誰でも今すぐできる無財の七施(むざいのしちせ)
今日は、仕事や暮らしの中で簡単に取り組めて、「相手に優しく自分も穏やかになる」7つの実践のお話しです。
無財の七施(むざいのしちせ)と呼ばれる7つの実践は、お金もかからず今すぐ誰でも取り組むことができますよ。
今からできる「相手に優しくする7つの実践」
誰でも、今すぐはじめられる「相手に優しくする7つの実践」があります。
それは、無財の七施(むざいのしちせ)と呼ばれる7つの取り組みです。
仏教の考え方の1つなので、難しく聞こえるかもしれません。
言葉は難しいのですが、普段の暮らしの中で簡単にできる取り組みです。
効果は、2つあります。
相手への優しさは自分も穏やかになる
人間関係が悪くならない
今まで紹介させていただいた仏教の本に書かれていたこと、私が自分で実践したことをお話しさせていただきますね。
専門家も実践している仏教の教え
ここで、7つの実践「無財の七施(むざいのしちせ)」について本に書かれている内容を取り上げてみます。
相手と「お互いにちょうどいい距離感」が築ける
お釈迦様の教えに「無財の七施」というのがあります。
お金をかけずにできる七つの施しのことをいいます。
優しい眼差しで相手に接しようという「眼施(がんせ)」。
人に対し穏やかな笑顔になるという「和顔施(わがんせ)」。
自分から人に対し働き、心を尽くすことをいう「身施(しんせ)」。
思いやりのある温かい言葉を相手にかけることをいう「言辞施(ごんじせ)」。
穏やかな心で人に接することをいう「心施(しんせ)」。
人を家に泊めてあげたり、休息の場を提供する「房舎施(ぼうしゃせ)」。
そして自らの場所を相手に譲ることをいう「床座施(しょうざせ)」です。
廣中邦充『どんな命も花と輝け』p140
廣中邦充さんは、大手企業で営業の仕事をされ30代で浄土宗のお寺を継がれたお坊さんです。
お寺では、不登校や親子関係、非行で悩んでいた子どもたちを引き取り世の中へ送り出す手助けをされていました。
2019年に他界されるまで、多くの子どもたちと関わった経験を著書や講演で語られたお坊さん作家さんです。
廣中さんは、無財の七施は身近な方や普段は接点のない方との人間関係で「お互いにちょうどいい距離感」を築く方法と書かれていました。
今すぐに始められる
布施というと、金品を与えることを思いがちですが、それだけではありません。
①眼施(がんせ):優しい眼差しを他人に向けることです。相手を睨んだりしないことです。
②和顔悦色施(わがんえっしきせ):和やかな顔で、いつも微笑みを絶やさないことです。
③言辞施(ごんじせ):優しい言葉で話すことです。
④身施(しんせ):労働力や手を貸してあげることです。ちょっとしたお手伝いですね。
⑤心施(しんせ):周囲に気配りをすることです。心を施すことは最も重要でしょう。
⑥床座施(しょうざせ):座るとこや寝る場所を提供することです。公共の乗り物で座席を譲ったり、道を譲ったりすることです。
⑦房舎施(ぼうしゃせ):住まいを清潔に保つことですが、住まいだけでなく家の周囲や近所の清掃をすれば、もっといいのではないでしょうか。
お金や物がなくても、誰でも今すぐに始められる布施行です。実行すれば、心に溜まった塵を捨てられるでしょう。
鳥澤廣栄『超訳 仏教の言葉』p96〜p97
私のブログで、著書を取り上げさせていただくことの多い鳥澤廣栄さん。
真言宗のお寺で私たちの悩み事を解決する、お悩み相談に取り組まれています。
お悩み相談の経験から、私たちのストレスや不安を解決できる本を数多く執筆されるお坊さん作家さんです。
鳥澤さんによると、無財の七施は「誰でも」「今すぐ」始められるメリットがあり、自分自身のわだかまりも減らすことができる方法と書かれています。
無財の七施で見直せる普段の行い
お2人のお坊さん作家さんの本では、7つの実践の中で、使われている言葉と順番に少しだけ違いがありました。
ここでは、廣中邦充さんの順番でまとめさせていただき、鳥澤廣栄さんの本に書かれていた実践方法を加えてみます。
①眼施(がんせ)〜優しい眼差し
無財の七施、1つ目の実践は「優しい眼差し」を向けることです。
真剣に仕事に取り組んでいたり、考えごとをしていると「真剣な眼」になります。
ですが、心の中は相手には伝わりません。
真剣な眼も、見る人によっては「怖い」と思われることもあるでしょう。
真剣なときも考えごとをしているときも、優しい眼差しを心がけたいですね。
花水(hanami)は、実践してから3年くらいになりますが、それまでに比べて話しかけてくる方が増えたと思いますよ。
②和顔施(わがんせ)〜和やかな笑顔
無財の七施、2つ目の実践は「和やかな笑顔」です。
こちらも、私たち日本人が苦手なことではあります。
いつも笑顔でいたいのですが、花水(hanami)も難しいと思います。
そこで思ったのは、誰かと目があったら笑顔を見せるように心がけていますす。
③身施(しんせ)〜ちょっとしたお手伝い
3つ目の実践は、「ちょっとしたお手伝い」。
レジで並んでいるときに、前の方が落とした小銭を拾ってあげたり、ドアを開けてあげるだけでいいと思います。
重そうな荷物を持ったお年寄りの方に声をかけたいものですが、このご時世ですから置き引きに間違われてしまうかもしれません。
「ちょっとした」ことがポイントなんだと思います。
④言辞施(ごんじせ)〜思いやりのある言葉
4つ目の実践は、「思いやりのある言葉」です。
話し方って、生まれた地方やそれまでの暮らしもあってなかなか直すことができないものです。
そこで、実践しやすい思いやりのある言葉を3つ取り上げてみます。
「クッション言葉」
「ゆっくり話す」
「プラス思考言葉」
1つ目のクッション言葉は、コミュニケーションの本に書かれることが多いですね。
何かを伝える前に、「恐れ入りますが」「お手数ですが」「失礼ですが」を言うことで、伝わる内容は変わらなくても、伝え方が優しくなるはずです。
2つ目は、「ゆっくり話す」ことです。
同じ内容でも、早口で言われると何だか急かされているような、押し付けられているように思う方もいるでしょう。
ゆっくり話すだけで、会話が円やかになるはずです。
3つ目は、花水(hanami)独自で、会話の中の相づちで「いいですね」「大丈夫」など「いい意味」で使われる言葉を混ぜるようにしています。
この話し方を勝手に「プラス思考言葉」と呼んでいます。
接客の専門家ではないので、「プラス思考言葉」はあくまで独自の取り組みで本当に役に立つかはわかりません。
お客さんに、「明るくなる」「落ち着く」と言われたことがあり、いい印象を持ってくださる方もおられるようですね。
⑤心施(しんせ)〜穏やかな心配り
仏教の考え方の本で紹介されている取り組みは、後半ほど難しくなるように思えます。
無財の七施は、1つの取り組みが1つの内容なので、だんだん難しくなることはありません。
5つ目の心施(しんせ)は、穏やかな心配りとあります。
鳥澤廣栄さんは「最も大切な取り組み」と書かれていて、廣中邦充さんは「穏やかな心」で接することがポイントと書かれています。
心がけるのも大切ですが、自分自身も十分に睡眠時間を取って余裕のある心でいることが大切に思えます。
相手にとって優しくできること
7つの実践「無財の七施(むざいのしちせ)」、具体的に書いてみると、意識していれば誰でも取り組めることです。
一般人の花水(hanami)でも、いくつか実践できているので大丈夫。
そして、7つの実践すべてに共通することがあります。
それは…相手にとって優しくできること。
相手への優しさは自分も穏やかになる
相手にとって優しくできることは、自分にとってもメリットがあります。
「相手に優しくしたから、自分も優しくしてもらえる」
そう思うかもしれませんが、見返りは必ず返ってくるわけではありません。
なぜなら、未来は不定であり、先はわからないからです。生きているうちに報いが来るかもしれませんし、すぐにやってくることもあるかもしれません。
あるいは、なかなか報いが来ないで、そのまま亡くなってしまう………つまり、生きているうちに報いが来ないこともあるかもしれません。報いは善いにつけ悪しきにつけ、いつ来るかはわかりません。
鳥澤廣栄『ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方』p98〜p99
見返りに優しくしてもらえることは、ないかもしれません。
それでも確かなことは、2つあります。
相手への優しさは自分も穏やかになる
人間関係が悪くならない
相手に優しくする7つの実践、無財の七施(むざいのしちせ)、取り組んでみてはいかがでしょうか?
参考にした本と関連ページ
えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ!名取芳彦
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どんな命も花と輝け 廣中邦充
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ブッダが死ぬ前に繰り返し説いた 悩みに強くなる考え方 鳥沢廣栄
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超訳 仏教の言葉 鳥沢廣栄
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超訳 般若心経境野勝悟
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