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新社会人の後輩を教えるときにも役に立つ「仕事の教科書」

世界一シンプルで世界一成果がでる トヨタ流仕事の教科書

著者 石井住枝
出版社 アチューブメント株式会社
分類 ビジネス書
出版日 2016/4/26


先日、新社会人の方向けの「仕事の教科書」として『世界一シンプルで世界一成果がでる トヨタ流仕事の教科書』を紹介させていただきました。

この本は、社会人2年生の方が後輩に仕事を教える場面で役に立つことも書かれています。

対象も社会人1〜3年目向けとあり、ご自分の仕事を振り返る機会にもなるかと思います。



社会人2年生の先輩が後輩に教える目的


職場で1年間働いた、社会人2年生の先輩が新社会人の方に仕事を教える機会もあるでしょう。

企業や部署として社会人2年生の先輩が新社会人の方に仕事を教えるように取り組んでいるのなら、目的は2つあります。

もし、たまたまだったら、それはご自身の成長のために次の2つの目的を持つといいと思います。


仕事の振り返り

1つは、自分の仕事の振り返りになるからです。

誰かにわかりやすく教えるためには、自分が仕事の目的から手順までを、よく理解していなければなりません。

後輩が理解できるように、今の仕事の流れをまとめるのは、ご自身の仕事の振り返りにもなりますよ。


新社会人の悩みが理解しやすい

もう1つは、去年は新社会人だった社会人2年生の方は働きたての新社会人の方の悩みが理解しやすいためです。

これは、年齢が近いだけではなく、今まさに取り組んでいる仕事だからです。

指示を出している課長や部長の立場では、仕組みは分かっていても経験したのは数年以上前の仕事。

新社会人の方が、どこでつまずきやすいのかを細かく把握できるのは、ついこの前同じような悩みを抱えていた先輩だからでしょう。



『世界一シンプルで世界一成果がでる トヨタ流仕事の教科書』がおすすめの理由は「実用性」「実績」「読みやすさ」の3つ


自分の仕事を振り返り、新社会人の方をサポートする先輩にも『世界一シンプルで世界一成果がでる トヨタ流仕事の教科書』はうってつけの本です。


マネしやすく実用的

タイトルには「トヨタ流」とありますが、トヨタ独自の取り組みが紹介されているわけではありません。

仕事に必要な基本的なことがまとめられている、まさに教科書。

基本的なことと聞くと、新しい発想や画期的な取り組みに比べてつまらなくも思えますよね。

基本的なことには、1つだけ大きなメリットがあります。

それは、「マネしやすい」ということ。

海外の企業や成功したベンチャー企業での画期的な取り組みを仕事で活かそうとしても、上司や先輩に受け入れてもらいにくいこともあります。

理由には、上司や先輩にとって「身近ではなく」「知らない」ことがあります。

基本的なことであれば、「なるほど、それは大事だ」と誰にでも受け入れてもらいやすく、マネして取り入れることもできます。


世界のトヨタで実績のある方法

もう1つ、世界的な大企業の中でも日本人が経営から現場まで中心になって働いているトヨタで実践されている取り組みというのも大切なポイントです。

実践している方が多い方法は、それだけ信頼性があり、確実な方法といえます。


シンプルな文章と豊富な図解

そして、3つ目が1番大切です。

それは、読みやすい文章で理解がしやすい本ということ。

社会人2年生となると、任される仕事も多く本を読んで勉強をする時間は少なくなるでしょう。

通勤時間や休憩時間に、少しずつ読み進めて1回読んだだけで内容を理解しやすいのは若手ビジネスマンにとって大切なポイントです。



後輩へのアドバイスに使える「視える化」「PDCA」「ほめ言葉とねぎらい」

「視える化」で後輩の悩みの原因をさぐる

「視える化」からカイゼンを導くプロセスを説明しましょう。
まずは、あなたが現在従事している作業をリストアップしてください。各業務の内容や毎日ルーチンで行なっていることも含めてやすべて洗い出してみてください。
そのあと、次の質問に答えてください。

・毎日処理していることは、いくつありますか?
・それぞれに何分かかっていますか?
・1時間で処理件数は何件ありますか?
・毎日、何枚コピーをとりますか?
・毎日、何件メールを送りますか?

こう尋ねるとわ改めて計測しなければや答えられる人はなかなかいないと思います。

第5章 「視える化」で問題点を把握し標準化する p106〜p107

後輩が仕事でつまずくこと、的確にアドバイスができて、後輩の悩みが解決できたらお互い働きやすくなりますよね。

そこで、役に立つのが「視える化」の取り組みです。

石井住枝さんの「視える化」は徹底していて、数値で測ることを進めています。

新社会人の後輩が仕事が終わらず悩んでいたら、1日に処理する仕事は「何件」あるのか?

1つの仕事に「何分」かかるのか?を2人で確認してみましょう。

少し面倒な先輩と思われるかもしれませんが、悩みが解決できたとしたら……それも帳消しになることでしょう。


PDCA」で仕事の流れを見直す

よく知られていることですが、トヨタの業務は「PDCA」のスパイラルで進めます。「PDCA」とは、
・「PLAN(計画する)」
・「DO(実行する)」
・「CHECK(検討する)」
・「ACTION(挑戦する)」

の頭文字をとったものです。
「P→D→C→A」で1つのサイクルですが、1回で完了するのではなく、次につなげていくスパイラルで進んでいくことが大切です。

第5章 「視える化」で問題点を把握し標準化する p120〜p122

PDCA」は、今更説明しなくても取り組んでいる方も多いのではないでしょうか?

これは、後輩に仕事を引き継ぐときにとても役に立つ方法です。

これから引き継ぐ仕事を、「PDCA」に当てはめてみましょう。

もしかすると、今まで気がつかなかった問題点に気づくことで仕事の効率化が図れるかもしれませんよ。


「ほめ言葉とねぎらい」のポイント

私ができる人を見ていて「なるほど!」と思うのは、自然に感謝の気持ちが口に出て、その言葉のフレーズやタイミングも絶妙だということです。
「ねぎらい」と「ほめる」の使い分けも上手です。
「ねぎらい」は、立場に関係なく素直な気持ちを表現します。

「ありがとう」
「お疲れさま」
「よく頑張ったね」

一方、「ほめる」は、基本的に上の立場の人が、下の位置にいる人の成果や行動を評価するときに言う言葉です。

「よく目標を達成したね」
「いいところに気がついたね」
「君に任せておけば安心だ」

中略)
また、リーダーがスタッフをほめたりねぎらう気持ちは伝染してわチーム内にもいい空気が流れ、チームみんなのモチベーションアップにつながります。

第7章 チームを動かす「リーダー力」を鍛える p168〜p170

最後のポイントは、職場の人間関係に影響する大切なことです。

私は、今では「飲みニケーション」は否定的ですが、それも職場の人間関係を保つ方法だったのかもしれません。

最近では、飲酒でのトラブルが公になると企業としてのリスクも大きいため、「飲み会」にお金や時間を多くかけて人間関係を築く方法はおすすめしていない職場も多いでしょう。

そこで、代わりになるのは日頃の会話。

中でも、「ほめ言葉とねぎらい」の声かけを自然に身につけられるようになると、働きやすい環境になるはずですよ。

社会人2年生の先輩と新社会人の後輩では、立場が近いこともあり「ねぎらい」の言葉が自然なのではないでしょうか?


新社会人の指導にも役立つ仕事の教科書『世界一シンプルで世界一成果がでる トヨタ流仕事の教科書』のまとめ


石井住枝さんの『世界一シンプルで世界一成果がでる トヨタ流仕事の教科書』は、社会人2年生の先輩が新社会人の後輩に仕事を教えるときにも役に立つ「仕事の教科書」です。

おすすめの理由は、基本的な取り組みでマネのしやすい「実用性」、多くの人が取り組んでいる「実績」、簡潔な文章と図解がある「読みやすさ」の3つ。

今回、紹介させていただいた「視える化」「PDCA」「ほめ言葉とねぎらい」の他にも後輩の悩みを解決するヒントがたくさんありますよ。

この本は、新社会人〜社会人3年目までを対象にしていますが、今の仕事を振り返りたい方は、経験に関係なく読んでみてもいいと思います。


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