シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術
著者 鈴木博毅
出版社 株式会社 日本実業出版社
分類 ビジネス書、サブカルと雑学の本
出版日 2012/3/20
読みやすさ ☆☆☆とても読みやすい
ビジネス書探しで見つけた『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』。
漫画やアニメを題材にしたビジネス書は、親しんだことがある作品では登場人物の姿がイメージできてとてもわかりやすくもあります。
鈴木博毅さんが題材に取り上げた「赤い彗星」シャア・アズナブルは、ガンダムシリーズを知らない人にも「仮面をつけて赤い服を来た軍人」として知られていることでしょう。
私も、ガンダムには詳しくはなく、「主人公のライバルのすごいパイロット」くらいしかわかりません。
そこで、『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』を紹介させていただく前にガンダムシリーズの世界観とシャア・アズナブルの活躍に触れ、現実の世界に置き換えてみることにしました。
- シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術
アニメを題材にしたビジネス書『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』
『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』の著書、鈴木博毅さんはビジネスコンサルタントとして企業の経営者や社員へ向けた公演で活躍されています。
私は本を見かけてすぐ、「サブカルと雑学の本」の特集で取り上げました。
実は、アニメを題材にしている『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』は、「後輩指導」「新社会人との関わり方」「プレイングマネジャーとしての仕事」をテーマにしたビジネス書でした。
アニメ ガンダムの世界観と用語を現実のビジネス用語に置き換えてみる
今回はビジネス書として、『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』を紹介させていただきます。
そこで、本の紹介を始める前に、題材として取り上げられている人物シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)が活躍するガンダムシリーズの世界について触れてみますね。
ガンダムシリーズに詳しくはない方にも、ガンダムシリーズに詳しくてもシャアの活躍を現実の世界でイメージし難い方にとっても『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』の内容が伝わりやすいように、ガンダムの世界観と用語を現実のビジネス用語に置き換えてみました。
はじめに、機動戦士ガンダムと機動戦士Zガンダムの世界観を紹介させていただきます。
続いて、登場人物とガンダム用語をビジネス用語に置き換えてみることにしましょう。
「機動戦士ガンダム」の1年戦争
アニメ「機動戦士ガンダム」は、宇宙を開拓した宇宙移民スペースノイドと、地球で暮らすアースノイドの摩擦がついに戦争に発展してしまうストーリー。
宇宙といっても、遠く離れた場所ではなく、地球と月の周辺が舞台です。
宇宙世紀という世界
宇宙世紀(Universal Century:U.C)は、人類が宇宙のスペースコロニーに移民を開始した年を宇宙世紀0001年と数えます。
宇宙世紀では、食料問題や地球の環境破壊が問題になり、地球と月の周りの宇宙空間にスペースコロニーが建設され、多くの人々が移り住みました。
宇宙で暮らす人々をスペースノイド、地球で暮らす人々をアースノイドと区別される風習も生まれます。
スペースコロニーはある程度の自治権が認められていましたが、「国」としては認められておらず、植民地のような扱いを度々受けていました。
地球(地球連邦)と宇宙コロニー(ジオン)の衝突
宇宙世紀0079年には、独立の気運が高まったスペースコロニーのジオン公国が地球連邦に対して独立戦争を始めたことで「機動戦士ガンダム」の舞台になる一年戦争が勃発します。
地球連邦は、地球という圧倒的な資源と人口がありましたが、それまでの戦術を覆すモビルスーツという兵器を活用したジオン公国が一年戦争の前半を有利に進めます。
その後、地球連邦でもモビルスーツ「ガンダム」が開発されたことで技術的な差は縮まり、資源と人口で勝る地球連邦が一年戦争で勝利を収めることになります。
シャア・アズナブルの活躍
赤い服に身を包んで仮面をつけたパイロット、「赤い彗星」のシャア・アズナブルは有名です。
ガンダムシリーズやシャアのファン以外には、シャアというキャラクターの背景はあまり知られていません。
シャア・アズナブルは、ジオンの元を築いたジオン・ズム・ダイクンという宇宙移民の政治家の息子で本名はキャスバル・ズム・ダイクンといいます。
ジオン・ズム・ダイクンは、同じ政治団体のザビ家に暗殺されてしまい、奥さんと娘、そして幼いキャスバルは逃亡生活を送ることに。
その後、キャスバルはシャア・アズナブルと名前を変え、ザビ家への敵討ちのためにジオン公国の軍隊に入り活躍していきます。
敵国の地球連邦に恐れられていたシャアでしたが、本当の目的は自分の所属しているジオン公国の幹部ザビ家への復讐でした。
機動戦士ガンダムの物語終盤で、父の暗殺に関わったザビ家の人物への復讐は遂げられ、シャアはどこかへと姿を消してゆきます。
「機動戦士Zガンダム」の世界
ガンダムシリーズの2作目に当たる、「機動戦士Zガンダム」は地球連邦とジオン公国が争った一年戦争から7年後の世界が描かれています。
『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』では、ほとんどのエピソードは「機動戦士Zガンダム」のお話を元にしています。
地球連邦の腐敗
一年戦争に勝利した地球連邦でしたが、ジオン軍の中には降伏に従わず武装を続ける集団もありました。
一年戦争で多くの戦力と優秀な幹部を失った地球連邦は、再び軍事力でスペースコロニーを支配する方針に舵をきることになります。
地球連邦特殊部隊ティターンズの支配と反地球連邦エゥーゴの内乱
宇宙世紀0087年、地球で暮らすアースノイドがスペースノイドの暮らすスペースコロニーを支配しようとする「アースノイド至上主義」を元に地球連邦内でティターンズと呼ばれる組織が力を伸ばしていました。
アースノイド至上主義を良しとしないスペースノイドを中心に、地球連邦内で反地球連邦エゥーゴが組織され、2つの勢力は地球と宇宙で衝突することになります。
この時の反地球連邦エゥーゴに、機動戦士Zガンダムの主人公の少年カミーユ・ビダンとクワトロ・バジーナと名前を変えたシャア・アズナブルが所属する組織。
軍隊の中にありながら、個々の隊員の考えや判断も大切にする柔軟な組織でもあります。
ガンダムの世界観と組織を現実の世界に置き換えてみる
地球連邦=株式会社レンポウ、古い体質の大手企業
地球連邦は、資金力と社員数の規模が業界トップの大手企業。
長く市場を独占していますが、組織の体制が古く、派閥が対立し変化に遅れることがある大企業の特徴があります。
仮に株式会社レンポウと思ってみてはいかがでしょう?
ジオン公国=ジ・オンワークス、新しいビジネスモデルを持つベンチャー企業
株式会社レンポウのグループ会社でしたが、親会社の経営方針に反発して独立を表明したベンチャー企業ジ・オンワークス。
革新的な技術と営業スタイルを取っていますが、経営権はThe ONワークスの創業者と共同経営していたザビ家へと移り、徐々に極端な経営方針に切り替わることに………
登場人物を現実の世界に置き換えてみる
シャア・アズナブルとクワトロ・バジーナ
現実に置き換えたシャア・アズナブルは、ベンチャー企業ジ・オンワークスで新入社員からわずか数年の間に会社に莫大な利益を出し、「通常の3倍の速度で仕事を終わらせる」と伝説になった社員。
ジ・オンワークスで課長(少佐)から、部長(大佐)にまで上り詰めたシャアは、ジ・オンワークスの吸収合併とともに姿を消すことに…
一年競争が終わって、7年後エゥーゴ製作所の設立に関わり、1チームのプロジェクトマネジャー クワトロ・バジーナ(大尉)として後輩の指導に当たることになります。
ガンダム用語をビジネスの世界に置き換えてみる
地球連邦軍の戦艦を中心にした戦術
1つの県に1つの支店を配置した、株式会社レンポウの営業スタイル。
ニュータイプ
AIの判断をさらに先読みして、世の中の「本当のニーズ」に応える人材。
逆境ばかりの世界で生きた1人の青年シャア・アズナブル
『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』を紹介させていただく前に、赤い彗星シャア・アズナブルが活躍したガンダムシリーズの世界に触れてみました。
題材になっている「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」は、1979年〜1986年とバブル景気に入ろうとする時代。
現代からすると、馴染めないような風習や文化もあります。
私も、本を紹介させていただくにあたり、機動戦士Zガンダムを簡単にですがムービーで見てみると、「こういう時代だったんだな」と感じることもあります。
その中で異質に感じるのは、登場人物クワトロ・バジーナことシャア・アズナブルです。
作品の世界の中でも、横暴な幹部やパワハラのような命令が飛び交う中、シャアだけは後輩に寄り添い、気持ちを開くように関わっていました。
いざ、作戦のために後輩や部下と現場に出ると、具体的でわかりやすく仕事の指示を伝え、必要なときは部下の反対に納得できる説明をしています。
その姿は、作品の世界観の中では異質に感じますが、現代的なリーダー像としては身近に思えます。
時代を問わず、実は当時のシャアのようなリーダー像が望まれているのかもしれませんね。
それでは、次回からいよいよ本の紹介に入ります。
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