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Twitter文学賞は読者参加型の新しい文学賞

Twitter文学賞

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本屋大賞の他にも、最近話題の文学賞があります。

それはTwitter文学賞

Twitterユーザーなら誰でも選考委員になれる、読者さんが参加できる新しい文学賞です。

Twitter文学賞とは?

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2011年に開催されたTwitter文学賞は、毎年読書好きのTwitterユーザーの中ではとても盛り上がる一大イベントです。


Twitter文学賞って?

発起人は書評家の豊崎由美で、2011年に第1回「Twitter文学賞 ツイートで選ぶ2010年ホントに面白かった小説」を開催。以降、毎年開催されている。
出典:Twitter文学賞事務局Twitter文学賞事務局

Twitter文学賞は、2011年に書評家の豊崎由美さんの呼びかけではじまり、翌年からはTwitter文学賞事務局が設立され少しずつ規模も大きくなってきた話題の文学賞

特に2015年の第4回は、東京国際文芸フェスティバルで開催され大きな注目を集めました。


Twitter文学賞の対象と期間

選考期間は、発表までの1年間。

正賞や副賞の賞金などはありません。

ちなみに、2019年は3月3日(日)に下北沢のB&Bで発表されています。



Twitter文学賞の唯一の特徴

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他の文学賞とは異なり、作家や評論家が選考に携わらず、一般のユーザーがTwitter上で、その年に最も面白いと思った小説を投票(ツイート)することで決まるところに特徴がある。
出典:Twitter文学賞事務局Twitter文学賞事務局

Twitter文学賞の1番、そして唯一の特徴は選考委員ではなく一般のTwitterユーザーのツイート(投稿)で決まることです。

一般の人が、出版関係の推薦や文化人としての立場以外で好きな作品を選べるのはTwitter文学賞の他にはありません。

読者さん目線の本屋大賞でさえ、選考は書店員の投票で行われ、一般の人が直接関わることはありません。

Twitterユーザーに限られはしますが、本気で好かれる本が選ばれる文学賞なのではないでしょうか?



Twitter文学賞の受賞作品一覧


ここで、過去9回のTwitter文学賞の受賞作品を一覧にしてみます。

・第1回(2010年) 盛田隆二二人静』 光文社 27票/560票
・第2回(2011年) 津原泰水 『11 eleven』 河出書房新社 50票/584票
・第3回(2012年) 小田雅久仁 『本にだって雄と雌があります』 新潮社 72票/646票
・第4回(2013年) 松田青子 『スタッキング可能』 河出書房新社 57票/776票
・第5回(2014年) 木下古栗 『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』 講談社 42票/632票
・第6回(2015年) 舞城王太郎 『淵の王』 新潮社 44票/616票
・第7回(2016年) 佐藤亜紀 『吸血鬼』 講談社 32票/601票
・第8回(2017年) 加藤シゲアキ 『チュベローズで待ってる』(AGE22)(AGE32) 扶桑社 323票/932票
・第9回(2018年) 深緑野分 『ベルリンは晴れているか』 筑摩書房 48票/724票
出典:Twitter文学賞事務局Twitter文学賞事務局

私が読んだことのある作品は、2018年度の『ベルリンは晴れているか』でした。


受賞ラインは投稿数5〜6%

Twitterユーザーが自由に作品を投稿するため、1つの作品が多くの投稿を集めることは珍しいことです。

受賞作品の中で1番低い投稿数は、おおよそ5%。

5〜6%の投稿が受賞の目安のようで。

1〜3位はかなり接戦のようですね。


『チュベローズで待ってる』の快挙

投稿数5〜6%が受賞の目安の中で、とてもすごい投稿を集めた作品があります。

加藤シゲアキさんの『チュベローズで待ってる』は、2017年に34%の投稿を集めています。

Twitterユーザーの読者層にとって、とても慕しみやすい作品だったということでしょう。

新人作家さんにも、まだまだ受賞のチャンスが多い文学賞に思えます。



読者参加型の文学賞 Twitter文学賞

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今回は、最近注目を集めているTwitter文学賞を取り上げてみました。

Twitter文学賞は、Twitterユーザーが投稿した作品の数で受賞作品を決める他にはない特徴があります。

全体の5〜6%の投稿を集めた作品が受賞作品となり、1〜3位の作品はかなり接戦。

新人作家さんにとっては受賞のチャンスがあり、読者さんにとっては好きな作品を投稿できる選考委員のような気持ちで楽しめる参加型の文学賞といっていいでしょう。

来年の受賞作品が楽しみですね。

私も2019年度の作品を投稿しようと思います。



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