多読と熟読(精読)。本はたくさん読むといい?それともじっくり読むといい?
今回は多読と熟読がテーマのお話です。
多読がすすめられたり、熟読がすすめられたり、読書関連の書籍やWebで取り上げられることの多いテーマではあります。
そこで、ビジネス書、実用書、エッセイ、小説の種類別に多読と熟読のメリットと読書のし方をまとめてみましたよ。
- 多読と熟読(精読)。本はたくさん読むといい?それともじっくり読むといい?
沢山本を読む多読とは?
多読って?
多読(たどく)の本来の意味は英語の勉強方法で、単語を1つ1つ調べずにとにかく沢山の文章を読むことのようです。
読書で使う多読は、文字通りに「本をたくさん読む」ことですね。
多読のメリット
多読のメリットは、読書術の本が数多く出版されたことで知られるようになりました。
共通していわれていることは、「多くの考えを取り入れること」「1つのテーマの見解を比べられる」です。
本をじっくり読むことが熟読(精読)?
熟読(精読)
本をたくさん読む多読に対して、1冊の本をじっくり読むことを熟読(じゅくどく)、もしくは精読(せいどく)といいます。
誤解されがちなことが、1冊の本を何回も読むことが熟読といわれがちです。
1回の読書でも、著者の考えを深く読み取り、取り上げられているテーマについて自分の意見を見つけることで熟読をすることもできます。
熟読(精読)の効果
多読の効果は、多くの作家さんや読書家の方がいわれていますが、熟読の効果はあまり語られてはいないのではないでしょうか?
熟読には、著者の考えを深く読み取ることで、「1つのテーマに対する答え」「物事の考え方」を取り入れることができます。
ビジネス書の多読と熟読のメリット
ビジネス書には、多くの方が「仕事で使える考え方」を求めています。
多読のメリット
多読のメリットには、多くの仕事に対する考え方やモデルを知ることで、その中から最適な考え方を選ぶことができます。
熟読(精読)のメリット
多くの考え方やモデルの中から、最適な考え方を選ぶことができる多読。
一方、熟読にもメリットはあります。
それは、1つの考え方、モデルを取り入れることができることです。
仕事や暮らしの実用書の多読と熟読のメリット
ビジネス書が「考え方」を知りたいときに読む本ですが、仕事や暮らしの実用書は「やり方」を知りたいときに読む本でしょう。
多読のメリット
仕事や暮らしの実用書を多読するメリットは、多くの「やり方」を知ることができることです。
もう1つメリットはあると思います。
それは、1冊の本に書かれていた「やり方」が他の本にも書かれていることです。
2冊の本で似た「やり方」が書かれていることで、その方法が信頼できる証拠にもなります。
熟読(精読)のメリット
仕事や暮らしの実用書を熟読するメリットは、もちろん「やり方」を隅々まで知ることができることではないでしょうか。
生き方の実用書やエッセイの多読と熟読のメリット
困ったことや悩み事を解決する方法が書かれた本を、私は生き方の実用書と呼んでいます。
エッセイの中にも、著者の考えを自分の生き方に取り入れることができる本があるので同じ項目で扱いますね。
多読のメリット
生き方の実用書やエッセイに求めるものは、著者の考え方です。
直接会ってお話を聞けない多くの方の考えを、多読をすることで知ることができます。
知っている数が多いほど、選択肢が広がることが多読のメリットだと思いますよ。
熟読(精読)のメリット
生き方の実用書やエッセイの著書の方には、一般的な生活とはかけ離れた苦労を積んだ方、心理学の専門家の方やお坊さんのような宗教家の方が少なくありません。
「生き方」に専門家は居ないと思うのが当然、みんなそれぞれ悩みがありますから。
ですが、抱えている困ったことや悩み事には、さらに過酷な経験をされた方のエッセイや、考え方を深く掘り下げた心理学や宗教家の方の本は、読む方にとっての「専門書」にもなるはずです。
1冊の「専門書」の内容を理解することは、困ったことや悩み事につながっていくと思えますよ。
小説の多読と熟読のメリット
読書をする方が小説に求めていること、細かく分けると書ききれないほどあります。
大きく1つにまとめるなら、「楽しみ」ではないでしょうか?
多読のメリット
小説を多読することは、私はメリットしかないと思います。
1つのメリットをあげるとしたら、「頭の体操」ではないでしょうか?
ミステリーでは、事件の謎を解くために証拠を思い出し、仮説を立てて頭の中で検証していきます。
多読で多くの作品の世界に行った数だけ、頭の中は新しい仮説を立てて検証することを繰り返していきます。
ミステリーに疲れたら、ほっこりする暖かいお話もいいですね。
これは、もう1つのメリットでもあります。
現実では体験できない数の世界に触れることで、仕事や勉強、育児の現実から離れ心を別の場所に置くことができる。
熟読(精読)のメリット
もちろん小説を熟読するメリットもあります。
「作家さんの世界観に触れる」というと、曖昧で難しいと思いますので、こういうのはどうでしょう?
「登場人物の人間性に触れる」
小説の登場人物の中には、作家さんのあとがきでは現実の人物をイメージして描かれた人もいることがわかります。
小説を熟読し、登場人物の人となりを知ることで現実にいるかもしれない人と関わることに近い体験ができることがメリットだと思いますよ。
本の種類別、多読と熟読(精読)の読書のし方
今回は、多読と熟読(精読)のメリットを本の種類別に取り上げてみました。
ここで、ちょっとだけ読書家の花水(hanami)の体験からのおすすめの読み方をお話しします。
ビジネス書〜1つの考えにハマりやすい方は多読、考えがまとまらない方は熟読
ビジネス書は、自分の仕事でのクセと逆の方法がおすすめ。
1つの考えにハマって、なかなか切り替えができない方は多読でイロイロな考え方やモデルを取り入れる。
逆に次々と考え方やモデルを取り入れる方は、1つのビジネス書を深く実践することに取り組んでみてはいかがでしょう。
仕事や暮らしの実用書〜「やり方」が決まるまで多読、「やり方」が決まったら熟読
仕事や暮らしの実用書では、「やり方」を身につけることが第1ですよね。
その「やり方」が決まるまで、多読がおすすめです。
多読をした中で信頼できそうな「やり方」が決まると、具体的な方法が多い本を熟読してみてくださいね。
生き方の実用書やエッセイ〜悩み事に合ったものが見つかるまで多読、その後は熟読
実用書というカテゴリーでは、仕事や暮らしの実用書に似ています。
それは、「これだ」と思える本が見つかるまで多読。
見つかった後は、熟読です。
1冊の「専門書」の内容を理解することは、困ったことや悩み事につながっていくと思えますよ。
小説〜とにかく多読
今まで多読と熟読を使い分けた読書をお伝えしましたが、小説だけは「とにかく多読」がおすすめです。
小説の数は、一生あっても読みきれないほど。
できるだけ、多くの作品の世界観に触れてみてくださいね。