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私たちにとってのチーズは欲望?ない方がいいのだろうか?

『チーズはどこに消えた』のチーズは何なのか?


今日は、世界的なベストセラー『チーズはどこに消えた』から、チーズとは何なのか?をテーマに読書コラムを書かせていただきました。

世界的名作『チーズはどこに消えた』


スペンサー・ジョンソンの『チーズはどこへ消えた』は、100ページの中に人の生き方が描かれた世界的なベストセラーです。

小人のヘムとホー、ネズミのスニッフとスカリーが迷路の中で見つけた有り余るほどの「チーズ」。

そのチーズは、ある日突然姿を消してしまいます。



チーズとは?欲やこだわり

チーズをみつけることは、幸せになるのに必要なものを手に入れることだった。彼らなりにチーズに対する考え方があった。
チーズをみつけることは、物質的に豊かになることだという人もいた。健康を享受することだという人もいれば、精神的な充実感を得ることだという人もいた。
ホーにとっては、安心していられることであり、いつか愛する家族を持つことであり、チェダー通りの居心地のいい家に住むことだった。
ヘムにとっては、人の上に立つ有力者になることであり、カマンベール丘の上に邸宅を構えることだった。
チーズはどこへ消えた?』p28

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チーズは物質的な豊かさ


チーズを資産や収入の安定と考えるのが1番素直かもしれません。

自給自足の生活をされ、お金や資産に縁がないと言われる方にとっても、作物を育ててくれる土地出会ったり天候であったりします。

私たちの体が「生きる」ために欠かせない存在ともいえます。


チーズは気持ちが安心することに欠かせないもの


また、チーズは私たちの心が「生きる」ために欠かせないものでもあります。

それは、安心できる家族であったり、地域の人間関係であったり、楽しませてくれるレジャーでもあるでしょう。


物質的でも精神的でも豊かさにはこだわりがつきもの


資産を多く持つ方は、もっと資産が増えるように、少なくとも減らないように考えるでしょう。

安心した暮らしを送られる人は、その暮らしを失いたくないのは当然です。

「今のままでありたい」

その状況を望む「こだわり」も、チーズの1つといえるのではないでしょうか?



チーズが消えるのは当たり前〜物事や価値観そのものは変わる


「今のままでありたい」

そう思いたいのは当たり前でしょう。

ですが、そうはいかないのが私たちの暮らしです。


物事や価値観は常に変化する


「今のままでありたい」

こんな当たり前の思いが叶わないのは、私たちが暮らす世界は常に変化を続けている世界だからです。

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仏教のお話で取り上げさせていただく「諸行無常(しょぎょうむじょう)」の考え方のように、景気が変わればお金や土地の資産価値も変わり。

働き方が変われば、ガムシャラに取り組む姿勢よりも、効率よく失敗しない方法が評価されたりもします。


チーズは移動もするし消えもする


チーズが物質的な豊かさや、精神的な豊かさなら、それは私たちが手の届かないところに移動もするし、見えないくらい小さく消えたようにもなります。

私たちがコントロールしやすいですが、移動や消え方が大きいものが物質的な豊かさ。

逆にコントロールしにくいですが、移動や消え方が緩やかなものが精神的な豊かさではないでしょうか?



ビットはどこに消えた


ここで、数年前のビットコインバブルを取り上げてみます。

「ビットはどこに消えた」

まさに、「チーズはどこへ消えた」が現実になった出来事でした。


仮想通貨の例〜ビットはどこに消えた


仮想通貨バブル、中でもビットコインは2017年春の900ドルから、12月には12000ドルの価値にまで値上がりしました。

例えば、2017年春に10000円分のビットコインを持っていた人は、勝手に130000円に資産が増えていたことになります。

「ビットはどこに消えた」

その後、ビットコインの価値は急落し、高値のときに購入し資産を失ってしまった方も多く、大きな騒動になりました。

物質的な豊かさのチーズが消えてしまった出来事です。


子どもが独立して地方に行った、病気で不安な日々を暮らさないとならなくなった


精神的な豊かさのチーズは、もっと身近でしょう。

成人したお子さんが独立して地方に行き、子ども中心に回っていた暮らし方が変わった。

突然病気になり、今後のことを不安に思いながら暮らさなければならなくなった。

物質的な豊かさに比べて、自分でコントロールができないのが精神的な豊かさのチーズの難しいところでしょう。



欲やこだわりは「ほどほどに」がちょうどいい


物欲や金銭欲、落ち着いて暮らせる家庭が欲しいというのも欲やこだわりなら、少なくすればするほどいいのでしょうか?

とことん少なくするというのは、違う気がします。

財産への欲がほとんど0なら、収入があってお金を使う日本の暮らしの中では生きてはいけなくなります。

「もっと収入が欲しい」

こうも思うよりも、何か目的があると「ほどほどに」がわかりやすくなりますね。

愛情を失うのが辛いから、愛情を持たない。

こんなことを言っていたら、昔の漫画の登場人物のように極端で生き辛い性格になってしまいます。

こちらも、愛情や安らぎは形を変えるもの、受け止める自分の形も変えていこうと思えるようになりたいですね。


変化を受け入れるということ

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物質的な豊かさ、精神的な安らぎのチーズは量も増えたり減ったり、形も変わります。

ネズミのスニッフとスカリーは、常にチーズの量を気にしていたため、すぐにチーズ探しの旅に出ることができました。

2人の小人のうち、ホーはチーズが消えたことをなかなか受け入れられずにいましたが、友人のヘムを置いてチーズ探しの旅に出向き、新しいチーズを見つけることができました。

もう1匹の小人ヘムは、チーズが消えたことも、友人のホーが旅立ったことも受け入れることができずにいました。

ある日、迷路で出会った別の種族の小人ホープがりんごを探していることをヒントに迷路を出る決断をします。

その後、新しいチーズもりんごもある世界にたどり着いき、友人ヘムやネズミのスニッフとスカリーと再会することができました。

『チーズはどこへ消えた』は、変化についていけるようになってほしいというメッセージを受け取ることもできます。

私はもう1つ、 変化を受け入れるようにならないとなぁというメッセージをいただくこともできましたよ。




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