身の方法をレジェンド●●と表現したくはなかったのかもしれませんね。

ですが、わかりやすい方法と表現ですぐに取り組めるレジェンド・ブレス、プレゼン前に役に立つことは間違いなしですね。



レジェンド葛西紀明さんの本はビジネスマン、ダイエット中の方にでお勧めできる1冊


今回はスキー・ジャンプで大活躍されているレジェンド葛西紀明さんの『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れないから体」と「折れない心」のつくり方』を紹介させていただきました。

『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』は、「体を鍛える」ことと「心をコントロールする」ことの2部構成です。

今回は、「心をコントロールする」ことに着目してみました。

おすすめしたいのは、努力に悩まれている方。

そして、今回は紹介しておりませんが、ダイエットに役立つ内容も多く書かれていますよ。


努力が報われないビジネスマンの方

努力が報われない………ビジネスマンの方の抱える悩みでもあります。

私と同世代の社会人中堅世代に多い悩みなのではないでしょうか?

努力が報われないとき、気持ちをどう保つかが大切になりますよね。

そこで、葛西紀明さんの「三角形の法則」で心をコントロールする方法を試してみてはいかがでしょうか?


ダイエットに取り組む方

今回紹介していない内容で、ダイエットに関する実践例が非常に多く取り上げられています。

中にはチョコレートもほどほどであれば、ダイエットの役に立つこと。

お酒の飲み方の内容もあります。

痩せにくくなる年代にさしかかった私たち、同じ世代を経験した葛西紀明さんの実践例。

読んでみる価値はあると思いますよ。


それでは、今回はレジェンド葛西紀明さんの言葉で締めくくらせていただきますね。

人生は「トーナメント戦」ではなく、やり直しがきく「リーグ戦」です。
勝ったり負けたりしながら、時には歓喜し、時には悲観にくれるーそんな波をくり返すのが人生です。
勝ちつづけられる人がいないのと同時に、努力するかぎり負けつづける人もいません。
どんなに失敗しても、何度敗れても、諦めずに続けていれば、必ず報われるときが来ることを私は知っています。
おわりに p226

www.yu-hanami.com




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