第166回直木三十五賞予想は逢坂冬馬さん『同志少女よ、敵を撃て』に決定
2022年上半期の第166回直木三十五賞は、逢坂冬馬さん『同志少女よ、敵を撃て』を予想します。
直木賞受賞予想の2つの理由
今回の受賞予想は、作品に込められたメッセージ、作品の勢いの2つで選ばせていただきました。
過去の受賞傾向や作品の人気から予想していた今までよりも、花水由宇(hanami yu)の直感で選んでいます。
もしかすると今回は、直木賞受賞予想が当たりそうでならない。
そんな気がします。
メッセージ~「今」問われていること
物語の舞台は1940年代、市街地で大規模な戦いが繰り返された第二次大戦ヨーロッパ戦線。
敵国に家族を殺害された少女セラフィマは、境遇の近い女性が集められた部隊とともに狙撃手としての厳しい訓練の日々を過ごすことに…。
そして物語は、ドイツとソ連の戦局を左右する激戦区スターリングラードへ向かうことになる。
理不尽に力づくで奪われる平和。
僅かな時間で変わってしまう日常。
ジェンダーの差別。
世界は、1940年代に抱えていた問題を解決できず、未だに人の暮らしと平和は脅かされ続けている…。
「今」問われていることは、豊かになりたい欲と周囲の目と一時の感情のまま、誰かを傷つけることなのでしょうか?
読者の私たちが、「今」問われていることに向き合うメッセージが込められている。
そう感じる作品でした。
作品の勢い~スピード受賞?
第11回アガサ・クリスティー賞を受賞され、2021年11月に出版されたばかりの『同志少女よ、敵を撃て』。
他の作家さんが文学賞受賞を重ね、2回以上の直木三十五賞ノミネート経験のある中、デビュー作品がノミネートされた逢坂冬馬さん。
今までの受賞傾向にはない「作品の勢い」があります。
もしかすると、異例の直木三十五賞スピード受賞が起こるかもしれませんよ。
第166回直木三十五賞は、2022年1月19日に発表されます。
結果は、速報をもって発表させていただきますね。