『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治 の活用
著者 西野精治
出版社 株式会社サンマーク出版
分類 実用書
出版日 2017/3/5 初版発行
読みやすさ ☆☆★読みやすい
自粛明けの暮らしの変化で睡眠不足になりそうな時には?
睡眠の専門書はいかがでしょうか?
『スタンフォード式 最高の睡眠』は信頼性十分の睡眠の専門書
多くの人が抱える睡眠の悩み
睡眠不足に悩む人は、病院を訪れる人では70%にもなります。
ですが、実際はどうでしょう?
「みんな忙しくて眠れていないから」と、実は睡眠不足の暮らしが当たり前になっているのではないでしょうか?
私自身も睡眠不足の自覚はありませんでした。
そこで、ちょっと疲れ気味、イライラしやすいという方は1度手に取ってみてください。
睡眠にまつわる悩み、その解決にスタンフォード式が手がかりになると思いますよ。
Webページ感覚で読めて実用的
読みやすい文章と重要な内容にマーカーは引いていること、Webページのような構成はとても読みやすい実用書です。
スタンフォード式の睡眠は最初の90分が大切!
「睡眠不足」は損をしている
「寝つきが悪い」「睡眠不足だ」「寝ているのに疲れがとれない」と言う人は、感覚的ではあるが70%以上。逆に「満足している」と言う人は30%にも満たない。
しかし、こと睡眠においては、この「不満足」が不通となってしまっている印象を受ける。えてして「不幸なこと」だとはあまり認識されていないようだ。
この、「不満足感」を解消すれば、脳と体のコンディションが上向き、「注意散漫」や「体調不良」といったネガティブな問題が限りなくゼロに近づくにもかかわらず。
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かように睡眠の質が悪いと、目に見えて健康被害が起きる。日中のパフォーマンスも確実に下がる。
ビジネスパーソンの場合、特殊な才能がある人以外はわずかな差が成功するかしないかの分かれ目となる。ネガティブインパクトはできる限り排除するのが得策だ。
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今の睡眠の質が良くない人は、逆にいうと、眠りの正しい知識を得、眠り方を改善することで、脳がまるで新しく生まれ変わったかのように思考がクリアになり、仕事のパフォーマンスを上げられるのだ。
1章 なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか p83〜p87
睡眠不足や睡眠障害で眠れなかった時間、それを借金に例えて睡眠負債と呼ばれることもあります。
私も溜まっていたんでしょうね。
睡眠不足で起こること、それは仕事のミスに関わる注意力の低下だけではありません。
気分が落ち着かない、イライラすることも実は睡眠不足がく原因になっていることは明らかなんですね。
よく寝るようになって実感しています。
睡眠は「最初の90分」が大切
人は眠りに落ちてから目が覚めるまで、ずっと同じように眠っているわけではない。眠りにはレム睡眠(脳は起きていて体が眠っている睡眠)とノンレム睡眠(脳も体も眠っている睡眠)の2種類があり、それを繰り返しながら眠っている。
寝ついたあと、すぐに訪れるのはノンレム睡眠。
とりわけ、最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体のなかでももっとも深い眠りである。
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ノンレム睡眠は入眠直後がもっとも深いが、逆に明け方に近づくにつれ、眠りは浅くなり持続時間も短くなる。
睡眠メンテナンスで意識したいのが、「最初のノンレム睡眠」をいかに深くするかということ。
0章 「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない p53〜p55
レム睡眠とノンレム睡眠、私たちが寝ている間に交互に繰り返される睡眠リズムです。
スタンフォード大学で脳波を使って調べたところ、寝ついてから90分間のノンレム睡眠が「1番深い睡眠」ということが明らかになりました。
睡眠では、眠っている時間の長さよりも寝ついてからの「最初の90」をいかに深く眠るかが大切といわれています。
「最初の90分」が「黄金の90分」になる3つの理由
「最初の90分が眠りのゴールデンタイム」と言われているが、まさに黄金だ。
たとえば、グロースホルモン(成長ホルモン)がもっとも多く分泌されるのも最初のノンレム睡眠が訪れたとき。
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また、長く起きていると「眠りたい」という睡眠欲求(「睡眠圧」)が高まってくるが、最初のノンレム睡眠でその睡眠圧の多くが解放されることもわかっている。
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ひとつ断っておきたいのは、ショートスリーパー以外の普通の人は、最低でも6時間以上眠るのがベストだということだ。「時間にはとらわれないでほしい」といったが、この「6時間」を確保していただけると、睡眠学者としてもうれしい。
0章 「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない p56〜p59自律神経の重要性を、すでに知っている人も多いだろう。音楽や香り、絵本やストレッチなど、自律神経のバランスを整える方法論もたくさん提唱されている。
そのなかでも、「黄金の90分をしっかり眠る」というのは、自律神経を整える最高の方法だ。
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最初の90分を深く眠れば、グロースホルモン(成長ホルモン)の80%近くは確保できることになる。
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脳と眠りの関係は、まだ謎が多い。しかし、うつ病や統合失調症の患者は最初の90分が乱れている事実から、「黄金の90分には、脳のコンディションを整える働きがある」「脳のコンディションが黄金の90分に反映される」という仮説は成り立つだろう。
2章 夜に秘められた「黄金の90分」の法則 p103〜p107
寝ついてからの最初90分、大切な理由は3つあります。
スタンフォード式のキーワードは、グロースホルモン(成長ホルモン)、睡眠欲求、自律神経です。
①グロースホルモン(成長ホルモン)の80%が分泌される
1つ目の理由は、子どもが成長する以外にも体を修復する役割のある成長ホルモンが分泌されること。
実に80%の成長ホルモンが、最初の90分のノンレム睡眠で分泌されています。
②睡眠欲求が解消される
2つ目の理由が睡眠欲求が解消されること。
「眠たい」と思いながら頑張ることは、体に大きなストレスを与えています。
それが睡眠欲求。
寝ついてからの最初の90分で、この睡眠欲求は解消されるといわれています。
③自律神経が整えられる
3つ目、ここが1番重要なのではないでしょうか?
私たちの血圧や体温、気分までコントロールしている自律神経。
胃の調子が悪くなったり、気分が落ち着かないことも自律神経が乱れているからといわれていますよね。
うつ病や統合失調症など自律神経の乱れが影響している病気を抱える方は、眠りの最初の90分が乱れていることがわかっています。
そこから眠りの最初の90分では、自律神経を整える役割があると西野精治さんは考えられたようですね。
睡眠負債は返済しなければ、気づかない間に生活に大きな影響を与えていること。
そして、睡眠は最初の90分がよく眠れるかが大切なこと。
その理由は、成長ホルモンの80%が分泌されて、睡眠欲求のストレスが解消される、そして自律神経が整う3つのことでした。
すぐできるスタンフォード式の睡眠方法
3つの「体温スイッチ」で睡眠クオリティをあげる
体温スイッチ① 就寝90分前の入浴
入眠時に意図的に皮膚温度を上げて、深部体温を下げる。この「上げて、下げる」とういのが良質な眠りには欠かせない。
さらに、深部体温のある作用を利用すれば、皮膚温度と深部体温の差をより縮めることができる。
そんな深部体温と皮膚温度をより縮める方法として紹介したいのが、「入浴」だ。
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体温スイッチ②足湯に秘められた驚異の「熱放散力」
熱放散を主導しているのは、表面積が大きくて毛細血管が発達している手足。
なので、「足湯」で足の血行を良くして熱放散を促せば、入浴と同等の効果があるのだ。
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体温スイッチ③ 体温効果を上げる「室温コンディショニング」
また、温度が高いと湿度も高い場合が多い。湿度が高すぎると発汗しなくなり、手足からの熱放散が妨げられ、眠りが阻害される。「うつ熱」が起きるのだ。夏に眠れなかったり、高齢者などが入眠中に熱中症になるのはこのためだ。
水分補給と吸湿性の高い寝間着や寝具が対策としてよくすすめられているが、うつ熱に関しては「室温」「湿度」による影響の方が強い。
3章 スタンフォード式 最高の睡眠法 p129〜p143
よく眠るためには、体温をコントロールすることが大切。
眠るときには体温が下がった方がいい、これはよくいわれています。
体温は体の先、手足を伝って外に出ていくことがわかっています。
西野精治さんのスタンフォード式では、体温スイッチと呼ぶ方法を3つ取り上げてみました。
① 就寝90分前の入浴
入浴には体の表面の温度を上げる効果があります。
そして、温度の上がった体の表面は熱を逃がそうとして体の中から外へ熱を運びます。
この表面の温度を上げるためには、入浴が効果があるようですね。
そして、温まってから体が冷め始める時間を逆算して「眠る前90分」の入浴が効果的といわれています。
②足湯に秘められた驚異の「熱放散力」
ゆっくりお風呂に入る時間もない方におすすめの方法が、この足湯。
熱放散力、名前から想像できますが熱を外に逃がす力は手足にあります。
その手足だけでも、入浴と同じように表面の温度を上げる方法が足湯。
③ 体温効果を上げる「室温コンディショニング」
最後に室温を保つことも大切といわれています。
これは、夏に高温多湿になる日本では特に効果があるようですね。
花水の暮らす北国では、夏場も窓を全て開けて寝るだけで解決することができますが、本州ではそうはいきませんよね。
この温度と湿度が高いことで、手足から外に熱を逃がす働きが下がることを「うつ熱」というんですね。
この、うつ熱の対策には快適な室温と湿度が不可欠になります。
「どう起きているか」が重要
ビジネスパーソンの大多数も、おそらく脳の活動が過剰になっている。夜になっていきなり「さあ、脳を休ませて寝よう」とは、なかなかならない。
だからこそ、あなたが今、睡眠に悩んでいるのなら、朝からの覚醒行動を変えていこう。
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科学的に根拠があり、かつ良睡眠の効果が期待できる覚醒のスイッチのオン・オフ法を紹介するので、意識して取り入れてほしい。
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覚醒のスイッチ① 光
これほど大切な光は、窓を開けるだけで簡単に手に入る。朝は太陽の光を必ず浴びる習慣をつけよう。数分程度の少しの時間でいいし、雨や曇りで太陽が見えなくても、体内リズムや覚醒に影響を与える光の成分は脳に届いているから大丈夫だ。
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覚醒のスイッチ② 体温
要は、覚醒時はしっかりと体温を上げてスイッチオンにしておくのが、良い覚醒を保つうえで大事なのだ。
4章 超究極! 熟眠をもたらすスタンフォード覚醒戦略 p170〜p177
よく眠るためには、朝に体を起こしておくことが大切。
これは、以前冬季うつのお話でも取り上げました。
西野精治さんのスタンフォード式では、覚醒のスイッチと呼ばれる① 光、② 体温の2つが取り上げられていました。
この取り組みは、明日の朝からすぐにできるものではないでしょうか?
覚醒スイッチ ①光
光を浴びることは、体の中にメラトニンを作り出し体内時計と睡眠のリズムを整える効果があります。
眩しい太陽を浴びるのは本当に気持ちが良くなります。
実は曇りや雨の日でも、外の光を浴びるだけで体内時計のを整え、睡眠に必要な分の光は脳に届くといわれています。
覚醒スイッチ ②体温
もう1つの覚醒スイッチは、体温を上げること。
体温の上げ方は、運動が1番ですね。
案外、昔から取り組まれている朝のラジオ体操は睡眠のリズムを整えて規則正しい生活に効果があったのかもしれませんよ。
人生の3分の1を変えることで………
あなたが現状の仕事や生活に満足していなきのであれば、手つかずの残りの3分の1を改善しよう。それが残り3分の2にも良い影響をもたらすのであれば、まさにレバレッジの効果がある。デメント教授の言葉を借りれば、睡眠は眠っている以外の人生においても「ギフト」なのだ。
良い睡眠は、習慣にさえしてしまえば、さほど努力は要さない。いわば夢を叶えるもっともシンプルな方法だ。
5章 「眠気」を制する者が人生を制す p243
人間の睡眠時間は1日8時間、日本では8時間眠れる方は多くはないでしょう。
私たちは1日24時間の8時間、365日の中では122日眠っていることになります。
この自動的に体と頭を休める時間を大切にすることで、起きている残りの3分の2の時間を効率よく過ごすことにつながる。
そう考えると、「寝ないで頑張る」ことよりも「よく寝て頑張る」ことの方が大切に思えてきますね。
少し疲れ気味のひとへ『スタンフォード式 最高の睡眠』
少し疲れ気味の人に読んでほしい
『スタンフォード式 最高の睡眠』は、少し疲れ気味だなぁ、何だかイライラしやいすいなぁと思う人に読んでほしい1冊。
睡眠不足の人に読んでほしいと言うとわかりやすいでしょう。
私自身も睡眠不足のときは、自分が睡眠不足と自覚していませんでした。
そこで、少し疲れ気味だなぁと思う方に自分の睡眠は大丈夫なのかを判断する手がかりにしてほしいと思います。
お勧めする理由
『スタンフォード式 最高の睡眠』は、睡眠の専門家で医師でもある西野精治さんが書かれた信頼性の高い1冊。
実用書として出版されていますが、本に込められた情報は専門書と同じです。
Webページのように空いた時間で読み進められる手軽さもあります。
睡眠に大切なのは「最初の90分」。
この最初の90分を見直すことで、睡眠以外の人生の3分の2に影響するのなら、試してみたくなりますね。
私が睡眠を見直したときに、『スタンフォード式 最高の睡眠』を読んでいたら、とても心強かったりと思いましたよ。
www.yu-hanami.com
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