電子書籍が広まると紙の本は高級品に戻る?
「本の歴史と未来」シリーズ、第3回は本の未来についてです。
電子書籍が普段し、出版数の下がっている紙の本はどうなるのでしょうか?
ある読書家 花水由宇(hanami yuu)が本と読書の未来を予想します。
本は再び高級品に戻るのでは?
本と出版の歴史を辿ると、記録や保管用でとても値段が高かった本は、印刷技術の進歩とともに私たち一般の人が手軽に買えるものへと変わりました。
電子書籍が普及してきている現代、そして今後は本の形も変わるのではと私も思います。
紙の本の購入数が下がり続けると、出版社や作家さん、印刷会社は本の出版で生計を立てることが難しくなります。
本の価格は上がってしまうのですが、値段をさらに下げることができ増版にコストがかからない電子書籍の方が商品としては有利になります。
そうなると、紙の本は再び高級品へと戻ってしまう。
本を読む読書の形は、普段は電子書籍で本を読み、本当の読書愛好家や収入に余裕のある方が紙の本を手に取る時代が訪れる。
そんな時代が訪れるのではないでしょうか?
本が広まったの理由〜読みたい人の需要に追いついた出版の供給
勉強をしたい人、新しいアイデアを探している人、日常では感じれない世界観を楽しみたい人。
値段が高く限られた人しか読むことができなかった本は、印刷技術の発展とともに多くの人の「読みたい」という需要に応えるように世の中に広まりました。
紙の本が世の中の人に広まったのは?
現代のような紙の本が世の中の多くの人に広まったのは、実はそう古くはありません。
ヨーロッパでは、1700年代の後半。
日本国内では、1800年代の末のことです。
もちろん、私たちが手にするような形をした本は、数100年以上前から読まれていました。
ですが、学者さんの研究用や富裕層のためのもので一般の人がお店で購入できるものではありません。
子どもから大人まで、財布の中のお金で買える本が普及したのは、100〜200年の間のことなんです。
紙に印刷した本は高級品で採算が合わなくなる
本が世の中に広まった背景には、印刷技術の発達や表現の自由が保障されたこともありますが、世の中の多くの人が本を求めたからでしょう。
いくら技術が進歩して、性能のいい商品ができても、欲しい人がいないものは普及しないはず。
求める人が多いと一時的に値段が高騰することもありますが、その売り上げで得られた資金を元に生産を上げると、値段は一定の価格に落ち着きます。
本を求める人が多いということは、それだけ本を安価に販売できる理由でもあります。
逆に、電子書籍が無料や安価に普及して一般の人が紙の本を求めなくなったら………
出版に関わる印刷設備や資材を大量に仕入れることができず、値段は上がってしまうでしょう。
紙に印刷した本は、いつしか高級品のような値段になってしまうこともあるのではないでしょうか。
未来の読書と本の役割
もし、紙の本が現代のように本屋さんで大量に販売されなくなっても、本が消えてしまうことはないでしょう。
長く同じ形で使われてきたものは、使い方や価値が変わっても無くなることはないことがわかっています。
未来の本の形、ある読書家 花水由宇が予想してみますね。
電子書籍は一般向け
本は電子書籍に形を変えるでしょう。
多くの方に今よりももっと安価に、もしかしたら無料で読まれるようになるのではと予想します。
それが何年後か、もしかしたらすぐ先かはわかりません。
そうなると、本の出版の形も変わります。
出版社と作家さんだけのやり取り、そこにWebデザイナーさんも加わって電子書籍は作られます。
今よりさらに安価か無料なら、本の売り上げだけで出版社と作家さんが収入を賄うのは難しくなります。
今のWeb広告のような形でスポンサーがつき、本の購読数に応じて広告料が支払われる形になるのではないでしょうか。
紙の本はオーダーメイドの高級品
一方で紙の本も残ります。
今のように一般向けではなく、値段が高くなり、収集家や収入に余裕のある方の娯楽用・観賞用へと変わるのではないでしょうか。
日本の着物を毎日着ることができるのが、限られた方であるように、本は再び高級品に戻ってゆく。
そう思えてなりません。