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Webコンテンツの文章の勉強にもなる、大宮エリーさんの『生きるコント2』

生きるコント2 大宮エリー

著者 大宮エリー
出版社 株式会社 文藝春秋
分類 エッセイ
出版日 2012/3/10


前回で、大宮エリーさんのエッセイ『生きるコント』を紹介しました。

今回の『生きるコント2』も『生きるコント』に負けないくらい面白いエピソードが満載。

今回は続編の紹介ということで、少し視点を変えて紹介します。

それは、『生きるコント2』で紹介される大宮エリーさんの文章の書き方です。

大宮エリーさんに学ぶ文章表現


文章の書き方といっても、『生きるコント2』は実用書ではありません。

そこで、『生きるコント』の①冒頭の掴み、②真剣な話題を面白く伝える表現、③身近なことを話題にする。

この3つのテーマに絞って、お話を進めますね。


著者の大宮エリーさんの紹介

大宮エリーさんの経歴

まずは、著者の大宮エリーさん。

映画監督・脚本家として知られています。

脚本家でもあり、文章の書き方のスペシャリストでもあります。

大宮エリーさんは東大薬学部を卒業され、新入社員として大手広告代理店の電通にサラリーマンとして勤務されました。

文章のの書き方の基礎は、大手の広告代理店で身につけた確かなものなのでしょう。

脚本家と聞くと、何だか天才的な独自の表現方法を持っていそうな印象にも思えます。

ですが、大宮エリーさんは薬学部の論文など理系の文章の書き方、電通では広告代のキャッチコピーで伝わる文章の書き方をしっかり学ばれた方。

大宮エリーさんの表現方法は信頼性があると思っていいのではないでしょうか?


大宮エリーさんの他の本の紹介

『生きるコント』
www.yu-hanami.com


『思いを伝えるということ』

こちらは残念ですが、本屋さんで見つけることはできませんでした。

おそらく、脚本家としての大宮エリーさんの表現に対する考え方が書かれた本だと思います。

とても気になる1冊!



会話を聞いているような『生きるコント2』の読みやすさ


週刊春秋に連載されていた、大宮エリーさんのエッセイを編集した本『生きるコント』。

続編の『生きるコント2』も構成は同じです。

1つのお話が3〜6ページで紹介されていて、通勤通学やちょっとした休憩時間に楽しめますよ。


大宮エリーさんに学ぶ3つの文章表現

ワクワクする気持ちを掴む冒頭の「社外マル秘の社員」

片付けられない、資料を怖くて捨てられないわたしのデスクは、すぐに荷物置き場と化し、常にわたしの姿が見えない状態。「あいつのデスク、城壁ができていて、いるのかいないのか分かんないな」不便だから着席している場合は、皆にいると遠くからでも分かるように、パソコンの上に旗を立てろと言われる。
中略)
ある日、ちょっと向こうの共有スペースで打ち合わせをしていた先輩がわたしの名を呼ぶ。
「おい!大宮!」
「股、開き過ぎてパンツ丸見えだぞ。見せんなよっ!逆セクハラだろ!」
中略)
いつしか、先輩たちがわたしをクライアントに紹介するときこう付け加えるようになった。「社外秘の女です」なるほど。この一言でわたしの会社に於ける状況が飲み込めた。
p13 社外秘の女


『生きるコント』の冒頭も「リオのカーニバルでのビキニ事件」も少々下ネタが混ざるインパクトのあるお話でした。

本やWebコンテンツでは、冒頭の掴みで読者さんの「読みたい」興味を沸かせられるかが大切になってきます。

タイトルにもある、「コント」のような大笑いができる冒頭はWebコンテンツでも参考になる書き方ですね。


真剣な話題も面白く紹介「大宮エリー長嶋茂雄式プレゼン術」

広告代理店時代、思い出に残っている仕事に、新人のときにやらせてもらったシネアドというものがある。映画館だけで流すCMなので普通のテレビCMと違って自由度が高い。だから面白いことができそうだなと思った。
ネスカフェゴールドブレンドといえば「違いがわかる男」というフレーズが有名で、新人にはちょっと高級なブランド。

契約タレントは、松本幸四郎さんと市川染五郎さんと松たか子さんだった。
目を閉じている大画面の松さん、染五郎さん、幸四郎さんがいきなり交換音とともに目を開ける。
一体、何を目撃したんだろう。どんな映画なの?そう観客が思った頃、幸四郎さんが大写しになり目をゆっくり開けて、おそるおそる「ダバダ?」とつぶやき、ネスカフェのCMだったとわかる。そんな企画だった。

日曜劇場で公演中の幸四郎さんの楽屋まで説明に伺う。
お笑いCMと思われると怒られると思っていたので大真面目に説明した。けれどそれは一流のお方。ごまかしは通用しない。一通りの説明を聞いた後、ずばっ、と本質をついてこられた。
「なぜわたしだけが、ダバダなんですか?」
「そもそもダバダって何ですか?」
何かもっともらしいことを言わなきゃ。本質的な問いには本質で返さなきゃ。そう思い、苦し紛れで言った。
「えーとですね、ダバダという言葉はゴールドブレンドの哲学なんです」
いつからだよ、誰が決めたんだよ、という野次が飛んできそうな中、幸四郎さんはわたしをみて、はっきりと、「?」という顔をされた。無理もない。でも咄嗟に思いついたこじつけを押し通すしかなかった。わたしは再度言った。
「フィロソフィーです」
ただ英訳しただけだ。が、驚く事に幸四郎さんは、なるほど、とおっしゃったのでる。「えーーー!?」窮地の新人を不憫に思われたのだろう。優しい方で助かった。
わたしはこれを、長嶋茂雄的プレゼン術、と呼んでいる。
p44 プレゼン術


お仕事に関する真剣な話題、大宮エリーさんにかかると笑い話として記憶に残るお話になります。

記憶の最初には「長嶋茂雄的プレゼン」のシーンが印象に残りますが、思い出してみるとどんな場面かもすぐに思い出せる。

笑いを通して伝えたいことが伝わる、すごく参考にしたいお話です。


身近なことが話題になる「催眠療法

なんとか悪習を断ち切れる方法はないかと探していたら催眠療法というのを見つけた。無意識な分野に働きかけて、無意識にやってしまう習慣を取り除いてしまうというやつらしい。さっそく行ってみた。
中略)
「今、あなたは10年後の理想のあなたです。そして目の前には現在のあなたがいます。さあどうしたらあなたのようになれるのかをアドバイスしてください」
困った。それはこっちが聞きたい。とにかく治療だから何かイメージはしないといけない。「さあ、何か現在のあなたにメッセージを」そこでわたしは言った。「がんばれ」。「え?」先生は息を飲んだ。
p188 催眠療法

身近な出来事がエッセイにもなる。

私のように雑記も書かれる方は、出来事をどのように表現するかが重要になりますよね。

読者さんがイメージしやすい表現は、ぜひ参考にしたいものですね。



大宮エリーさんの文章表現はWebページの文章にも最適


今回は、大宮エリーさんの『生きるコント2』を紹介させていただきました。

気持ちが一気に暖まるお話が満載のエッセイですが、前回『生きるコント』を紹介して間もないので視点を変えての紹介。

文章表現のスペシャリストでもある大宮エリーさんからは、Webコンテンツの書き方の参考にもなる3つのことを学べます。

①冒頭の掴み
②真剣な話題を面白く伝える表現
③身近なことを話題にする

エッセイを実用書として紹介した今回の取り組み、書いている私自身も不思議な感覚でした。

それでは、次回の本の紹介もお楽しみに!


最近の本の紹介はこちら↓
www.yu-hanami.com
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