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出る杭が打たれない方法〜橋下徹さんの『異端のすすめ』の3つの実践

異端のすすめ 強みを武器にする生き方

著者 橋下徹
出版社 SBクリエイティブ株式会社
分類 ビジネス書、一般教養
出版日 2020/2/15
読みやすさ ☆☆★読みやすい

橋下徹さんのビジネス書『異端のすすめ』を紹介させていただいております。

異端力は、限界を突破する力。

ですが、すぐに身につくわけではありません。

異端力が身につくまで、出る杭は打たれる周りの圧力を乗り越える具体的な方法を取り上げてみました。

出る杭は打たれるの?


異端力が「突破する力」なら、異端力を身につけている人、これから身につけようとしている人は、どこか「周りと違う」人のはず。

日本では、特に周りと違う人に集団で圧力をかける「出る杭」を打つ風習があります。

橋下徹さんは、どうお考えなのでしょう?

中途半端な「出る杭」は打たれますが、突き抜けた「出る杭」は打たれるというよりも、周囲を跳ね除けます。
・第5章 合理的に人と付き合えーどんな相手にも負けない駆け引き、交渉力 p160

橋下さんの見解は、突き抜けた「出る杭」は打たれないといわれています。

橋下さんやホリエモンなど、尖っていても一幕置かれている人は、突き抜けた「出る杭」、つまり異端力を身につけた人。

きっと、完全な異端力が身につくまでが大変だったのでしょう。

そこで、突き抜けた「出る杭」に成長するまで打たれないようにする方法をまとめてみました。

『異端のすすめ』では、「見えない掟」「人間関係」「衝突」の3つがポイントとあります。



信頼される3つのコミニュケーション力


突破する力の異端力が身につくまで、そして発揮するときに欠かせないことが信頼されるコミュニケーション力です。

橋下徹さんが弁護士事務所時代、テレビ番組時代、大阪府時代に培われた方法の中で、私もうなづけるものを3つ選んでみました。


集団にある「見えない掟」

どんな組織にも、表からは見えないルールや秩序や慣習、つまり「見えない掟」のようなものがあります。一つの組織に属するということは、言い換えれば、その組織特有の掟を守るということです。「掟」なんてというと大層なことのように感じるでしょうが、たいていは、取るに足らないような些細なものも多いです。でも、その些細な掟に気づくことができるかどうかが、その組織内でうまく立ち回れるかどうかを左右するのです。
・第5章 合理的に人と付き合えーどんな相手にも負けない駆け引き、交渉力 p159

「見えない掟」は、職場の風習や習慣、場の空気など言い方はいくつかあります。

例えば、課長に企画書の決済を受ける前に、「ご意見番」と呼ばれる先輩社員に相談しておく。

他の部署に協力を持ちかけるときは、飲み会でつながりの深いあの人を通しておく、など橋下さんも書かれているように「取るに足らない」ような些細なものです。

これは、いくつか職場を移動している私の経験なのですが、すぐに新しい職場に馴染む方は、「見えない掟」を見つけるのがとても上手な人が多いです。

そして、周りの信頼を集めて小さな問題を解決し、やがて出世していくのもそういう人でした。


誰にでも丁寧に接する「人間関係」

僕が知事・市長のときには、年上の部下にはもちろん、年下の部下に対しても、「さんづけ」で呼び、丁寧語で話していました。もちろん、組織内においては「橋下さんはとっつきにくい」などと、人間関係に少し壁があるという印象を持たれていたことも事実です。
・第5章 合理的に人と付き合えーどんな相手にも負けない駆け引き、交渉力 p166

誰にでも敬語で丁寧に接する。

これは、私も実践し続けていることです。

ただ、キッカケは自分ではありません。

たまたま知り合いだった違う業界の方が、同じ職場に移動してきた時に実践していたことを「そのままマネ」しただけです。

フレンドリーな方が親しみを持たれやすくもありますが、そういう方は「馴れ馴れしい」と思われることもあります。

激しい討論で知られる「あの橋下徹」さんが実践しているので、正しい方法なのでしょう。

「とっつきにくい」と言われても、仕事の関係なので穏やかに信頼される方がメリットが大きいと思いますよ。


批判と侮辱は全く別の「衝突」

「言っていることはたしかに正しいんだろうけど、お前にだけは言われたくない」
人は、このような気持ちで反対感情を抱くことも多い。
そして、このような反対感情を相手に抱かせてしまうのは、正論を主張する側が議論の作法を乱してしまっていることが多いのです。
議論の作法とは、相手に敬意を払うことです。「反論」「批判」はしても「侮辱」は絶対にしないということです。
・第6章 批判と侮辱を同一視してはいけないー他人に振り回されない対人力 p181

最後に、仕事をしていると避けられないのが「衝突」ではないでしょうか?

橋下さんは、「議論の作法」として「反論」「批判」と「侮辱」を分けるようにと書かれています。

難しいのは、何が相手にとって「侮辱」と捉えられるかわからないことでしょう。

ひとまず、相手の意見を全て否定することは避けたいですね。

意見の全体は認めた上で、「この部分はこうした方がいいと思う」と相手の意見に上乗せする形で提案するのがいいと思います。

そして、自分が侮辱されたときには、半沢のように「100倍返し」だそうです。

反撃をするとリスクもありますが、「何を言っても大丈夫」「気弱だから力押しで意見が通る」と思われるより、「対等に話合わないと怒ることもある」と思われた方が自分を守ることにもつながるはずです。



密かに実力を磨きたい人におすすめ


『異端のすすめ』は、これから社会で実力を磨きたい人に具体的な方法を教えてくれる1冊です。

橋下徹さんも書かれていて、ご自身で経験されたように、取り組んだからといってすぐに身につくわけではないはずです。

きっと、突破する力を磨きはじめて、少しだけ周りから抜き出て、そして突き抜ける。

この、少しだけ周りから抜き出て過ごす時期が危険な時期に思えます。

出る杭は打たれる

突き抜けた出る杭は打たれない

この間の時期を過ごすためにも、橋下さんが実践したコミュニケーション力は役に立つ方法だと思えてなりません。




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