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幸せを感じる方法が身につく本『ハーバードの人生を変える授業』

ハーバードの人生を変える授業

著者 タル・ベン・シャハー著、成瀬まゆみ訳
出版社 大和書房
分類 実用書、考え方の本
出版日 2015/1/15
読みやすさ☆☆★読みやすい

とても心に残る内容だったので、8月1日に1度紹介させていただいた『ハーバードの人生を変える授業』。

今回は、幸せを感じる方法の工夫をテーマにお送りいたします。

世界の「幸せの価値観」と「幸せを感じる方法」の工夫は?


世界基準の「幸せの価値観」は、きっとないはずです。

信じる宗教、培った文化、家族のあり方は世界中で大きく違うから。

ですが、「幸せを感じる方法」の工夫には共通点があるのかなぁと思います。

それは、私たちが同じ仕組みの生き物だからです。

そこで、世界中から集まる人に向け授業をしているハーバード大学の教えを参考にしてみますね。



「幸せを感じる方法」の工夫は「物事の見方」と「自分を振り返る」こと


『ハーバードの人生を変える授業』には、合わせて52の実践があります。

その中で、「幸せを感じる方法」の工夫には「物事の見方」「自分を振り返る」2つの項目が役に立つはずです。



物事の見方を変える


「物事の見方を変える」ためには、出来事を受け止めることと、広い目線を持つ方法が取り組みやすいのではないでしょうか?


物事の見方を変える認知療法を取り入れる

認知療法の基本前提は、「人は出来事そのものに対して反応するというより、その出来事への自分の解釈に反応する」というものです。
ある出来事をどう解釈するかによって、思考が生まれ、その思考によって感情が生まれます。
認知療法の目的は、歪んだ考えを取り除き、現実感を取り戻すことです。不合理な考え方、つまり認知の歪みがあることがわかったら、その出来事に対する考え方を変え、違ったように感じればいいのです。
・Week24解釈を変える p113〜p114

認知療法は、心療内科の心理士の方が心の病を治療するための方法です。

私たちの悩み事は、①「ある出来事」が起こり、それを②「自分の中に受け入れ」、納得するのか受け流すのか否定するのかを③「考え」ます。

その結果、①「ある出来事」は悩み事にもなり、どうでもいいことにもなります。

認知療法では、③「考え」の部分を現実に見合う形でコントロールする方法といわれています。


広い目線を持つ3つのステップ

心をかき乱すような不安な感情に対処するのに役立つ方法のひとつとして、PRP法があります。
PRP法とは、自分自身が人間であることを許すこと(permission=P)、状況を再構築すること(reconstruction=R)、そしてより広い視野から見ること(perspective=P)の3段階を踏む方法です。
まず、自分が人間であることを許し、起こった出来事とそのときに感じた感情をあるがままに認めます。
次に状況を再構築します。その出来事がもたらしたよいことは何でしょう。
最後の段階として、一歩引いて、その状況を広い視野で眺めてみます。
PRP法を実践する場合、必ずしも順番にやる必要はありません。「許可」から直接「広い視野から見ること」に飛んでも構いません。
今までの経験を思い出してもらってもいいですし、いま起こっている出来事に試してみるのもいいでしょう。
・Week24解釈を変える p115〜p117

不安なこと、誰にでもありますよね。

私は、不安が多い方です。

ですが、不思議なもので身の回りで起こっていることの質と量の差は大きくないはず。

私のように不安を感じる人もいれば、わが道を行くように何の不安もない人もたまにいます。

不安を感じやすい人には、紹介されているPRP法の3つのステップが向いているのかもしれません。



自分を振り返るためには?


自分を振り返る項目では、現実的な目標を設定することが大切なのではないでしょうか。

もう1つ、印象的だった内容と合わせて紹介させていただきますね。


目指していることは達成できる?

大きな望みや高い期待と、その対極にあるつらい現実。その間のバランスをとることは、目標を設定するためにも役立ちます。どんな目標が現実的であり、かつやる気を起こさせてくれるかを見極めるのは簡単ではありません。しかし心理学者のリチャード・ハックマンもこう言っています。「やる気が最大となるのは、成功する可能性が五分五分の場合である」。
・Week28期待をコントロールする p128〜p129

仕事の目標、勉強の目標、スポーツの目標、ブログの目標。

目標を立てるとき、最近の私が気をつけているポイントが1つあります。

それは、「何が得られたか」ではなく「何をしたか」を目標にすることです。

「行動科学」と呼ばれる、仕事の教え方に書かれていたことを暮らしの中にアレンジしたものです。

www.yu-hanami.com


そして、いよいよ目標を立てるときに目安にするポイントは「達成できる可能性が50%」がいいようですね。

例えば、私 花水(hanami)はブログの記事を年間260記事更新しています。

記事数を増やすなら、あと毎月3〜4記事増やすと300記事更新することができます。

364記事毎日更新は、本業もある私にとって現実的ではありませんが、毎月3記事増やすなら、50%の可能性で達成できそうです。


未来の目線で自分を見つめる

あなたは、いま110歳です。先日タイムマシンが発明され、それを使う最初の人間のひとりに選ばれました。NASAの科学者でもある発明者は、この本を最初に読んだ日にあなたを戻してくれるそうです。経験豊かな人生の知恵を持ったまま、あなたは過去にもどり、若く経験不足の自分自身と15分間過ごすことになりました。あなたは、若いあなた自身に何を伝えますか?どんなアドバイスをしますか?
・Week51未来からいまをながめる p232

最後に、印象的だった内容をまとめてみます。

「110歳になった未来の自分が現代の自分にアドバイスをする」

自分にとって大切なことを、自分を知っている第3者の目線で振り返る方法です。

110歳の花水由宇、そこまで長生きなのかはわかりませんがひと言伝えるなら。

「今の暮らしを大切にするといい」

「最高の未来は、少しずつ現実に合うように変わっていって、満足できる未来になるはず」

「今があるのが、幸運なのだから」


今が不安で明るい未来が見えないときに開きたい1冊


毎日、国内や海外の感染のニュース、現実的になった不況。

明るい未来が見えない話題ばかり。

ですが、ワクチンは出来上がり、今までとは違っても世の中は動き出します。

ただ今が、先が見えないだけ。

それでも未来はあります。

そう感じる方は、『ハーバードの人生を変える授業』を手にとってみてはいかがでしょうか?

www.yu-hanami.com



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