ブログにも応用できるベストセラー 池上彰の『伝える力』~本の内容
著者 池上彰
出版社 株式会社 PHP研究所
分類 実用書、ビジネス書
出版日 2007年4月19日
読みやすさ ☆☆★読みやすい
池上彰さんのベストセラー『伝える力』の2回目の紹介です。
『伝える力』をお勧めする3つの理由
ブログにも応用でき実用性が高い
『伝える力』は第1章と第2章で内容を理解したあと、第3章と第4章で実際の仕事の場面での実例を知ることができます。
その後の第5章から第8章までが実践的な内容になり、自分で取り組むことができる実用書。
そして、この実践例はブログにも応用すふことができますよ。
ブログにも使える「書く」ことの3つのポイント
今回はブログに応用できると思い、私が実践した内容を3つ紹介します。
冒頭の工夫が読んでもらえる文章になる秘訣
大きなニュースは、誰もが関心があるから、記事に特別な工夫をしなくても多くの人が読んでくれます。
しかし、切り口が問われる連載記事はそうはいきません。読んでもらうための“仕掛け”が必要になります。
中略)
注意して読むとわかりますが、こうした連載記事は、出だしを「○×・・・・・・」と会話文から始めていたり、「□▽さんは驚いた」などというフレーズで始めていたりします。読者の興味を喚起するため、いろいろ工夫しているのです。
p48 第2章 相手を惹きつける 13.(1)映画や連載記事に学ぶ“つかみ”方
「出だし」はブログでは「リード」になるんでしょう。
新聞や雑記の他にブログでも、記事のリードが興味を引くかどうかで読んでもらえるかが決まると思います。
例えば専門的な内容を掘り下げた『特化ブログ』の記事でも、リードを会話文や興味を持ってもらえそうなキャッチフレーズで始めることが重要なのではないでしょうか?
文章を書く力を養うにはフォーマットを持つ
たとえば、報告書の場合には、「目的」「経緯」「結論」などが必要項目になります。報告書などをまとめる場合には、まず自社のフォーマットを知り、それに沿って文書を作成することが求められます。それだけで、ある程度の文書は書けるようになるものです。
p106 第4章 ビジネス文書を書く 34.(1)フォーマットを身につける
この第4章はビジネス文書を書くための章ですが、「文章を書く」ことはブログも同じ。
ですが、ブログには会社と違い文章のフォーマットはありませんよね。
この章が私がブログで本を紹介する『本の紹介』記事のフォーマットを考えるようになったきっかけでもあります。
自分の気持ちや感性を込めた文章を書く
ここまでは「フォーマット」を生かしながら、文書をまとめる方法を紹介してきました。フォーマットはとても大切です。
しかし、もっと大切なのは、当然ながら「中身」「内容」です。この中身や内容は、オリジナルでなければなりません。
中略)
報告書や提案書には、まさにオリジナリティが求められます。
中略)
色、音、味、におい、手触り。五感を研ぎ澄まし、現場の空気を感じ取って、報告書や提案書の中にさりげなく入れるのです。そうすることで、報告書や提案書はあなた独自の文書になると同時に、臨場感の漂う文書になることでしょう。
p116 第4章 ビジネス文書を書く 39.(6)「五感」を大事にする
こちらも同じ第4章のビジネス文書の内容ですが、章の前半がフォーマットを身につけて起承転結のある文章を書くことを伝えているのに対して、後半は応用になります。
それは、五感や感情を込めた文章にすることでお話の臨場感が高くなるというものです。
ここが私が『本の紹介』記事を書くときの表現方法の参考にした内容でもあります。
『伝える力』ではビジネス文書を書くことの実践例を紹介していますが、見方を変えるだけでブログに応用することもできるお思いますよ。
相手にわかりやすく伝える力を鍛える3つの方法
ブログへの応用ができそうな1冊ではありますが、池上彰さんの伝えたい著書の思いは「相手にわかりやすく伝える」ことです。
その方法を3つ取り上げてみましょう。
まず自分が理解する
例えば、難しい科学用語が紙面に躍っているとします。
みんなが使っているから、恥をかかないようにコッソリ調べておこうとする。
これ自体は良い心がけでしょうが、「こういうことか。なるほど、なるほど」と思っても、それだけでは本当に理解したことにはなりません。
中略)
特に、そのことに関してまったく知識のない人にわかるように伝えるには、自分も正確に理解していないと、とても無理です。うろ覚えや不正確な知識、浅い理解では、相手がわかるはずもありません。
p19 第1章 「伝える力」を培う 2.深く理解していないと、分かりやすく説明できない
例えば車やコンピュータ、知っていなければわからない医療のお話などで説明の上手な方は、きっと自分の専門的なことを深く理解している人なんだと思います。
誰かに伝えるためには自分自身が専門の内容を底まで知っていなければならない、専門職でもある私も大切にしたい内容です。
難しいことを簡単に伝える
難しく書けば(言えば)、立派なことを書いた(言った)気になるのは、勘違いも甚だしいのですね。難しいことでも簡単にわかりやすく書いたり、話したりすることこそ、実は難しく、高度な能力なのです。
p153 第6章 わかりやすく伝える 53.(5)「難しいことも簡単に」書く、話す
そして、難しいことや専門的なことの説明が上手な人は「簡単な言葉」に置き換えたり、「身近な例え」を使ったりしますよね。
専門用語を並べて難解な解説をするよりも、この「置き換え」ることができる人の説明が本当にわかりやすいことではないでしょうか?
例えば、最近の車に多いダウンサイジングターボで2つ例をあげてみました。
「ダウンサイジングターボのコンセプトは、小型化されたタービンでエンジンを補助することで出力を上げても回転数を………」、聞きたくなくなりますよね。
「大きなターボはエンジンの力をさらに上げるために付けられていました。これを小さなエンジンにターボをつむことで、小さなエンジンでも大きなエンジンと同じ力が得られます。この仕組みをダウンサイジングターボと言います」、これなら少しわかりやすいのではないでしょうか?
小説を読むこともインプットを鍛えることになる
相手に何かを伝えようとするときには、その相手に伝えたいことのイメージを持ってもらう必要があります。そのイメージの伝え方を学ぶには、小説を読むのが最適です。
p188 第8章 上質のインプットをする 64.小説を読む
小説を読むことのメリットも取り上げられています。
ここで、「勉強しなさい」と言われたら実践的ではなくなってしまいます。
小説の種類は問わないと池上彰さんは言っていいて、ミステリー、ファンタジー、SF、歴史小説、恋愛小説何でもいいということです。
方法は小説を読んでいるときに頭の中に絵や動画などのイメージが浮かんでいる方もいるでしょう。
妄想力の高い私はドラマが浮かびますが、物事を伝えるときに相手にこのイメージを持ってもらえるかが伝わりやすくなる秘訣になります。
これはイメージの話でしたが、小説の読み方は小説の文章の構造を分析しながら読んでみることにあるそうです。
ある小説に引き込まれやすい場面があった場合には、その場面の冒頭はどうだったか、頭の中に強くイメージが浮かぶ表現はどうか?
といった方法です。
小説好きとしては物語を楽しみたい気持ちもあるので、2回目以降に読み直すときに意識してみることをお勧めしますよ。
ブログの運営にも活用できるたのは?
本の紹介のフォーマットを作ってみた
ブログで『本の紹介』記事を書いていて、なかなか納得のいく記事が書けない日々でした。
今でも十分納得いくわけではありませんが。
そこで、毎回決まった流れで紹介できるように本の種類別のフォーマットを自分で作って書き方の練習をしています。
フォーマットについては、こちらに詳しく書いてありますので、私が「ちゃんと学んでいるか」を確認してみて下さいね。
感性をどの程度盛り込んだ文章にするか書籍ごとに当てはめた
元々まともに勉強してこなかった私です。
文章のことは、本をたくさん読んでいるだけで何も知識がありませんでした。
そこで、文章の表現がどうかを自分で把握するためにも、書籍ごとに叙事的か叙情的かで感性を盛り込む程度を決めてみました。
感性をどの程度盛り込むかは、こちらにも詳しく書いてあります。
あくまで、ブログの専門家ではない私が池上彰さんの本を読んで考えた内容です。
まだまだ、書くことの勉強は必要ですね。
『伝える力』のまとめ
池上彰さんの『伝える力』はいかがでしたか?
読みたくなりましたか?
もし読みたくなった方が少しでもいたなら、私の『伝える力』も少しは鍛えられたことになりますね。
『伝える力』をひと言で言うとこう伝えたいですね。
ブログにも応用できる実用的で内容の信頼性もあるテキスト
最後に池上彰さんの言葉で締めくくります。
コミュニケーション能力は、現代人にますます問われるようになっています。商談や会議、打ち合わせ、プレゼンテーション、企画書や報告書の作成、電話での交渉、メールを使った連絡、ファックス、手紙等々、人に何かを伝え、人とコミュニケーションをとる機会は増える一方です。それらによって、業績が左右されることも往々にしてあります。
ビジネスパーソンなど現代人に必須の能力といえる「伝える力」。では、その力はどうやって磨き、高めていったら良いのでしょうか。
本書では、そのヒントをできるだけ「伝え」ていこうと思います。
池上彰
文章力の本の関連リンク
『マジ文章書けないんだけど』前田安正
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『残念ながら、その文章では伝わりません』山口拓朗
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『伝える力2』池上彰
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『伝える技術』池上彰
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