初詣と季節外れの陽気
季節外れの天気
季節外れの、4月並みの暖かさが訪れたある日。
ちょっと長めのお散歩を兼ねて、初詣に行くことにしたんです。
同じ日の東京都内は17℃と、桜の咲きそうな気温だったそうですが、こちらも10℃近い気温。
「それで暖かいの?」と思われるかもしれませんが、北国の1月はお昼でも−2~5℃なんです。
風が少し吹いただけで、素肌が出てる場所は赤くなってしまうほどの寒さ。
こちらの「いつもの服装」をしていたら、10℃近い気温は汗をかいてしまうくらいの感覚なんです。
コロナ前に鐘をつかせていただいたお寺へ
訪れたのは、2年前に鐘をつかせていただいたお寺です。
最寄り駅から10分、こちらは乗り物の中も寒いため、この季節は訪れる日を選ぶ距離にあります。
ちょうどお坊さんが外回りから戻る
本堂の屋根からは、雪が溶けた雫が落ち、今の季節が3月くらいかな?と錯覚するほどの陽射しと暖かさでした。
お寺というと、開け放たれた本堂の土間で履き物を脱いでお参りしますが、北国の冬は防寒対策で本堂の入口を閉めるお寺がほとんど。
2年前のように館内の入口へ向かおうとすると、ちょうど外回りのお仕事から戻られたお坊さんと同じタイミングでドアの前に。
御朱印とお布施
お坊さん自ら、靴入れの場所から本堂まで丁寧にお招きいただき恐縮する私たち。
さらに、参拝中に御朱印を書いていただけると言っていただき、有り難くお願いすることにしました。
2年前の初詣は夕方だったため、屋内照明でシックな佇まいだった仏像様。
今回は、晴れたお昼のお参りです。
天窓から射し込んだ太陽を受ける、阿弥陀様、観音様、勢至菩薩様は世の中を照らしてくださっているかのようなお姿でした。
天幕のような装飾は、1つ1つが植物や鐘になっていて、仏像様から反射する陽の光でキラキラと輝いています。
天井に掘られた花や生き物の彫刻も、明るい時間に見てみるとカラーなんですね。
本堂全体が仏様の世界を表しているんだなぁと、お参りを終えても見とれてしまう私たち。
ご本尊と呼ばれる中央に鎮座する仏像様の他にも、小さな仏像様や彫刻と書にしばらく見とれてしまっていたようで、お坊さんが御朱印を書き終えるまで本堂で過ごしていたようです。
御朱印は、「初詣なので、謹賀新年のサービスをさせていただきました」と銀色のスタンプつきです。
お代を支払おうとして、「こういう時は…」と気がついたのがお布施でした。
絵馬をいただく
祖父の法要の時から鞄に入れたままの小袋を思い出し、目配せした私たち。
お坊さんは察していただいたのか、「入口の受け付けでお待ちしております」と本堂を後にされます。
お代と僅かばかりのお札を小袋に入れ、お待たせしてしまったお坊さんに納めさせていただくと、参拝の記念にと兎年の絵馬を手渡していただけました。
夏場、本堂に入る入口に設けられた絵馬を結ぶ木の棚。
「平和で穏やかに過ごせますように」と仏像様に願いを託し、お寺を後にした私たち。
2年前のお参りの日よりも、暖かく晴れ渡る空がそこにありました。
おみくじは凶
このお話にオチがあるとするなら。
私のおみくじは、「凶」の一文字だったこと。
これも、「気をつけて過ごしなさい」という仏像様のメッセージなのでしょうね。