本当に本が読みたくなる読書のブログ

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愛とは「安らぎ」の愛情だと教えてくれる1冊

ハーバードの人生を変える授業

著者 タル・ベン・シャハー著、成瀬まゆみ訳
出版社 大和書房
分類 実用書、考え方の本
出版日 2015/1/15
読みやすさ☆☆★読みやすい


今日は最近読み返した本の中で、「愛」と「幸せ」をテーマにした1冊をお届けしますね。

ポジティブ心理学が専門の著者と訳者の紹介


『ハーバードの人生を変える授業』は、原著を執筆されたタル・ベン・シャハーさん、翻訳者の成瀬まゆみさんのどちらも「人生で幸せを感じながら暮らす」ポジティブ心理学の専門家でもあります。


世界的心理学者タル・ベン・シャハー

著者のタル・ベン・シャハーさんは、当時ハーバード大学で心理学の授業をされていた心理学者。

幸せの感じ方がテーマのポジティブ心理学を専門に、現在は世界中で公演を開かれている人気講師の方です。

ポジティブ心理学を実践される成瀬まゆみ

成瀬まゆみさんは、海外の書籍の翻訳者というより、ポジティブ心理学を実践される心理学講師の方です。

現在はご自身のポジティブ心理学 | 成瀬まゆみオフィシャルサイトから、世の中へ幸せを感じる方法を発信されている他、『ポジティブ心理学が一冊でわかる本』を監訳されています。


1週間に1項目ずつ実践できる実用書


『ハーバードの人生を変える授業』は、1つの項目で1つの実践を学べるドリルのような実用書です。


1週間に1つの考え方を実践できる構成

・はじめに p3〜p5
・Week1〜Week52 p10〜p238
・おわりに p239〜p241
・あとがき p242〜p245

本は1週間に1つのテーマ、合わせて52の項目で構成されています。

1つ1つの項目には、「思ったことを書き出す」といった実践方法が紹介されています。


シンプルで語りかけてくれる読みやすさ

1週間で1つずつ読み進めるのも、気になるテーマを選んで実践できるところも魅力的です。

文章も著者の講義が聞こえ、優しい姿が思い浮かびそうな読みやすさがあります。

読書に慣れない方でも、休憩を挟みながら2日くらいで読み進めることができるのではないでしょうか?


愛とは何かを振り返る


急にとても深いテーマになりますが、私たちにとって「愛」とはどんなことなのでしょう?

それは、いつもそばに居てくれる「安らぎ」の中で生まれるものではないでしょうか。


慣れ親しんだ関係がくれる安らぎの愛情

パートナーが客観的にいかに魅力的であっても、またお互いがどれほど主観的に惹かれあっていたとしても、最初のころに感じた興奮や肉体的な魅力はやがて色褪せていきます。刺激的な目新しさは薄れていき、一緒に暮らしているパートナーはしだいに慣れ親しんだ存在となっていきます。
しかしこの「慣れ親しんだ関係」こそが、じつは大きな恩恵をもたらしてくれるのです。
・Week10理解し、理解される p49〜p50

「愛」とは、何なのでしょう?

宝物を慈しむような愛。

身体中を巡り、抑えられない気持ちを打ち付け合う愛。

ハーバード流では、「慣れ親しんだ関係」に愛があると考えるようです。

私は、この「慣れ親しんだ関係」を「安らぎ」の愛情だと思います。

隣り合って何気ない毎日を過ごす、この日常があることが有り難いことで、その中に愛があるんだなぁと。


お互いを理解するということ

シュナーチは、純粋な親密さを育てるためには、「評価されたい」と思うことから、「理解されたい」と思うことへ焦点を移す必要があるとしています。長期的にわたる関係で愛と情熱をもちつづけるには、心の奥底にある本当の自分自身をさらけだすことが不可欠です。
・Week10理解し、理解される p50〜p51

「安らぎ」の愛情の関係を深めるためにはどうすればいいのでしょう?

ハーバード流では、「本当の自分自身をさらけだす」ことを大切にしています。

毎日愚痴を言い合っては、お互いに疲れるかもしれません。

お酒を飲み交わしたリビングで、寝る前に意識が薄らいでいく寝室で、ふと「自分の気持ちを語る」時間を作るのは大切ですよね。

自分が伝えることで、大切な相手にも「本当の自分でいてもいい」と思ってもらえることができるのではないでしょうか。


共通体験を振り返る

カップルが一緒に過ごした時間の中で、幸せだった時間に関心を寄せ、過去を好ましいものとしているなら、ふたりの関係は今後も続く可能性が大きいです。過去や現在の、意義がある楽しい体験に焦点をあてることは、お互いの結びつきを強め、関係性を改善します。
ここでは、意義と楽しみの両方が揃った共通体験に焦点を当てながら、ふたりの関係のいいところを書き出してみましょう。
・Week10理解し、理解される p52

「安らぎ」の愛情の関係が深まったら、その関係を保つことも大切でしょう。

過去を振り返ると、行き違いがあったことも、喧嘩があったこともあります。

その中で、楽しかった、幸せだった体験を振り返ること、お互いの結びつきを強めてくれるとあります。

私も、普段の会話の中で実践したいことだなぁと思った1つです。


「安らぎ」の愛情を行き来させ続けるには?


思いに形はありません。

ですが、お互いの見えないつながり、心に秘めた思いは、形にしなければ伝わらないこともあります。


「ありがとう」を伝える

相手がパートナーでも、先生でも、友人や学生であろうとも、感謝の気持ちを表すことは、充実した人生を送るために大切なことです。
感謝している誰かに、あなたの気持ちをつづった手紙を書きましょう。その人がしてくれたことを具体的にあげて、どういうふうに感じ、どういうふうに感謝しているのか書いてください。
・Week21「ありがとう」を言う p99〜p102

「安らぎ」の愛情を深めて、大切な関係を保つためには「ありがとう」を伝えることが欠かせないのかなぁと思います。

よく「言葉はなくても伝わる」と言われていますが、半分は違うのかなぁと思います。

たしかに、慣れ親しんだ関係の中で言葉にしなくても伝わるやりとりはあります。

気分の優れない表情に気づいて、そっと優しくしてくれたり、お酒を飲みたかったり出かけたかったりするタイミングがぴったり合ったり。

ですが、感謝だけはしっかりと伝えたいなぁと思います。


ハーバードで実践される「ありがとう」の伝え方

1.感謝している人の名前をリストアップする
2.手紙に、その人がしてくれたことを書く
3.そのときの気持ちや、いまどう感じているかを書く
4.手紙を出す(もしくは自分で届ける)
・Week21「ありがとう」を言う p103

お手紙のやりとりというと、どうしても10代の若者が思い余って、メールやLINEで伝えられない思いをさらけ出すように思われるかもしれません。

私は、大人になってから、年齢を重ねてからでも素敵だなぁと思います。

いつもいてくれる感謝

そばにいてくれる思い

これからも一緒に過ごてくれる気持ち

思いを形にして伝えるのは、そんなに恥ずかしいことではないはずですよ。

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