『超訳 努力論』の概要
著者:幸田露伴
訳者: 三輪裕範
出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン
分類 :思想・哲学、生き方の実用書
出版日:2013/11/30
本当に本が読みたくなる読書のブログをご覧のみなさま、こんばんは花水由宇(hanami yuu)です。
今日は私が5年ほど前に見つけて手にとった、人生の教科書を紹介させていただきますね。
「人生の教科書」には『超訳 努力論』がおすすめ
「人生の教科書」
そういう本があるならぜひ読みたい。
でも、人生はその人それぞれで、世の中の人全てに共通する教科書は決められないはず。
そう思い、人生の教科書を探していた時期がありました。
「人生の教科書」がないなら作ってみる
「人生の教科書」、当然ですがこの世に存在しませんよね。
もちろん、無いのも知っていました。
たった1冊の本、たった1人だけの考えで道を照らせるほど、楽な道ではないはず。
それでも欲しい、そう思ったときに「ベースになる本を探して、出会った人の考えを綴っていこう」と閃きまた。
真っさらの0からではなく、土台だけは共感できる本を見つけて、そこに書き加える。
そのときに目に止まったのが『超訳 努力論』でした。
幸田露伴と三輪裕範
幸田露伴は明治の文豪として、文学好きには知られている小説家です。
幸田露伴の略歴
原著『努力論』の著者、幸田露伴は何と江戸時代から昭和の時代までを生き抜いた小説家です。
作品が多すぎて書ききれませんが、『水の東京』などは名前を聞いたことはあるのではないでしょうか?
幕末の戊辰戦争の中を幼い体で生き抜いた後は、学生時代から文学に親しまれていたようです。
専門学校を卒業後は、現代の公務員にあたる電信技師という仕事につきましたが20歳の頃に作家としての活動を始めました。
同じ世代の文豪、尾崎紅葉と「写実主義の尾崎紅葉、理想主義の幸田露伴」と呼ばれ文学の一時代を築いたといわれています。
その後は多くの作品を送り出した功績で、京都大学で講師につきましたが奥さんの介護もあって、僅か1年でやめてしまったようです。
ちなみに1911年の『滑稽御手製未来記』では電気自動車、非接触充電(inductive charging)など100年後の未来の技術に触れているところも興味深いところですね。
あと作家さんには「さん」をつけている花水(hanami )ですが、幸田露伴は呼び捨て、失礼じゃないんですか?
一応、幸田露伴は偉人の中に入ると思うので、今回はそのまま読んでいます。
『超訳 努力論』の構成と読みやすさ
原著の『努力論』は書かれている言葉も難しく感じる本でした。
『超訳 努力論』は、現代風にわかりやすい言葉が使われているとても読みやすい本です。
『超訳 努力論』の構成
まえがき
第一部 努力論
Ⅰ 努力で運命を切り開く 001〜020
Ⅱ 幸福を引き寄せる 021〜045
Ⅲ 目標に向かって進む 046〜069
Ⅳ 無理のない生き方をする 070〜083
Ⅴ 自分の「気」をコントロールする 084〜109第二部 終身論
Ⅵ 高級な感情を育てる 110〜149
Ⅶ シンプルな生活を送る 150〜177
Ⅷ 自分と人の能力を伸ばす 178〜200
Ⅸ 事業を発展させる 201〜212
Ⅹ 人間関係を築く 213〜233
『超訳 努力論』の構成は、『努力論』と『修身論』の二部構成になっています。
数字のⅠ〜Ⅹまでが1つの章になっていて、扱うテーマがまとまっているので読むペースに合わせて区切る目安になるでしょう。
原著もそうですが、第一部の『努力論』では自分の内面と向き合い生き方を選択することがテーマ。
第二部の『修身論』では、自分に加えて周囲の人との人間関係も含めた生き方がテーマです。
1ページには、1つのテーマの格言と超訳があります。
空白も多く、1ページの文字数は200〜400文字とかなり少なめ。
書き込みをするには、最適な本だと思いますよ。
『超訳 努力論』が人生の教科書にお勧めの理由
人生の教科書の条件で私は3つの実用性の高さを求めていました。
現代風に訳されている実用性の高さ
①暮らし全般で広く浅い内容 、②「生きる」という基本を抑えている、③適度な空白と見やすいページ、というという条件でした。
この3つを実用性に当てはめると、①②が「本の内容が活用できるか」の実用性、③が「書き込み用の本」としての実用性になります。
1つ目の「内容が活用できるか」の実用性です。
「昔の考えを今の時代に使えるの?」と思うのは当然です。
特に戦争前後の考え方も含まれているわけですし。
ですが、同じ時代に書かれた人気のベストセラー『君たちはどう生きるか?」は今の時代に合った考え方を伝えています。
最近世界中でも取り入れられている仏教関連の考え方の本、仏教の教えはお釈迦様が直接教えを説いていた時代では2000年も前のもの。
人の悩みや、辛く感じることが変わらない限り、基本的な考え方の元は変わらないのではないでしょうか?
さらに、現代の日本社会に合わせてビジネス界を生き抜いてきた三輪裕範さんのよって現代風に訳されているのも実用性が高い理由になります。
もう1つ、「書き込み用の本」としての実用性です。
こちらは、1つのページが1つのテーマになっていることと、空白が十分にあり実用性が高いのは間違いないでしょう。
人生の教科書におすすめの2冊の本
『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』鳥沢廣栄
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『しょせん幸せなんて、自己申告。』綾小路きみまろ
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