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正義と陰謀のスピード感あふれる攻防の『コヨーテの翼』

『コヨーテの翼』

コヨーテの翼 (双葉文庫)

著者 五十嵐貴久
出版社 株式会社双葉社
分類 小説、サスペンス小説
出版日 2018/12/19
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい


今月の小説の紹介は、一気読みしてしまうほどスピード感のある展開の『コヨーテの翼』。

「リカシリーズ」が人気の、五十嵐貴久さんのサスペンス小説です。

2020年の東京オリンピックパラリンピックで計画された暗殺計画を巡り、凄腕のスナイパーと警察の攻防を描いたストーリーにページをめくる手が止まらない物語ですよ。

『コヨーテの翼』の登場人物


『コヨーテの翼』は、主人公の警察官 瀧本実と同僚の水川俊介が警察側の中心人物です。

滝本 実(たきもと みのる)

所轄署に勤務する29歳の巡査長。

東京オリンピックの情報収集のため設置された警備支援室に配属され、愚直に日々の仕事をこなす。

オーバーワークで寝不足気味の様子を同僚の水川に心配されている。


水川 俊介(みずかわ しゅんすけ)

滝本と同じ警備支援室に勤務する41歳の巡査部長。

プロボクサーのような鍛え上げた身体を持つが、移動前は刑事総務課勤務でデスクワークが中心の仕事についていた。

警察官よりもビジネスの現場に近い環境のため、柔軟性のある考え方を持つ。


新山 啓一郎

滝本と水川の直属の上司、長年警備部で実績を上げノンキャリアながら警部にまで昇進している。

ガッシリとした冷蔵庫のような体型、冷静で落ち着いた判断力を持つ人物。


コヨーテ

分かっているだけで3件以上の要人を暗殺した、名前も国籍も不明の凄腕のスナイパー。

2005年にイラク戦争で100人以上のイラク軍を狙撃するが、その後の極秘任務で起こった指揮官の判断ミスで部隊が包囲。

味方の兵士を殺害して逃亡後は、戦争犯罪人として手配され消息を絶つ。

7ヶ国語を話すアジア系の容姿の他は、姿を見た者の痕跡も残さない狩人。




物語の舞台はコロナ禍前の東京


『コヨーテの翼』の舞台は、2年後に東京オリンピックパラリンピックを控えた2018年末の首都圏。

国内外から集まる人々の安全のため、警察にはオリンピック警備対策本部が設けられた。

オリンピックまでの熱気が渦巻く日本、こんな光景も、もしかしたらあったのかもしれない。




国際組織と宗教過激派の対立


期待の熱気の隙間を巡るように、渦巻く陰謀もあった。

国際組織と対立する中東の小国ゾアンベ教国では、宗教過激派組織SIC(スナーガ詰問評議会)によるテロが計画されていた……。

狙われたのは、2020年9月に東京オリンピックパラリンピックを舞台にしたテロ。


凶行を行うコヨーテと警察の「視点」


『コヨーテの翼』の読みどころは、スピード感のあるストーリーの展開と登場人物の「視点」の切り替えです。

五十嵐貴久さんのサスペンスならではの、一気読みで楽しみながら、散りばめられたキーワードを拾い集めたくなる小説ですよ。


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