ボランティアをするためには経済的に余裕が必要
台風19号の被害は、関東全域に及び、今だに復興が進まない地域も多くあります。
ガレキの片付けや清掃には、多くのボランティアの方が必要といわれています。
台風15号の際には、X JAPANのYOSHIKIさんが千葉県でボランティアをされたことが話題になりました。
そこで、今回のテーマはボランティアと金銭的な余裕のお話をさせていただきます。
ボランティアができるほどお金余裕がある人は少ない?
被災地がボランティアに求めているのは、重労働ができる体力と健康。
ボランティア団体は、体力と健康に加えて、人手がかからずコミュニケーションが取れるスマホなどの連絡手段を持っているかと集団行動でのチームワーク。
当てはまるのは、集団行動に慣れていてスマホなどネットを使いこなせる高校生・大学生などの若い方になります。
ですが、ここで問題が………。
学費を奨学金で立て替え、生活費をアルバイトで稼ぐ学生さんが多い中、ボランティアができるほど経済的に余裕がある方は多くはないということ。
困ってる人の助けになりたいけど…
「お金がなくてそこまで行けない」
そう思われている方も少なくはないはず。
ボランティアに必要な予算
交通手段や宿泊先が確保されていないボランティアでは、どの程度お金がかかるのでしょう?
関西から関東へ、ボランティアに訪れることを想定してみます。
1週間のボランティアには旅行ができるくらいのお金が必要
例えば、台風19号で被害の大きかった関東、中でも埼玉県にボランティアに訪れるとします。
被害の少なかった関西の大阪の学生さんが新幹線を利用して訪れた場合、事前の予約がないと片道14000円前後。
交通費は往復で28000円。
宿泊費は安いビジネスホテルでも、当日の予約となると4000〜5000円。
5日間滞在してボランティア活動をされる場合、間をとった4500円×5日間で22500円。
1番安い費用でも、宿泊費と交通費合わせて50500円になります。
どのくらいいるのだろう?
宿泊費と交通費合わせて50500円というと、学生さんではなくても大金です。
学生さんにとっては、1カ月分の家賃、2カ月分の食費になるでしょう。
アルバイトの収入はあっても、生活費を自分でまかなっている学生さんたちの中で、すぐに50500円以上のお金を下ろして、その後も困らない生活を送れる方はどれくらいいるでしょう?
あまり多くはないのではありませんか?
私が学生をしていた10年ほど前なら、50500円以上のお金をすぐに用意できるのは10人に1人いるかいないかでしたよ。
(奨学金でマイナスになっているか、アルバイトの収入は全て生活費に消えてしまう世代だったものですから)
当時に比べてもアルバイトの時給は大きく上がらず、消費税や都会の家賃は上がっています。
ボランティアができるほどお金に余裕がある方は、さらに少ないかもしれません。
被災地に近い方は、同じように被害を受け、遠い方は経済的に余裕がない。
ボランティアをしたくても、金銭的にできないのも辛いことですよね。
ボランティア推進法で若者のボランティアを支援
ボランティアがしたくても、交通費と宿泊費を用意できない方のために「ボランティア推進法」の整備が必要です。
財源は、この度の消費税でいかがでしょうか?
交通費の無償化
まずは、交通費の無償化が必要です。
無償で労働力を提供するボランティアの方から、利益が上がる形で交通各社が料金をもらうのも疑問に思えます。
一時的に行きの交通費はボランティアの方に立て替えてもらい、被災地で発行されたボランティア証明書を見せると列車やバスの交通費が返ってくる仕組みが必要です。
宿泊滞在費の支援
もう1つは、宿泊費の支援。
こちらも被災地で発行されたボランティア証明書を提示すると、協力しているビジネスホテルや旅館が宿泊費を無料にする。
ボランティアの方は、文字通り無償で労働力が提供できることになります。
消費税を財源とし、ボランティアがしたくても交通費や宿泊費を用意できない学生さんを支援するボランティア推進法。
今後の災害の増加に備えて、必要だと思います。