今年最初の読書のイベントは、なんと言っても第166回芥川龍之介賞と直木三十五賞です。
今回は、書籍として出版されている直木三十五賞ノミネート作品を取り上げてみましたよ。
第166回直木賞ノミネート作品と5人の作家
2022年最初の読書のイベント、第166回直木賞には5作品がノミネートしてます。
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬

1940年代、市街地で大規模な戦いが繰り返された第二次大戦ヨーロッパ戦線。
敵国に家族を殺害された少女セラ・フィマは、境遇の近い女性が集められた部隊とともに激戦区スターリングラードへ向かうことになった。
第11回アガサ・クリスティー賞大賞でデビューされた逢坂冬馬さん、デビュー直後の異例の直木三十五賞ノミネートはすごいですね。
『新しい星』彩瀬まる

3.11の時代を描いた作品で話題を集めた、彩瀬まるさん。
家族の死をきっかけに、人生の急転機が訪れた女性の物語『新しい星』。
喪失と創生をテーマにした世界観に引き寄せられる物語ですよ。
『塞王(さいおう)の楯(たて)』今村翔吾

舞台は戦国時代、ある鉄砲職人と石垣職人が繰り広げる技と技の比べ合い。
いつの時代もこうして技術力は磨かれていくのかもしれません。
今村翔吾さん、3回目のノミネートでの直木三十五賞受賞はなるのでしょうか?
『ミカエルの鼓動』柚月裕子

2020年代、医療技術と最先端テクノロジーは手術ロボットが実用化されまでになっていた。
手術ロボット「ミカエル」を使い、高度な医療を地域差なく届けたい心臓外科医の西條。
その前に現れたのは、天才的な技術を身に着けた外科医の真木。
2人の作る未来の医療とは…?
『黒牢城(こくろうじょう)』米澤穂信

米澤穂信さんが描くのは、「戦国ミステリ」と呼ばれ人気上昇中のジャンル。
織田信長が活躍した戦国時代の近畿地方、織田軍に反旗を翻した地域の武将 荒木村重は説得に訪れた黒田官兵衛を拘束し有岡城に立てこもっていた。
織田軍による包囲が続く中、有岡城では不可解な謎が次々と起こる。
当時から卓越した推理力が注目されていた黒田官兵衛は、探偵役として有岡城の謎に迫ることになる。
新しいジャンル「戦国ミステリ」の受賞を楽しみにしておりますよ。
今村翔吾さんが受賞濃厚?
過去2回ノミネートされた今村翔吾さんは、今回の有力候補といってもいいのでは?
今村翔吾さんは、『童の神』で第160回直木賞候補、『じんかん』で第163回直木賞候補に選ばれ、惜しくも受賞とならなかった後、同じ作品で他の文学賞を受賞されています。
過去の直木賞予想を全て外してしまった経験から、ノミネート後に同じ作品で文学賞を受賞されている方は有力に思えてなりません。
もしかしたら、逢坂冬馬さんが勢いを落とさず受賞するか?
新しいジャンル「戦国ミステリ」の米澤穂信が受賞されるのか?
混戦模様の続く第166回直木三十五賞の紹介でした。