『わいたこら。−人生を超ポジティブに生きる僕の方法』新庄剛志
著者 新庄剛志
出版社 株式会社 学研プラス
分類 エッセイ、ノンフィクション
出版日 2018/10/2
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
2022年は野球ファンの方だけではなく、多くの方の注目を集めた新庄剛志監督。
2023年の決意も発表された新庄監督から、溢れ出る元気とポジティブな考え方をもらえる本を紹介させていただきますね。
著者 新庄剛志監督の紹介
紹介の必要はないほど有名な、プロ野球日本ハムファイターズ監督の新庄剛志さん。
2022年9月28日に、「BIGBOSS」の名前を返上されたため新庄剛志監督、新庄剛志さんと紹介させていただきます。
新庄監督の経歴
・1972年福岡県出身、著書にも書かれているように裕福ではない少年時代をスポーツ万能として過ごし、プロ野球選手を目指す
・1990年阪神タイガース入団、ゴールデングラブ賞を始め大活躍される。「新庄節」と呼ばれる独特の表現が生まれる
・1999年、恩師として尊敬する野村克也監督と出会う
・2001年メジャーリーグ、ニューヨーク・メッツ移籍
・2002年、移籍先のサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍、日本人選手初のワールドシリーズ出場
・2004年、日本ハムファイターズ入団、「新庄劇場」と呼ばれるパフォーマンスとビッグプレーで活躍する
・2006年、プロ野球日本選手権シリーズ優勝、引退
・2010年、バリ島へ移住
・2019年、プロ野球復帰を宣言、トライアウトを受ける
・2022年、日本ハムファイターズ監督「BIGBOSS」に就任。シリーズ終幕で最下位の責任を取り「BIGBOSS」を返上
・2023年、日本ハムファイターズ新庄剛志監督として続投、エスコンフィールド北海道を盛り上げる予定
参照)
新庄剛志さんの経歴は、とても書ききれないため、箇条書きでまとめてさせていただきました。
2023年も日本ハムファイターズの新天地で活躍を宣言されていますよ。
『わいたこら。−人生を超ポジティブに生きる僕の方法』本の構成と読みやすさ
5つの章とプロローグ・エピローグで構成され、話し言葉で書かれた内容は、新庄剛志さんの声が聞こえてきそうな不思議な1冊です。
本の構成
・プロローグ 僕は見事に、しくじった p3~p12
・第1章 人生のどん底で、僕はこんなことを考えた p22~p57
・第2章 「スター・新庄」ができるまで p60~p128
・第3章 僕が持っていた運と、不思議な力 p130~p177
・第4章 家族のこと p180~p224
・第5章 そして、今の僕のこと p226~p261
・エピローグ これからの僕のサクセスストーリー p262~p265
『わいたこら。−人生を超ポジティブに生きる僕の方法』は、5つの章とプロローグ・エピローグで構成されています。
出版された2018年の「今」から遡り、第5章で「今」の考えを、エピローグで「これから先」の未来を綴られています。
「しくじり先生」で知った新庄剛志さんの真実
現役の頃の活躍は有名で、引退されてからのバラエティ番組でのエピソードで「変わっているけどすごい人」と新庄剛志さんを知ったつもりでいましたが、驚きの真実を知ったのは数年前のことです。
2017年2月にバラエティ番組『しくじり先生』に出演されて語られたのは、何とプロ野球選手時代に稼いだお金のほとんど全てを、信頼していた人に使い込まれていたという衝撃の出来事でした。
僕は、信用していた人にお金を使い込まれていた。
それも、100万円とか200万円のレベルじゃない。
20億円だ。
・プロローグ 僕は見事に、しくじった p6
お金を使い込まれ生活を失った「どん底」の出来事から、現役時代よりもさらに明るく登場されるまでの思いは、本の中で余すことなく語られています。
元気をもらえる言葉
「わいたこら」は、九州の方言で「なんじゃこりゃ」という意味があるそうです。
ご自身も衝撃を受けた「わいたこら」な出来事、輝かしい活躍に隠れていた苦労と努力から、暮らしづらい世の中で過ごす私たちが元気をもらえるメッセージが込められています。
いつも明るく
やっぱり、明るく行動したほうがいい。
絶対にいいことが起きる。
・第3章 僕が持っていた運と、不思議な力 p168
眉間にしわを寄せていたり、真剣に何かに向き合っている顔の人より、ニコニコ笑っている人の方が「近づきやすい」のは年代に関わらず実感しやすいのではないでしょうか。
新庄剛志さんがメジャーリーグに挑戦された際にも、英語を身につけていなかったためコミュニケーションに躓いたことがあったようです。
それでも、知っている言葉で明るく笑顔で過ごしていると、チームメイトの方から話しかけてくれるようになったと書かれています。
明るい笑顔で過ごすことで、人を引き寄せることは、どうやら世界共通のようですね。
自分にあるものに目を向ける
僕は「自分にあるもの」に目を向けた。
自分が得意なことを、人一倍がんばった?
だから、今の僕があるんだと思う。
・第3章 僕が持っていた運と、不思議な力 p158
自分に欠点があったり、何かミスを繰り返してしまう時は、「欠点を改善しよう」と考えてしまうものです。
新庄剛志さんは、「自分にできないことがある」と気がついた時、欠点に向き合うよりも、「得意なことを頑張る」よう取り組まれたと書かれています。
技術的な仕事についている私には、とてもわかりやすい内容でした。
欠点やミスで周りに迷惑をかけてしまうなら、得意な技術を磨いたり新しい技術を取り入れて、迷惑をかけた以上の貢献をしよう。
そう思ったこともあります。
人間関係や生き方にも当てはまる、これからが明るく考えられる方法なのではないでしょうか。
未来を見る
一寸先は闇じゃない。
一寸先は、光だと思った方がいい。
何が起こるかわからないけど、何が起きても楽しくしてみせる。そうやって生きていれば、きっと楽しくかるから。
・第5章 そして、今の僕のこと p256
栄光を経験し、どん底も経験した、そして平穏の中での暮らしも経験された新庄剛志さんの悩みに対する答えは……。
「過去を見ないで、未来を見たほうがいい」
何が起こるかわからないですが、悪いことが起こったとしても、「その次はいいことが起こるかも」と前向きに先を見ることが大切なんですね。
楽観的すぎるのも困りますが、過去の悪いことばかり気にしているのも同じくらい困るもの。
未来を見る目線を持ったほうが、工夫や努力はしやすいということなんですね。
新庄剛志さんが本音で語る1冊
『わいたこら。−人生を超ポジティブに生きる僕の方法』は、秋の季節で落ち込みがちな私に元気をくれる本でしたよ。
なぜなら、大げさなことや変わったとは言っても、常に本音で語られる人が新庄剛志さんだからです。
この本では、ありのままの僕を伝えたい。
ありのままの新庄剛志、どん底から這い上がった、今の新庄剛志を知ってほしい。
僕が話すことがブッ飛んだことばかりなのは自分でもわかっている。でも、僕の経験が何かヒントになったり約だったりすれば、とても嬉しい。
格好いいことばかりじゃないけど、本音で語ろうと思っている。
・プロローグ 僕は見事に、しくじった p12
新庄剛志監督をもっと知りたい方はもちろん、「最近なんだか元気がでないなぁ」と落ち込みがちな方にもおすすめの1冊です。