お経の意味は「超訳」を読んで「私訳」してみるとわかりやすい〜般若心経の場合
仏教関連の本を読んでいると、お坊さんや仏教の専門家の方の書かれた内容で「~経でも言われていることで」と、お経を参考にした記載を目にします。
ちょっと凝り性の花水(hanami)は、元になったお経が気になるんです。
そこで、お経の「超訳」本を読んで『般若心経』を「私訳」してみたお話をさせていただきます。
お経はそのまま聞いてもわかりにくい
以前、お経の意味がわかりずらい3つの理由 - 本当に本が読みたくなる読書のブログで、お経がわかりにくい3つの理由をお話しました。
お経がわかりにくい3つの理由は
①お経は元々の言葉がサンスクリット語であったこと
②中国で漢語に訳されたお経が日本に伝わったこと
③漢語を音読みで読んでいるため
でした。
音読みですので、聞いていて意味はわかりにくいですよね。
ですが、読むと意味のわかる言葉もあります。
いくつかの般若心経の本を読んで私訳してみる
最近ではお坊さんや、仏教の専門家の方がお経の「超訳」の本を多く出版されています。
そこで、日本の大乗仏教で宗派を問わず多く読まれていて、写経でも身近な『般若心経』を取り上げてみます。
いくつかの本の「超訳」を参考に、話し言葉風に私訳してみましたよ。
般若心経の超訳
あなたが、苦しみや悩みから解放されて、安らかで幸福な毎日を送りたいなら、般若心経にあるすごく簡単な修行をすれば、いい。
だんだん修行が深まると、なぁんだ、頭の中に記憶された善と悪の考えは、もとは、一切なかったんだと、頭の中をカラッと空っぽにすることができる。「五蘊は皆空」だ。
頭に集まったゴチャゴチャの記憶を空にせよ・・・・・・ということだ。
ちょっぴりでも、頭を空っぽにすると、新しく自分を安らかにする知恵が、ググーッと生まれてくる。
世の中でいう「ああだ」「こうだ」の価値判断も、絶対なものではない。だから、たまには、社会や周囲から頭の中に入り込んだ価値観や、自分固有のクセや生活基準を、ポンとなくしてみる。
すると、もっともっとすてきで新鮮な人生が、さっと生まれてくる。
「諸法は空相」なのだ。
あなたは、緑色が気に入っている。
ピンク色は、どうも気にくわない。
ピンク色が、目の前にはばかる。
なんとか、どけようとする。
が、いっこうにどかない。
そこで、悩みはじめる。その時、頭にあるピンク色は嫌いだという価値の記憶を、ふっと消したらどうか。
「あっ、ピンク色もいいもんだね」と思えるのだ。
「無意識界」は、変化変心の創造世界だ。
あなたは、なぜ、苦しみ、悩むのか。
原因はたったひとつ。
あなたの脳に記憶された、「いい」とか「悪い」とかの考えが、元凶だ。だれもが、老いるのは、いやだ。
この「いやだ」という考えを捨てると、老いることが、いかにすばらしいかが、わかってくる。
老いると、ものの味わいが深くなる。
控え目な老人の忠告は、冬の太陽の光である。
「無老死」だ。
老いることに、くよくよ文句をいわなくていい。
古代インドの僧が説いた「苦集滅道」という四つの真理や、「八正道」という八つの正しい道とか、そんなものは、みんな夢まぼろしだ。
たとえば、「五戒」という五つのしてはならない決めごとの中に、「不殺生」がある。
生き物の生命を殺してはならない。
じゃ、明日から、肉も魚も野菜も食べれれない。
「不邪淫戒」もある。
男女の肉体関係は、禁止だ。
こんな戒律を守ったら、人類の子孫は絶えてしまう。だから、般若心経は、そんな夢まぼろしの現実に合わない古い仏教の教えから、遠く離れなさい・・・・・・と、忠告する。
「一切の転倒した夢想から遠く離れろ」と。
牛肉やお魚をいただく時には、生物の尊い命を「いただきます」と合掌して、感謝をしながら、「ああ、うまい」「まあ、おいしい」と、楽しく食べる。
生きているだけで丸儲けなのに、愛する男女が、深くやさしい情を交わして生きられるなんて、これこそ極楽なんだ。なにかを禁止して生きるのではない。
すべてを活かして、あれこれこだわらず生き抜くことが、悟りの生活なのだ。
「阿耨多羅三藐三菩提(この上ない安らかで幸福な平和な心)を得よ」・・・・・・と。
ああしなければならない。
こうするべきである・・・・・・、こんな倫理にしばりつけられた一生は、空しい。
自分の道は、自分で決めよ。
つねに、頭のこだわりをクリーンにして、自在に生きるには、坐禅もいいが手間がかかる。なによりも、まず、真言を唱えることだ。
いつでも、どこでも真言を唱え、念じていると、規制の価値観が薄れる。
苦悩も去る。
そのうち、いつの間にか、ものにこだわらず、たのしく明るく自由自在に生きる知恵と力が、発生する。
嘘ではない。
真実だ。
「真実不虚」だ。真言の力は、意味ではない。
たくましい音の連鎖が、あなたを苦悩から救い、若い命を再現する。
その最上級の真言とは、これだ。
自分の「考え方」を見直すキッカケになる『超訳 般若心経 “すべて”の悩みが小さく見えてくる』 - 本当に本が読みたくなる読書のブログ
般若心経の私訳
今日はこんなお話をさせていただきます。
それは、観自在菩薩が世の中への考えを深める修行をしていたある時のこと。
「この世で起こることは全て“空”なのだ」と閃いたのです。
菩薩は、その“空”の考えを得たおかげで、この世の全ての苦しみから離れることができたのですよ。
今回はこの“空”を皆さんに知ってもらえたら幸いですね。
私の弟子シャリープトラ、来ていますね。
お集まりの皆さんも考えてみましょう。
私たちが暮らすこの世の中「現実世界」、ここは“空”なのです。
そして“空”には、現実世界も入っているのですね。
そう、現実世界は“空”で、“空”には現実世界が含まれていることになるのです。
“空”とは、そこになにもないことです。
もっと細かくみてみましょう。
私たちの持つ五感の“五蘊”、気持ちや考えの“想”、普段の行の“行”、あとは意識の“識”ですね。
これらも“空”になるのです。
なぜなら、全て頭の中で起こったことだからです。
例えば塩を見ても「しょっぱく」はないでしょう。
塩が舌の上に乗って、塩気を感じ、神経が脳に伝える、そして脳は「しょっぱい」と判断します。
ここに集まった皆さん、このように全ての現象は世の中にはありません、“空”なのです。
ですから、生まれることも死ぬことも、綺麗や汚いも、増えたり減ったりすることもないのです。
現象がそこにはない“空”なのですから、気持ちいい気持ち悪いといった感覚もありません。
行動の良い悪い、認識の正しい間違いも、良い想い悪い考えもないことになります。
悩みや苦しみが生まれる原因。
それは、この世の中の真実を多くの方々が知らないことにあります。
この真実を知らないことを無智と言いますが、この世の中は空。
つまり自分たちが感じたり思ったり、行動した結果出来上がっていると理解することで、悩みや苦しみから解放されることができます。
世の中で起こる全ての出来事、それらにとらわれない状態になったと言うべきでしょう。
とらわれない状態になることで、年をとったと嘆くことや、死ぬことを恐れることも、自分の思っているだけのことなんだと知ることができます。
菩薩は、覚りを得ることを目的としています。
世の中で起こる全ての出来事にとらわれない状態になっているのです。
そのため、世の中に疑いやこだわりを持ってはいません。
世の中に疑いやこだわりを持っていないことは、迷いや欲望が起こらない状態になっていますね。
それは、心静かに正しく物事を見ることができているといえます。
さらに過去から現在、そして未来の如来の方々は、さらに世の中の真実を見ることができているのです。
ここに集まった全ての人々も、そうありたいものですよね。
そこで、世の中で起こる全ての出来事にとらわれない状態を目指すために知っておいてほしい言葉があります。
この言葉は大いなる神の言葉、大いなる素晴らしい言葉、この上なく貴重な言葉なのです。
この言葉と同じ効果のあるものは無いほどの、真実の言葉なのです。
この言葉を言うことで、一切の苦しみを取り除いてくれるでしょう。
その言葉は、こう唱えるのですよ。
羯諦羯諦(ぎゃーてぃ)
波羅羯諦(ぎゃーてぃ)
波羅僧羯諦(はらぎゃーてぃ)
菩提薩婆訶(ボーディソワカー)
これはそのまま唱えるといいのですが、意味はこうです。
「覚りを得た!得たのだ!とうとう覚りを得ることができたのだ!真実を知ることは何と素晴らしいことなのだろう!」
お経を私訳してみることのまとめ
聞いているだけでは難しく、理解しにくいお経。
実はお経は、呪文ではなく「お話」でした。
最近ではお経を現代的に「超訳」した本が多く出版されています。
お経の意味を理解したい方は、「超訳」を読んだ後に、自分の言葉で「私訳」してみることで、さらに理解しやすくなるのではないでしょうか?
参考にした仏教の本はこちら
えんま様の格言 心の天気は自分で晴らせ! 名取芳彦
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お経 浄土宗 藤井正雄
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超訳 仏教の言葉 鳥沢廣栄
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